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心エコーで必要な解剖 その1

こんにちは。
循環器病院で臨床検査技師(超音波検査士)として働いている「ビアンキ」です。

初心者が考えるエコーの難しいところ。
綺麗に描出できない!!適切な画像を出せない!!と心の中で叫びながら毎日頑張っているのではないでしょうか?

先生からちょいちょいって簡単に見てくれれば良いからさぁと言われても、ちょいちょいって出来たら苦労しないですよね。

そのためには、心臓がどこにあるか、どう動くのかを知りながら検査をしなければなりません。だから、解剖がとても大切なのです。

皆さんは、心臓の位置よくわかっていますか?
患者さんと同様に、左です!!と思ったあなたは、一つ賢くなれますよ。

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正解は…
心臓は、図に示す通り、肺と横隔膜に挟まれるようにほぼ中央にあります。
前面には胸骨、背面には食道・気管支、背骨で守られています。
そして大動脈や肺動脈、上下肺静脈、肺静脈が支えになって、吊り下げられた状態で存在しています。

さて、右手をグーにして爪がある方を自分の胸に当ててください。
そうするとほぼ中央に拳があると思いますが、大体その辺りに拳大の心臓があるんですよと勉強会で説明されます。(文章でわかるかな??)

心臓自身も収縮・拡張をして動いているし、呼吸で肺や横隔膜が動くのでさらに心臓が動いてしまします。
なのに、骨があるので見える場所が限られてしまうという、経験と技が必要な検査です。だから、初心の頃は、プローブはできるだけ動かさないで!とよく言われると思いますが、その理由はここにあります。

胸部レントゲンを見ている人は、よくわかると思いますが、痩せている人・太っている人でも心臓の位置が変わります。肺の疾患があったり、漏斗胸の方だったり、先天性疾患だったり…心臓の位置がどう変わるのか、興味を持った方はじっくりとレントゲン写真を見てみてください!

では、心臓の場所がわかったところで、心エコーが観察しやすい場所(エコーウインドウ)の説明をします。緑はプローブです。

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1. 傍胸骨左縁  ⇨胸骨のすぐ左側 第3・4肋間のあたり(心電図V2) 
2. 心尖部    ⇨心臓の拍動がわかるところ(心電図V4・5)
3. 心窩部    ⇨胸骨の先端の下(みぞおちのあたり)
4. 胸骨上窩   ⇨喉のくぼみのあたり
5. 傍胸骨右縁  ⇨胸骨のすぐ右側 第3・4肋間のあたり(心電図V1)

これは、大体の目安です。
年齢、性別、痩せている・太っているなどさまざまな要因で見える場所が変わります。まずは、この場所から観察を初める事が多いのです。

特に、肺の影響を最小限にするために、患者さんに左を下にした左側臥にして寝てもらうと、心臓が前面に移動してより観察がしやすくなります。

あと、よく見えた場所、見えなかった場所を報告書に記載することがあるので、大体どの辺りか名前を知っておくと役に立ちます。


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