舞台『終焉のヴィルシュ』 感想・備忘録

 本日、『終焉のヴィルシュ』の舞台を見に行きました!
昼公演は絶望エンド・夜公演は救済エンドの両方見ました。合計7時間。  腰がぶっ壊れるかと思いました。

(舞台外のゲームのネタバレ含んだ感想です)
本当に最高の舞台でした。印象的だったのは第一部で共通ルートをやってくれたことです。セレスちゃんが最初の第一歩を踏み出したのは共通ルートでだと思っていたので、ここを丁寧にしてくれたのは本当に嬉しかったです。

オープニング。
もうこの時点でチケットのもとは取れました。「リコリスの愛」が流れた時からもうテンションが最高潮になりました。
そのOPに合わせて ブローvs.自警団の殺陣が繰り広げられたのですが殺陣のレベルが高い。蹴りのスピード、ブローのバトルアックスを振るスピード、隙ができた時にすかさず攻撃を入れる戦闘が自然に繰り広げられている感じが見ていて本当に気持ちよかったです。引き込まれました。
順番にキャラクターの名前とそれに合わせて演者さんがスポットライトを浴びていく演出もかっこよかったです。
曲の最後、シアンさんとセレスちゃんが向かい合って、月とイブくんが遠近法で少し小さく真ん中にいる絵が本当に美しかったです。あの向かい合ってるシーン、公演写真として販売されないか本気で期待しています。

本編。
キャラクターの解像度がすごい高く抽出されている印象を受けました。
・アドルフとイブくんの会話をしていなくても目を合わせてコミュニケーションを取っているところ
・アドルフがチラチラとセレスちゃんを確認している
・シアンさんの歩き方がシアンさんの歩き方すぎたところ
・イブくんの笑顔をつくるタイミング
・マムのセリフが無いときの表情
・声の感情保有
台詞が無い場面でも身振りで演技したり、立ち方や歩き方でそのキャラクター存在や生活を想像できるのが舞台ならではの魅力がたっぷり詰まっていました。

共通ルート 第一部
冒頭でも書きましたが、セレスちゃんが第一歩を踏み出したルートだと感じているのでここが丁寧に描かれているのが本当に嬉しかったです。
セレスちゃんがずっと下を向いて歩いていたのが、少しずつ前を向いて歩くいくようになっていくのが素敵でした。
あと、こうしてみるとアドルフのセレスちゃんの過保護っぷりが目立ってましたね。最初の方、セレスちゃんは「駄目」って言われると下を向いて引き下がろうとしていたので、イブくんが「まあまあ」と落としどころを見つけてくれたのを見て、本当に人との出会いって大事だなと感じてました。
それから、全員の選択肢のシーンも舞台で見ると違った印象を受けました。
シアンさんの選択肢が特にアンクゥとの出会いの影響を強く感じました。他の選択肢だとセレスちゃんの素敵なところが相手の好感度に繋がっている印象を受けました(とくにマティスくんとリュカ先生)が、シアンさんに意見することも、述べた意見の内容もアンクゥと出会って死と向き合おうと考えたからなのかな、アンクゥ確かに貴方はセレスちゃんの未来を変えたよ!!と嬉しくなりました。

シアンさんルート 第二部
共通ルートが丁寧にゆっくり進んでいるのに対し、シアンさんルートは「いいとこギュッと詰めました!!」という印象でした。決して早足というわけではありません。ただ、小さな日常の部分がカットされていて、その日常でじわじわ互いの好感度が上がっている感覚がシアンさんルートでは大好きだったのでそこは少し残念でした。
とはいえ、濃縮された分、セレスちゃんがシアンさんのどこに惹かれたのか、シアンさんがセレスちゃんのどこを気に入ったのかがわかりやすくなっていました。セレスちゃんはシアンさんの自分が今まで向き合ってこなかったものを直視し続けてきた姿勢、生き方が素敵だなっと思ったんだろうな、と。セレスちゃんとシアンさんの境遇が少し重なるのは新たな視点でした。死が近くに合って、それに対して全然違う考え方、強さを持っていて、真逆の出発点でも、どうあっても人のために行動してしまうところは似ているなとか考えていました。
あと、シアンさんルートはマムの告解に対してセレスちゃんがいった「スタートがおかしくても結果が大事」というのが根底にあるルートなのかなと考えたりしましたね。おかしなスタートは裁かれるときが来るかもしれないけれど、出た結果に対しての報酬も受け取る資格がある。みたいな。
シアンさんはジグソーパズルを捨てなかったことがあんなに効いてるとは思っていなかったです。セレスちゃんの出しゃばらないところが良い。と言いながらセレスちゃんのジグソーパズルで感じたこととかを楽しんだりするあたり、セレスちゃんのよく考えたうえで敢えて触れない、ところが気に入ったのかな、と。そういう意味では結構大人な恋愛してるなって感じました。相手を尊重して、踏み込まない。自他境界がはっきりきている、みたいな。
あと結構セレスちゃんのこと大好きでしたね。殴られているところ見た時の反応とか、セレスちゃんのことを庇う・肩を支えながら連れてく演技とか、絶望エンドの時の慌てた動きとか、本当にセレスちゃんに対する特別扱いが舞台だとゲームよりわかりやすくてシアセレ大好き人間としては本当に大満足でした。
シアンさんのような俺様系のキャラクターいい所って肯定したときの説得力の強さだよな。と改めて思いました。「俺が許可してやる」という台詞。生きることだったり、泣くことだったり、誰の許可もいらないけれど、自分自身で許せなくて肯定しきれないことを、力強く肯定してくれること。この人に許してもらえたなら、っと感じるくらいの説得力を生き様で示してくれるのが俺様キャラの魅力だなっとなりました。

演出とかその他とか
アドルフの首のシーン。あれ最高だったけどあそこまでやる?!ともなりましたね。あまり舞台では見ない表現だったので。とはいえ、『終焉のヴィルシュ』が一線を画すシーンでもあるのであれくらいやってくれると流石!!という気持ちは強いのですが。
あとFDの内容も少し入ってたのは驚きました。特に絶望エンドはFD要素が多めですごい地獄で最高でした。特に、イブ君の「貴方みたいなーーーーーー」は個人的に『終焉のヴィルシュ』名言ランキングの上位にあるので聞けて嬉しかったです。
救済エンドの「俺は今からーーーーーー」の、あのシアンさんにしか言えないであろうセリフ採用してくれてありがとうございました。あれ本当に大好き。それを聞いたダハトくんとセレスちゃんの反応含めて舞台化してくれてありがとう、感謝の気持ちが湧いてきちゃいました。

本当に最高の舞台でした。
今、頭にまとまり切れていないのをダーーーっと書いている感じなのでまとまったり、思い出したりしたらまた書きたいな。
他のルートも約3時間30分でやってほしいなーー。

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