宝物
この季節になると思い出す。
数年前に大学院を卒業した息子が久し振りに帰ってきた時のこと。
就職までのほんの数日間だが、それでも私は嬉しくて嬉しくて仕方がない。やっぱり顔を見たいものなのだ。
「就職おめでとう」と就職祝いのプレゼントを渡すと「ありがとう。生まれてこの方祝われてばかりだな」と嬉しそうに受け取ってくれた。
意外だった。私は彼にたくさん苦労をかけた。まさかそんな言葉が出るとは思ってもいなかったので、救われた気がして私は感激して涙が滲んだ。
『生まれてこの方祝われてばかり』は私にとって宝物になった。忘れたくない大切な言葉。
そして立派に成長した息子のことが誇らしく頼もしい。なんなら世界中に紹介したい…はい、単なる親バカです。
今、彼は就きたい仕事で頑張ることができている。それも彼の努力の賜物だ。
春になると思い出す私にとっての宝物の言葉。
今日も元気に頑張っているだろうか。
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