「一回性のマネジメント」 ~毎回、初回の気持ちで~
「進化の未来は予測できない」
ノーベル化学賞を受賞した、イリヤ・ブリゴジンの言葉です。
「機械論」なら、入力する条件が同じなら、出力は毎回同じとなりますが、「生命論」的に考えれば、今この瞬間は「一回性」であり、二度と同じ状態は現れません。
リーダーや部下の性格、置かれている環境、その時々の職場の雰囲気等は、一瞬一瞬で変化していきますので、同じ言葉を発しても、同じ結果が出ることは、ほとんどありません。
ビジネススクールでは、よく「ケースステディ」を勉強しますが、これらは頭の体操には役立ちますが、それらの施策がそのまま通用することは、まずありません。
逆に、変な先入観に囚われて、感性が鈍ってしまう弊害もあるように思います。
毎回の状態が「一回性」であることを前提に、あえて、過去の経験をアンラーニングして、その都度、その都度、新たな気持ちで取り組んでいく。
そういう意味では、その瞬間瞬間に何をしたらいいのか、正解が分からず、考え込んでしまうことが普通なのでしょう。
マネジメントを、その一瞬一瞬の「アート」のように捉えて、創造的に取り組んでいきたいものです。