スクナヒコナノミコト
日本神話に少彦名命という神様の話が出てきます。神産巣日神の子、または、高皇産霊神の子という設定で、日本ではオオナムチ(大国主神)とともに国造りに参加。
この神様は天乃羅摩船に乗り、蛾(=ヒムシ)の皮の衣を着て波の彼方から現れ、帰りは草に弾かれ常世に渡ったのだとか。
古代史を調べると、「質」(むかわり)と呼ぶ朝鮮半島(波の彼方)から日本に渡来した王子たちの存在が浮かんできます。なんとなく人質のイメージがするけど、実際は違ったという説も。
さて、少彦名命は字の如く体が小さいのですが、
この人がモデルではないか? という記述をみつけたのが斯麻(百済第25代、武寧王)です。
父は昆支王といい、倭王に即位したばかりの興(安康天皇)と関係強化を図る目的で来日。その時、筑紫の島で生まれたのが斯麻だとか。
(昆支の兄王の身重の妃が母という説もあり)
ところが高句麗の襲撃で百済王が亡くなり、昆支が帰国するも謎の死を遂げ、次の王も死亡。倭からの支援で昆支の子の末多(斯麻の異母兄弟?)が即位するも暗殺。そして次に即位したのが斯麻(武寧王)です。
(百済王家、怖っ😱)
武寧王の治世は20年以上に及び、即位前の継体天皇と良い関係を結びたいと、二人の使者を倭へ派遣し銅の延べ棒200本を贈り鏡を作ったとか。
倭で生まれた百済王が倭の天皇家へ良好な関係を希望し、加えて滞在中「質」(むかわり)として異色の幼子が活躍。(実際には、親や他の王子の手柄)神話に残すモデルとして貢献度や話題性は十分。子供の活躍って受けがいいから。
斯麻が着ていたヒムシは、蚕が繭を作ってサナギになるまでの期間、及び羽化した後の成虫も指す。体が小さい=生まれたばかりという考えは、これぞ歴史のロマンです😅
最後までお読みいただきありがとうございました💖
参照:wiki(スクナビコナ)(ヒムシ)
『渡来人と帰化人』田中史生著