「人材を大切にするなら、オフィス家具にこだわるのは当然」働きやすい環境を整え、コミュニケーションをデザインする/MNTSQ株式会社
家具で「働く」を変えていく。
Kagg.jpをご利用いただいた方にお話を伺い、ワークプレイスへのこだわりをご紹介していく連載、「#K(ハッシュカグ)」。
今回私たちがお話を聞いたのは、テクノロジーでリーガル領域の変革を目指す注目のスタートアップ、MNTSQ株式会社(モンテスキュー)。大手法律事務所の法務デューディリジェンス業務をサポートするプロダクトや、大企業の契約関連業務をデジタル化するプロダクトを開発しています。
同社では、中古オフィス家具のオンラインマーケットプレイス「Kaggマルシェ」を利用し、オフィスチェアを購入。取締役でデザイナーの生谷 侑太郎さんは「新品で安いものより、中古で品質の高いものを買う。働く環境への投資は大切」と話します。
中古家具を選んだ背景から、働く環境へのこだわり、これからのオフィス戦略まで、詳しくインタビューしてきました。
品質の良い家具を、低コストで入手。「中古」というベストな選択肢
── この度は「Kaggマルシェ」をご利用いただき、ありがとうございました! まずは率直な感想をお聞かせください。
大変満足しています。まず、サイトの操作感がとても心地いい。ほしいものを探しやすかったです。そして何より、質が高く状態もいいチェアが安く手に入って、本当によかったですね。
── ご満足いただけたようで、光栄です!ところで、「日本人は新品好き」と言われることが多いそうですが、中古のオフィス家具に抵抗はありませんでしたか?
抵抗は全然なかったですね。今の私たちにとっては、オフィス家具は中古で購入するのがベストだと考えているので。
当社のようなベンチャー企業の場合、短いスパンでオフィスを移転するケースが多いんです。場合によっては、購入したばかりなのに家具を手放さなければならないことも‥‥。
こうした可能性を考えると、オフィス家具はできるだけ安く調達できたほうがいいなと思っていて。そんなニーズにぴったり合うのが、中古での購入なんです。
今回「Kaggマルシェ」ではオフィスチェアを数脚購入したのですが、当社では他にも中古の家具をたくさん使っていますよ。
── なるほど、理にかなったご判断ですね。中古ではなく、新品で安いものを買うという選択肢もあると思うのですが‥‥?
いくらコストを抑えたいとは言え、品質も妥協できないポイントなので、あまりに安いものは新品でも買わないです。特にチェアは、その良し悪しで仕事のパフォーマンスが大きく変わってくると感じています。
私が以前在勤めていた会社は、従業員にいいチェアを用意してくれていて、それを毎日当たり前のように使っていました。ある時ベトナムに出張したことがあって、質の悪いチェアで数日仕事をしたんですが、長時間座っていると身体が痛くなってしまって。「普段座っているチェアは、いいものだったんだ‥‥」とはじめて気が付いたんですよ。
それに、安価なものはなかなか長持ちしづらい。座面のクッションがすぐにへたってしまうし、経年劣化も激しい印象です。長い目で見れば、多少高価でも品質のいいものを選んだほうが、コストパフォーマンスがいいのではないかと思います。
働きやすい環境を整えるのは当然。投資は惜しまない
── そこまでチェアの質にこだわるのは、なぜでしょうか?
当社の事業はテクノロジーやデザインの力を活用しているため、それを生み出す“人”こそがすべて。サービスの品質を向上するには、社員のパフォーマンスを上げることが大切だと考えています。
そのためには働く環境への投資は欠かせません。チェアのみならず、デスクやパソコン、ディスプレイ、ソフトウェアなど、あらゆるワークツールにこだわっていますよ。
ちなみに当社では、新しく社員を迎える際、一人ひとりに好きなチェアを選んでもらうんです。「いいチェア」が何かは、人によって異なりますからね。
── それは魅力的ですね。いくつか選択肢を用意されているんですか?
いえ、大体25万円以内であれば、何を選んでもOKなんです。一応、デフォルトとして「バロン」を設定していますが、「アーロンチェア」や「コンテッサ」、「エルゴヒューマン」など、その人が自分に合うと感じるものを選んでもらっています。
── 本当に、働く環境への投資を惜しまないんですね‥‥!
先ほども少し触れましたが、当社は人材と組織づくりで勝負しています。採用のハードルは非常に高く設定していますし、かけているリソースも大きい。
だからこそ、入社してくれた方にとって働きやすい環境を整えるのは当然のことだし、1人あたり数十万単位で投資するのも全然惜しくないんですよ。人材紹介会社への紹介料だってそれくらい払うのに、オフィス家具でケチって、大事な社員がパフォーマンス高く、そして長期的に健康に働ける可能性に制約をかけるなんておかしいでしょう?
コミュニケーションは、オフィス家具でデザインできる
── コロナの影響で、フルリモートに切り替えるスタートアップも増えてきました。MNTSQさんは現在、どんな働き方をされているんですか?
基本的には、感染対策をしっかり講じたうえでオフィスに出社してもらっています。(※2021年6月現在、緊急事態宣言中は任意出社にしてリモートワークも許可)
将来的には、在宅勤務・オフィス勤務を選択できるようにして、働き方の柔軟性を高めたいと思っています。働き方や場所だけが理由で優秀な人材にジョインいただけないというのは、確実に損をしているので。
ただ、現時点では全社員に在宅勤務を推奨しておらず、オフィスも従来のままです。コロナの流行を受けて、特にスタートアップ界隈で「オフィス不要論」をよく耳にしましたが、私はそうは考えていなくて。
── なぜ、オフィスが必要なのでしょうか?
すでにビジネスモデルを確立して運用・グロースフェーズに入っている企業なら、オフィス無しでも問題ないでしょう。また、スタートアップでも均質性の高い人材だけが集まって価値を出すタイプの事業であれば、大丈夫かもしれません。
ただ、我々はリーガルテックという業界の特性上、リーガル / 技術者 / セールスなど明らかに異なる職能・背景を持った人材が集まって化学反応を起こし、価値ある事業を生み出す集団です。その価値を高めるためには、偶発的な会話や非言語情報の読み取りも含めた、リアルでのコミュニケーション濃度が物を言う、と考えているんです。
もちろん、私たちにはこの働き方が合っているというだけで、すべての会社が同じように当てはまるとは全く思いません。それぞれの企業が、自社のあり方や目指すところを踏まえて、しっかり検討すべき内容ですね。
── オフィスでのコミュニケーションを大切にする上で、今後どんな工夫をしていきたいですか?
現段階では、まだまだ十分な環境を整えられていないと感じているので、工夫の余地はたくさんありますね。
例えば、雑談からアイデアが生まれるようにリフレッシュルームを用意していますが、実はまだ家具を入れられていなくて。
あとは、執務室にも少し手を加えて、立って作業をしたりミーティングができるスペースと、1on1で使えるブースをつくろうと計画しています。
当社にとっての理想のオフィス像は、みんなが効率的に作業できることと、人の動きが盛んなこと。そういう空間は活気があって、人と人の接触が生まれやすくなるはずですから。
── となると、どこにどんな家具を置くか、重要になってきそうですね。
そうですね。あまり深く考えずに家具を置いているのと、「この場所で誰に何をさせたいか」を考えて家具を置いているのとでは、生産性が大きく違ってくると思います。
オフィスのどこでどんなコミュニケーションが起こるかは、ハード面の影響を大きく受けるもの。そのため当社では、社員にどんな行動を起こさせたいかを考えて家具を配置したり、そこで展開されるコミュニケーションの内容によって家具の色を選んだりしていますよ。
家具の置き場所を考える際、一般的には限られた空間でどれだけ多くの人が働けるかが重視されがちですが、私はそれよりもコミュニケーションのあり方を考えた方がいいのではないかと思いますね。
── 中古オフィス家具を選ぶメリットやこれからのワークプレイスのあり方、オフィスづくりのコツなど、貴重な気付きがたくさんありました。本日はありがとうございました!
interview by Kagg note編集部 / text by 中島香菜 / photo by 森田剛史
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