「バタフライ効果」 ~小さな「ゆらぎ」が大切~
「自己組織化」に関連するものとして、「バタフライ効果」があります。
「バタフライ効果」とは、気象学者エドワード・ローレンツが米国で行った講演のタイトル「予測可能性:ブラジルの蝶の羽ばたきはテキサスで竜巻を引き起こすか?」に由来する、「初期鋭敏性」のことです。
すなわち、「ミクロ」の「ゆらぎ」が、「マクロ」の大勢を支配してしまう。そして、その変化の方向性は、当初の想定と大きく異なったものとして現れてきます。
企業活動でも、ちょっとした出来事が、全体の動きを大きく変えてしまう事例が多くあります。
ある人が、報告会でプロジェクトの進捗を報告しました。
ある人のコメントは、その人を落胆させ、ある人のコメントは、その人を高揚させました。
ささいなコメント一つで、その人のモチベーションは天地ほどの差となって、以降のパフォーマンスに影響を及ぼしていきす。
ある日、大きな品質不良が出てしまいました。担当者は必死になってリカバリーに奔走しています。
この出来事の意味を、どう捉えるか。
この担当を叱って責任追及するだけで終わるか、この時期にこの不良が出たことの、プロジェクト全体における「意味」を感じて、「いい時に、いいことが分かったな」と言うことができるか。
「場」のマネジメントでは、まさに、その時その時の、ささいな言動一つ一つが重要です。
「ゆらぎ」は、いつもで、そこらじゅうで発生しますが、それを、ある「方向性」に導くための「意味」ある「ゆらぎ」にしていくこと。
「出来事」に「命」を与えて、ある「方向性」に導くことが、マネジャーの務めと考えています。
そして、その「結果」そのものは、天に委ね、ひたすら「行動(「ゆらぎ」)を起こし続けることこそ、重要です。
■引用 "Predictability: Does the Flap of a Butterfly's Wings in Brazil Set Off a Tornado in Texas?"