五試合のうち二試合(改)
(9/4画像変更、文末語句説明追加)
「初心者がほとんど」「上下関係は厳しくなく和気あいあい」
安っぽいキャッチコピーに引っかかり大学でレスリング始めました。オリンピックでおなじみのあれです。ところが試合になるとからっきし。相手と向き合って戦うのがあんなに恐ろしかったとは。
レスリングは相手の両肩を三秒マットにつけてフォールするか時間内のポイント勝負。体力はあるのですが試合になると思う様に体が動きません。あがり症になったのか試合で勝てない日々が続きます。ところが部員もぎりぎりなので二回生から団体戦に出場させられるはめに。
あがり症の克服なら、今ではメンタルトレーニング? 例えば「マインドフルネス」でしょうか? 残念ながら当時は、「座禅」「修行」という言葉しかありません。
海外では、「ヒューマン・パフォーマンス・リカバリー」なる言葉があるようです。例えば、テニスの試合中継でインターバルに黙々とガットの目を直している選手の姿をご覧になった方もいると思います。
自分の場合、あがり症対策もないまま苦しみ結局お決まりのコース。厳しい状況にさらに追い打ちをかける出来事が起きて発奮せざるを得ない状態に。
負のスパイラルに陥ると辛いです。成功への誘い水が欲しい。でも技を磨く目標をたて一歩ずつ足掛かりをつかむしかありません。強いて言うなら的確なアドバイスがもらえるコーチが欲しかった。
「タックル入ってバックに回り、すぐ二ポイント稼ぐ技につなげる」
最初に教わったこの言葉を試合で実現させるのに三年かかりました。有難いことに最終学年では「五試合のうち二試合」は良い動きが出せるように。いわゆるゾーンに入った状態。残り三試合もあがり症に悩まされることはありませんでした。
最後の試合、ある技の自動化(好機に体が無意識で動く)という成功体験も実現します。でもそこに至ったプロセスは不明。一万時間の法則? いいえ、そんなに時間かけていません。先輩の芸術的な技に魅せられ、「あれをマスターしたい」という思いが取っ掛かりだった気がします。試行錯誤しているうち狙ったわけではないのに気がついたら無意識発動に。いつの間に技が掛かったのかと本人が驚くほど。「見て盗め」としかアドバイスが出来なかった。だから今でも敢えてこう言います。「憧れ」の力とミラーシステムの働きを信じて!
(9/4以下追記)「ミラーシステム」とは
幼児の言語の獲得、動作を真似る、共感など誰もが発揮する脳の働き。 集英社コミック「NARUTO-ナルト」では忍術の技「写輪眼」が有名。 大人になれば何故か曇りがちだが、稀に短時間でやってのける人がいる。
関連用語「ワイルド・スピード森川」
女優の森川葵さんが出演するバラエティー番組「それって!?実際どうなの課」(中京テレビ・日本テレビ系、水曜午後11時59分)これまで番組で、さまざな達人技を驚異的なスピードで習得し、「ワイルド・スピード森川」の異名で話題になっている。
最後までお読みいただきありがとうございました。この文章が誰かの助けになることを願っています💛