グラボ2枚刺しで5枚のディスプレイを使いたい
今まで、僕のPCは4画面出力で運用していたワケですが、これにもうちょっと画面を増やしたいと思ってきたんです。
具体的にはコレ。玄人志向の縦長ディスプレイ。
これを横に設置してアナライザとか出したら便利そうだな、と。
結論から言うと、「普通にできるけど意外なところで引っかかる」感じだったので、ノウハウ共有のためにこのエントリを書きました。
グラボ2枚刺し(またはデュアルGPU)で画面追加を考えている人の役に立てば幸い。
■とりあえず追加のグラボを買いに行く
PCからの画面出力って、4枚まではわりとすんなりいくんです。
ミドルクラスのグラフィックボードでも、出力端子が4つ付いてるカードは珍しくありませんし、ハイエンドグラボでも基本的に出力は4本。
(画面4枚出せるミドルグラボの例)
そこに「5枚目」を追加しようとすると、だいたいの場合、単純にグラフィックボードないしGPUがもう1台必要になります。
(CPUにグラフィック機能が付いてたら、それを2つめのGPUとして使用可能)
僕のマシンはグラフィック付いてないCPU(Ryzen 9 3950X)なので、グラボ追加が必須。
ポイントは
・CrossfireやSLIではない(目的はGPUパフォーマンスの追及ではない)
・ただ純粋にディスプレイの出力を足したい
という点。
ってことで、とりあえずテスト用に安物のファンレスグラボ(4,000円台)を買ってきて検証開始。
■課題 : 意外と余ってないPCIスロット
早速、PCの余ってるPCIe x16スロットに刺すも、映らない、、、。
既に使用済みのx16スロット2本のうち、Danteカード(PCIe x4)を差し替えて試すと、一応画面が出た。
(刺さってるのはこれの後継機)
ただそうすると、今度は入れ替えた方のDanteカードが機能しない。。。
どうも、マザーの最下段にあるx16スロットが機能していないっぽい。
(マザーはX570 Taichi)
色々調べていくと、どうもM.2 SSDをM.2_3スロットに刺していると、最下段のPCIe x16スロットが無効になるらしい。
これじゃん!
なので選択肢は
・どうにかしてグラボかDanteカードをx1スロットに刺す
・M.2 SSDを一枚外して別の接続手段に切り替える
かの2択。
とりあえず深夜のヨドバシでパッと買える変換ケーブルから試す。
■手段1 : どうにかしてグラボかDanteカードをx1スロットに刺す
ということで、ファンレスグラボを無理やり変換ケーブルで接続。
本来はディスプレイを追加するためではなく、マイニングなどに使う用途のケーブル。
ゆうてグラボはGT 710、旧式のファンレスグラボだからx1でも帯域足りるだろうと思ったら、それ以前にすでに刺さっているGTX 1070と競合が起きて、710からしか画面が出ない!
どうもX570 Taichiの仕様で「起動時にx16スロットより先にx1スロットを読みに行く」っぽくて、BIOS画面からして1070より710が優先される。
その後、1070を認識させた後でも、デバイスマネージャーでは
の順で表示されたので、これはもう動かしようがないっぽい。
まあそのくらいは後でどうにでもなるとして、ドライバを何回か当て直して1070を起こし、晴れて5画面を出したところ、、、今度はWinが「省電力」を理由にGT 710をメインで使ってしまう。
ただでさえ非力なグラボをx1接続なんかしてるせいで画面描画がめちゃくちゃ重い。
エクスプローラー開くだけでカクつく。
■WinとNVIDIAそれぞれにGPU設定がある
ということで、まずはできるだけアプリが710を使わないように設定。
行う行動は主に2つ
・NVIDIAコントロールパネルの3D設定
・Win設定の「システム→ディスプレイ→グラフィック」から、各アプリごとに使うGPUを決める
参考 - https://www.gigafree.net/Windows/set-gpu-per-app/
特に後者。普段使うアプリを片っ端から「高パフォーマンス」に設定し直す。
これで、なんとか見た目上はちゃんと動くようになりました。
■結論 : 画面を出すならグラボのx1接続はやめた方がいい
ただ、結果としては、PCにパフォーマンスを求めるなら、グラボを変換かけてPCIe x1スロットに刺すのはやめた方がいいです。
どう足掻いても追加グラボがPCに余計な負荷をかける。
元々x1端子のグラボなら大丈夫かもだけど、僕の環境でパフォーマンスメーター見る限り、
平均的にCPU・グラボ(2枚とも)の負荷が+10%
って感じでした。
とはいえ、本当にPCIeスロット余ってなくて、それでも多画面構成やりたいなら、画面自体は普通に映るので日常的な利用は問題なし。
バス速度からいっても、( Alt.モードではなく普通の )USBからのHDMI変換よりは、PCIe x1変換で挿した方が動作はキビキビすると思います。
(こういうの)
■手段2 : M.2をx1スロットに逃がす
ということで、前述のうち2つめの手段、「M.2 SSDを別の接続手段にする」を考える。
なんとかマザーのスロットではない別の方式で接続する方法を調べると、x1スロットにNVME SSDを刺せるカードが存在しているので、これを試す。
M.2 SSD NVMeの場合、内部接続方式はあくまでPCIeなので、カードにはコントロールチップも何も載ってませんね。
本当にただ配線繋いでるだけっぽい。
SSDはすんなり認識して、ベンチマーク試すと、やっぱりx1接続なぶん速度は落ちる。
それでもSATA接続のSSDよりは速いので、まあ文句はないかな。
ちなみにシステム用SSDの速度はこんな感じなので、遅くはある。
■結論 : イマドキのPCはPCIeスロットに要注意!
ここまで対処すると、PCの動作はだいぶ安定。
1枚の単体画面でレベルメーターを出せるとやはり便利!!
ただ、やはりGPUの処理能力が違いすぎてPCの動作で「あれ?」ってなる瞬間はあるので、さすがにファンレスGT 710は良くないかもしれない。
最近のPCはグラボ、キャプチャ、サウンドカード、更にSSDと、PCIeのバスを使うデバイスが増えているので、PCIバスの扱いはUSBなんかより余程注意が必要かもしれないと思うなどしてます。
、、、ということで、この検証結果を元に、PC自体をアップグレードしたので、それはまた次のエントリで。
以上!