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コーポレートの初期人材は、専門性よりも、業務改革力が大事説
メリークリスマス、ECプラットフォームを運営しているスタートアップで、管理部門・人事部門(両方まとめてコーポレートと呼びます)を管掌している、ぎーです。
カウシェももう、5年目が進行中ですが、コーポレート部門の正社員は自分以外で1名、週4時短業務委託1名、他士業とアシスタントサービス、という組織で運営をしております。
toC・toBの両方に向けてのビジネス領域の割には少人数で回しているとは思います。
結論はタイトルの通りで出オチしてますが、組織設計に悩む人のお役にたれればと思います。
自分が経理出身でして、ややその色が強いですが、そのあたりは差し引いて読んでくださいませ。
なお、2024年5月のfreeeToGoWorldでのプレゼンがベースですので、ご参加頂いた方にはほぼ、同じ話です、、、!すみません。
スタートアップのコーポレート部門の人材獲得って難しいですよね
そもそも事業拡大するか確証はないので、人的投資が難しい
経理と労務と総務と、、、、みたいなカバレッジが広くて、結局どのスキル人材を採れば良いかわからない
などと、そもそも採用計画やJDの作成に苦慮されていないでしょうか。
正直、自分も採用をしたいな、と思うときがありつつ、領域カットで考え手よいのか、という悩みで、中々採用が上手くいかずでした。
一番大事なのは、飽き性で業務設計効率化したい欲、と気づく
極論を言えば、スタートアップにおけるコーポレートで、「内製して」解くべき課題は、2種類に分解されます。
スポット的に対応すべき案件(オフィスの移転・労務的な個別課題・臨時株主総会でやるような事象・法令変更対応)
自社特有のシステムに起因する会計・経理処理や業務設計、法令対応
これらの案件を、「過去、全パターン解いたことがありますか?」と聞いて、ありますね、という人は中々ほとんど全く出会えないのでは無いかと思います。
一方で、「任せろ!」、「面白そう」という人は一定出てくるのでは無いでしょうか。
ただ、そこに対して、「出来る理由は?」という点に答えてもらう必要があります。
雑に言えば、効率化とIT活用の経験か関心があるか
業務効率化=オペレーション改善やっており、整理と実装が出来ます。
そのために技術(IT・業務設計力・文章力)をあげてきました
特にITの新しい技術触るの面白いです(関心強いです)
この領域の経験または知見を強めたいですというWill(渋々じゃない)
この4点のいずれも持ってる人材であれば、先ほどの「出来る理由は?」の答えになると思っています。
質問:とはいえ専門性って必要じゃないですか?
回答:必要だと思います。
ただ、必要ならば身につけるしかない、と思っています。
一方で、軽減税率の専門家って23年いましたっけ、、?
という話になってきます。
そうなると、(解くべき課題に注力した)専門性をスピード感もって身につけ、形に落とし込み、社内に展開して、結果を出す、というプロセスを回してくれる人の方が実に活躍できるんです。
手段の目的化で良いじゃない!
業務効率化したいからこそ、色々な領域に手を出したい、と言う人の方が伸びるのが、スタートアップコーポレートの世界だと気づいたのです。
このツール、技術、システム、資料構成を試してみたい!というのが、課題解決への原動力になるのです。
そして、我々コーポレートを司るものとしては、そういう活躍をお願いしたい、そう思っていないでしょうか。
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例えば、軽減税率って誰が対応しましたか?
軽減税率やります!となると、労務(社労士)なの、経理(税理士)なの、どっち?みたいな議論になってきます。
士業の方も説明や実務処理はしてもらえるのですが、その前段階として、実際そのための確認作業や自社においてはどこまでやるのか?という判断や自社の仕組みではどう実現出来るのか?という論点は、自分たちで解かざるを得なかったのでは無いでしょうか。
恐らく多くの責任者の方は、ということで自分がやりました、みたいなケースは多いのではないでしょうか?
または、今回は、経理の人に音頭をとってもらってたのではないかな、と思っています。(なんで経理の自分?とか言われながら)
ITリテラシーが高ければ、技術は身につけやすい時代になりましたね。
生成AIが出てきたおかげで、IT技術(といっても、コーポレートが作業効率化するレベル)の教育コストは格段に下げることが出来ました。
特に、経験者が初学者に教える、と言う時間コストの圧縮が強みだと思っています。
そこだけで、経験者は業務が止まりますし、実際解決したい課題の2歩手前(具体の要件定義と実装)に二人分の工数が採られることになります。
それが今や、伴奏者としては生成AIが居てくれるので、経験者側は、必要な技術の定義と各専門士業との連携方法の指示だけで、初学者は前に進むことが出来ます。
一方で、苦手意識があると差が広がってしまう時代でもあります。
個人的な感想ですが、専門性を新しく付与するよりも、ITの苦手意識を解く方が、非常に難しい、と感じています。
異動による新しい業務に慣れることよりも、新しいサービスをどんどん触って自分のものにする、というのも一種の才能なのでは?と思う自分がいます。
専門士業とBPOの体制を用意をする
最後に大事なことですが、士業とBPOも同じように準備するのが大事です。
今回の話だと、深い専門性は各メンバーが有してない状態になります。
多くのコーポレート責任者の方は、IPO経験や上場企業等での経験があられると思います。
基本形は当然対応が出来るかと思いますが、特殊なスポット案件こそ、外注出来ず工数を取られてしまうので、そこに 自身の工数を投下できる状態を作る必要があります。
そのスポット案件のディレクションと定常業務のアウトソーシングを通じて、メンバーの専門知見を深めていく、というサイクルを回していく際には、その深める部分に対して士業の方々と連携出来ると大変スムーズです。
ご自身が、深める部分も「出来ちゃう」かも知れないのですが、そのリソースは、「ディレクション」と「今の課題ではなく将来を見据えた仕事」に割くようにしましょう。(反省)
まとめ
コーポレートは意外と、非定常な業務が多いです。
ルーチンや高い専門性は、BPOや士業に任せましょう。
一方で、その人達とのハブになり、整理して課題の解き方を考えられまくる人で構成しましょう。
ハイコンテクストな課題、会社の中を理解しないと解けない課題に注力出来る環境を作ることをおすすめします。
そして、問題を効率的に解きたがりな人に任せ、成長しまくってもらう。
IPO前とかより専門性が生きる世界では、一定募集するのは大事ですが、初期フェーズのコアメンバーは、ぜひそういうメンバーで探索してみてはいかがでしょうか。
最後に
コーポレート領域でも、人事企画領域でのコアな課題を解きたいを募集しています!
JD書き上げてない中ですが、まずはカジュアルからいかがでしょうか!
制度の設計は一緒にやりつつ、質の高い業務基盤を作りませんか!