【雑感想】 七夜の願い星 ジラーチ、The goldfinch、長靴をはいたネコと9つの命、バグダッド・カフェ、ゴジラ -1.0、ドミノ
雑感想回、いつも通りネタバレを含むし本当に雑に好き嫌いで適当に書いているので、なにかの考察とか解釈とかは無いです。記録のようなもの。
七夜の願い星 ジラーチ
こういうあらすじ版権作品だと前提情報の固有名詞が多過ぎてサクッと書くの難しいなと思ったので雑感想だけど公式から引用。
ラティアス&ラティオスをわりと最近初見で観て面白かったので(感想書いたっけ?)こちらも視聴。
ポケモンはゲームだと初代と銀とブラック、アルセウスとバイオレットをやった程度。アニメは子供の時分に初代を見ていたくらいで、以降はたまたまテレビをつけた時にやっていればチラホラと見るかもという程度。世界観やコンテンツとしては結構好きなのだが育成厳選が肌に合わないのであまりハマってやってはいない。
そんで映画、ジラーチ思ったよりめちゃくちゃ喋る。少年が不思議な存在に出会い特別な時間を過ごし成長するというわりとオーソドックスな物語の流れ自体はわりと好き。ただラティアスの「水の都」という舞台設定がだいぶ良かったので、そういう普段のポケモンとは離れた非日常感がもう少し欲しかったような望みすぎなような、そんな感じ。エンディング曲が良い曲なのだがその曲の壮大さに物語が及んでいない感。いや全然良い作品だったんですけどね。もうちょっと千年を追いかける存在の物語が欲しかったなと思ってしまった。バトラーが単なる科学者ではなくそういう守護者の家系だったら……等と妄想してしまう。
The goldfinch
美術館での爆破テロにあって母親と死別する。現場から脱出する際に瀕死のおじいさんから指輪と先ほどまで見ていた絵画を託される。絵画は本来美術館に返却するべきだが少年はそれを心の拠り所にする。
指輪はおじいさんと店を営んでいた男性の元まで行き手渡す。そこで同じく爆破テロの被害にあった女の子と出会う。その子は爆破の瞬間、少年が持ち出した絵画を隣で眺めていた女の子だった。お店はアンティークショップで少年は親戚の家で居心地の悪さを感じていたこともあり、女の子のお見舞い半分、アンティーク修理の修行半分で居着くようになる。
母親と別れていた父親によって育てられることになり、徐々に打ち解けていた親戚家族ともアンティークショップの二人とも別れることになる。
引っ越した先は田舎で、馴染みのない父親とその恋人との3人暮らしが始まる。通い出した学校でプチ不良な少年と仲良くなり、不良少年も父親と上手くいってないことから二人は心を通わすことになる。
父親が実は母親の遺産目当てで主人公を引き取ったことが発覚し、なんとか弁護士から金を引き出すように少年を脅すが失敗する。父親は起こしていた事業の失敗やほうぼうの借金を苦に自殺する。
少年は不良少年と一緒に家出しようと持ちかけるが、不良少年はまごついて一緒に来てくれない。不良少年は後から追いかける約束をし、少年だけ家から飛び出した結果、アンティークショップのおじさんに保護されることになる。
大人になって、アンティークショップの女の子とは事件のトラウマから一緒になれなかったり、心の拠り所だった絵画は不良少年がすり替えていたことが発覚したり、絵画を持ち出していたことをアンティークショップのおじさんにブチギレられたり、親戚の女の子と婚約したら昔自分を貶めた男と浮気されてたり、散々な目に会いながらマフィア幹部になった不良少年と再会して取引の担保に使われちゃってた絵画を取り返そうとして失敗して自殺未遂するけど、不良少年が頑張って絵画含む他の美術品も取り返して美術館に返却できて良かったぁ……。となって終わる。
不良少年と互いの心の傷を癒やしあうシーンは良かったのだが、それ以外は基本主人公が可哀想で辛かった。浮気してた婚約者はともかくその親や兄弟はいい人たちではあるようなので、悪いようにはならないだろうが、苦めな人生。絵画の鳥が元の場所に帰れて良かったという以外には救いを感じられなかったような気もするが、原作小説だとまただいぶ読後感が違うらしい。
長靴をはいたネコと9つの命
自由気ままに大冒険を繰り広げてきた長靴をはいたネコ。最後の一つの命になった時、消え去ってしまった勇気、再び心に勇気の火を灯し友情と愛情を手にし、死の恐怖を克服できるのか。ユニバーサル・スタジオとドリームワークスが送る大冒険ファンタジー活劇。という感じ。
アクロス・ザ・スパイダーバースの上映あたりでアニメ作品として同じく高い評価を受けていたのを知っていたが見逃していたのでアマプラで視聴。たしかに面白かった。ミュージカルとアクション、会話や演出に光るユーモア、敵役の根っこからゲスな心根、死の存在感。全体を通して非の打ちどころがない。王道を感じながらスッキリとして非常にクオリティが高いアニメ映画だった。
ナチュラルに登場する魔法的概念の描き方がすごい好き。敵役の魔法アイテムがワクワクさせられるのだが、持ってるのが敵役ってのがまた良い。道具が使い手を選び導くなんてこともなく敵役は好き放題使いまくるので、敵役の従者達が悲惨な目に遭いまくるのだが、絶妙にコミカルの上に乗っている。恐ろしいところは恐ろしいし怖いところは怖いのだが、物語全体としては光り輝く明るさを感じる。見事だ。
バグダッド・カフェ
旦那と喧嘩して一人荒野に取り残されたマダムが荒野に佇むカフェに居付き、住民たちと交流する中で心が繋がり合っていく。
整理整頓と教養で混沌とヒステリックの中にあったカフェを秩序とユーモアに導く様は痛快なようなのだが、そんな中にあっても居心地の悪さを感じてしまい出ていく刺青彫りの女性が良い味を出している。
最終的にはマダムのおかげで明るくなるカフェなのだがどことなく全体に寂寥感が漂うのは荒野にあるカフェのロケーションがもたらすものなのか独特な雰囲気を醸し出している。
結構昔の映画だからか、この映画の持つものなのか、私は両方だと思うが近年の映画とは時間の扱い方が全然違った。近年の映画は隙間がないというか各シーンには意図があるし伏線が張り巡らされてるし観客を楽しませようとする仕掛けがあちらこちらにある印象だが、この作品はその印象的なシーン達の間に流れる時間をこそ映し出している。目の前にある些細な事から1つ1つ丁寧に積み上げていく。その1つ1つだと取るに足らないものの積み上げこそが人生に変化を与えるのだと教わるようだった。
ゴジラ -1.0
戦後日本を舞台にした2023年の新作ゴジラ。雑感想書いてるとこのくらいから疲れて適当になってくる。
シン・ゴジラの記憶が新しいが(といってももう7年前)新作ゴジラとしては最高の出来だったのではないかと思う。海外でも人気が出ているらしい。
島でゴジラに襲われたあと、実家に帰った主人公が隣の家のおばちゃんにやたら嫌味を言われまくってる時はちょっと不安になったのだが、なんやかんやあって子供を育て出したところからは温かいホームドラマが始まり安心する、とはいえ徐々にゴジラの面影が顔を出してくる展開のソワソワ感がすごく良かった。
最初のゴジラ上陸や、吹っ飛んでいくヒロインの絶望感や作戦立案までに立ち上がる民衆と元軍人達のやり取りや、震電登場でパイロットの主人公活躍の期待感、それらをまとめ上げながら戦後の雰囲気を出している演出など良いところは枚挙にいとまがないが、やっぱりなんといってもゴジラのテーマがかかるシーンがめちゃくちゃ良かった。映画館の音響により物理的な意味でも震えた。めっちゃゴジラ。それだけでも100点だったのだが、ハピエン厨の私としてはちゃんと震電から脱出してくれた主人公とヒロインの生存でニッコリし通しであった。
復興直後の被害状況から言えば絶望的な面も想像できるのだが、物語としてはきっちりとエンタメ的に希望が持てる終わり方だったので良い映画だったなぁと晴れ晴れした気持ちで映画館から出た。
ドミノ
愛する娘を誘拐され失ってしまった刑事、トラウマを抱えながらある事件を追いかけていると、明らかに普通の人間が起こせる事象を超えた出来事に遭遇し、次第に大きな陰謀に巻き込まれていく。目の前にあるものは現実なのか、一体なぜ自分が巻き込まれるのか、娘の誘拐事件との関連を感じながら陰謀を追いかけるうちに物語は違う方向へとシフトする。
原題がHYPNOTICなのだが、その方が良かったんじゃないかなーと思う。予告がインセプション的な雰囲気を醸し出していたので、どういう予想外が来るかな?と思っていたらナルトの幻術合戦もしくは藍染惣右介だったので、わりとどうにでもなっちゃうなこれという風には感じてしまった。とはいえこの手の作品は最初状況がわからず、次々と起こる非現実的な出来事が催眠術であるとわかるまでと、催眠術でどの程度のことまで出来るのか、催眠術師同士での頭脳戦などは、普遍的に面白要素なので結構ワクワクさせてくれた。
最後に主人公が現実だと規定した話ですらこれ実際ハッピーエンドかわかんないよなーと思っていたらそういう感じのオチだったので幻覚を主体にするとまとめ方がどうしても難しいなと再確認した。
観たいものも読みたいものも尽きないのでサポートいただければとても助かります。