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mitomok
会員制の粉雪(ショートショート)
ある企画会社の社員が、猛暑対策研究所を訪れた。
「突然ですが、真夏のオフィス街に雪を降らせることは可能ですか」
「出来ますよ」
「え? 本当に?」
だが話を聞くと、人工造雪機と大量の氷が必要だと言う。
そしてすぐに溶けてしまうだろうと。
「さらさらのパウダースノーが望ましいのですが」
「それは真冬の長野や北海道でも条件が揃わないと難しいですね」
社員は困り果てた。真夏に屋外のイベント会場で雪を降らせる等、会員限定の雪遊びを考えていたからだ。北国から雪を運ぶ案も出たが、費用がかさむ。
悩んだ挙句、反対を押し切って求人広告を出すことに。
「求む、雪女。真夏のオフィス街で活動してみませんか?」
それから、数多くの自称雪女を面接。そして、遂に本物の雪女と思しき女性と会うことに。
面接当日、外の世界を白く染めながら現れた女性。
一目見て、この人だと思った。
「真夏の活動は大丈夫ですか? それと粉雪を出せますか?」
そう質問すると女性はニッコリ笑って頷いた。
(414文字)
たらはかにさんの企画に参加します。
最後までお読みいただきありがとうございました💖