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「吉野山(青根ヶ峰)」(858m) ~桜で有名な関西百名山~

 三万本の桜で有名な吉野を訪れました。

 吉野山は日本史上の節目に、たびたび登場しますが、「吉野山」という名の山はなく、関西百名山となっているのは、標高858mの「青根ヶ峰」です。

 古くは、初代神武天皇が東征に際し、熊野から吉野を通って大和に入り、壬申の乱の際は、大海人皇子(のちの天武天皇)が、吉野山に隠棲後、兄の天智天皇の死の知らせを受けて美濃へ脱出し兵を上げ、大友皇子を倒して政権を握りました。

 このとき大海人皇子が吉野について詠んだ歌
 「よきひとのよしとよくみて、よしといひし、よしのよくみよ、よきひとよくみつ」
 は、万葉集にも収録されています。

 また、天武天皇の妻だった持統天皇は、吉野を愛し宮滝に離宮を作り、30回以上も訪れました。

 時代は変わって、源頼朝の追討を受けた義経・弁慶らが吉野山を通って東国へ脱出し、後醍醐天皇は神器を持って京都を逃れ、吉野山に朝廷を置き、南朝の拠点となりました。

 今回は、近鉄吉野駅から金峰山寺の仁王門、蔵王堂、高城山を経て、西行庵のある奥千本へ。雄大な上千本、中千本、下千本に比べ、奥千本(実質は奥百本程度ですが)は、山間部に隠された奥座敷のようです。

「奥千本の西行庵」
「奥千本の桜」

 西行庵は、放浪の歌人西行が3年の春秋をすごした庵です。幽すいの気に満ち、寂しさを歌にたくした西行の思いが伝わってきます。   

「深き山にすみける月を見ざりせば 思ひ出もなくわが身ならまし」 
「とくとくと落つる岩間の苔清水 汲みほすまでもなき住居かな」
  

 西行庵の近くにある苔清水は今も岩間からとくとくと流れ落ちています。

 吉野山域最高峰で、関西百名山とされている青根ヶ峰は、眺望はありませんが、木々の間から百貝山が見えます。

 青根ヶ峰からは、大滝方面に下り、蜻蛉の滝でしばし休息を入れて、バスで中荘温泉へ。

「青根ヶ峰山頂」
「青根ヶ峰から百貝山」
「蜻蛉の滝」
「蜻蛉の滝の桜」

◆行程
  9:00 近鉄吉野駅出発
  9:30 金峰山寺蔵王堂
  9:40 韋駄天山(370m)
  10:30 吉野水分神社
  10:50 高城山(680m)
  11:20 金峰神社
  11:40 西行庵(昼食)
  12:30 出発
  12:45 青根ヶ峰(858m)
  14:20 蜻蛉の滝
  15:00 大滝口バス停
  16:27 バス出発
  16:40 中荘温泉(700円)
       ★
中荘温泉
  18:39 近鉄大和上市駅発


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