遊戯王マスターデュエル　アステカデッキについて

　相手がうかつに裏守備に攻撃してきた次の瞬間に反射ダメージ1万超のオーバーキルしたくないですか？

珍百景

　いつかのランクマの画像です。すごいですね。
　これをやった主犯格を紹介します。

　――これはアステカデッキをランクマで使うべく頭を捻り、血を吐きながらSRやURを生成し、そして分解していった者の物語だ。

第一章：アステカとの出会い

　そう、あれは10年前……メキシコで遺跡巡りをしていた私は嘘ですメキシコ行ったことないです。

第二章：アステカデッキを組んでみた

　とりあえず最初に組んだのは、シンプルに、アステカの石像やらD-HEROディフェンドガイやら機動砦のギアゴーレムやらの守備力高い奴らの守備力をさらに爆上げしてワンキルしようぜイェイ！みたいなデッキでした。当時のゴールド帯で勝率2割くらいでした。ふつうに勝てなかったけど、勝てる試合は反射ダメージがド派手＆コンボ成立の快感が悪魔的だったため、その日からアステカ研究を始めました。負の成功体験ってやつです。成功？

第三章：アステカの石像いらなくね？

　勝ちを追求するとなると相手の盤面をコントロールする必要が出てきます。そこで最強ニチャりカード《スキルドレイン》の存在に思い当たりました。全部のモンスターの効果を無効にしちゃえば、やることなくなった相手は仕方なく適当なモンスターで裏守備に攻撃してくれるというわけです。スキドレ最強！　スキドレ最強！

　いやでもそれアステカの石像の効果も無効にされるじゃん。スキドレはやめとくか……。

　石像の方を抜きました。足下の床がパカッと開いて「俺ぇぇ！？」って言いながら奈落へ落ちていく石像くんかわいそうだったな。スキドレを入れたことにより、D-HEROディフェンドガイやビッグシールドガードナーらのような、デメリットアタッカーならぬデメリットディフェンダーたちが輝き始めます。

第四章：アステカで勝ちたい……！ アステカの石像おらんけど

　アステカは守備表示に攻撃させて反射で勝つデッキの総称、ということにして、アステカの研究をつづけました。そこからは試行錯誤、七転八倒、踏んだり蹴ったり、泣きっ面にB・Fの日々でした。うまくいくぞと途中までは思っていたギミックたちを紹介します。

《機動要犀　トリケライナー》＋ATKデバフカード＋攻撃強制カード

　緩い条件を満たせば相手ターンにフリチェで手札から出せる、完全耐性の守備力2800、トリケライナー。硬さ良し、奇襲性良しのこのモンスターこそアステカの救世主……！　闇・機械族なので、おろかな副葬で落としたオルフェゴールメリークリスマスで急にサーチして急に出せる……！　完全耐性で自分の効果さえも受けないから、敵味方問わず攻撃力めちゃ下げるワイトプリンセスを使ってもトリケライナーだけは無傷……！　あとは攻撃強制の効果を持つ罠を使えば！
　だめでした。
　自分の効果も受けない＝D2シールドとかで守備力盛れないから爆発力がなさすぎる。

《源竜星－ボウテンコウ》＋《竜星の極み》＋DEFバフカード

　攻撃強制カードの筆頭、竜星の極み。永続罠だから持ってきにくいこいつをサーチできる守備力2800のモンスターがいるらしいな……？　レベル5シンクロを1枚初動で出すギミックでボウテンコウをS召喚！　そのまま竜星の極みをセット！　あとは初手に引いていたD2シールドや仁王立ちで守備力を爆上げすればいけるはず！
　いけませんでした。
　初手にDEFバフカードとシンクロ初動カードがバランスよく来てくれることってほぼないです。しかもボウテンコウは裏守備で出せる下級壁モンスターや急に出てくるトリケライナーとは違って、見えてる壁なので、ふつうに除去されます。

《魔神童》＋墓地送り罠

　除去られるなら《身代わりの闇》で防げばいい！　これならついでに魔神童をデッキから落とせるし、魔神童は効果でそのまま自身を裏守備で蘇生できるぜ！　そうでなくても《悪魔の嘆き》でも同じ感じで魔神童出せるし、守備2000あるし、これはアステカ界のホープだ……！※希望皇ではない
　ふつうに守備力足りんし、ホープレスでした。※絶望皇ではない

　といった感じで、諦めかけていたのですが、突如としてデッキトップが光を放ちます。

第五章：完成したんだよ……アステカスプライトがな

　勝てないのなら環境デッキと混ぜればいいじゃない！！！！！
　スプライト・レッドもスプライト・キャロットも、強力な制圧効果を持っている上に守備力が意外と高い。そしてスプライトのバフ系カードといえば、ガンマバーストと、ピクシーズ……！　特にピクシーズは攻撃してくる相手モンスターの攻撃力分だけ守備力を上げてくれるから、極端な例を出せば、ATK9000のヌメロンドラゴンに殴られたらピクシーズだけで守備力9000アップだ！　そこに仁王立ちで守備力を倍化させたら……どうなっちまうんだ～～～～～～！？！？！？！？！？

　ダメでした。

　D2シールドや仁王立ちには「ダメージ計算時に発動」の文言がないので、ダメージ計算「前」にしか発動できませんが、ピクシーズが発動できるのは「ダメージ計算時」限定。先に仁王立ちで守備を倍にしたその後にしか、ピクシーズは発動できません。おわりだ。実際に試しましたが反射ダメージが伸びずにキルできませんでした。何がスプライトだよ。おれはペプシ派だっての。ペプシのコーラおいしいですよね。僕は1.5Lのペプシコーラを冷蔵庫に常備しています。それではここから本記事はペプシコーラの素晴らしさを啓蒙する内容となりますのでご了承ください。

第六章：ペプシの企業努力は素晴らしい

　ペプシのコーラってけっこうパッケージとか味とか変えてるし、おいしいし、好きなんですよね。止めてくれる人がいないのでアステカに話を戻しますが、アステカはもうだめです。というか絶対、壁モンスターで耐え忍びつつ、機が熟したらアステカの石像をカッチカチにしてワンキルする一発屋路線が一番いいという結論に至りつつあります。でもなー。だとしてもランクマじゃ勝てんしフレ戦でも白けるし。
　けどまあ、一発屋としてなら、フレンド戦で盛り上がれる構築を目指すことができます。

　今回はそんな、自分も相手も笑えちゃう、一瞬のきらめきを放つコンボをひとつ紹介して終わりたいと思います。

　バトルフェイズ中に《海》を墓地に送ることで、デッキから、

　DEF3000のこいつを3体と、

　DEF2900のこいつを1体と、

　意味不明のカードを1体出します。

　相手はもうバトルに入っているので、DEF2900～3000を超えられない場合があると思います。だから仕方なく意味不明のカードに攻撃してきます。ここでBGM：クリティウスの牙を流しながらこのカードを発動しましょう。

　意味不明のカードの守備力は、3000+3000+3000+2900+700で12600！！！！！！！！！！！！！！！
　これが……死んでいったアステカ君の分だ！！！！！！！！！！

　おわり。