『ポピーザぱフォーマー』にサブリミナル効果はあるのか?
突然だが、皆さんはサブリミナル効果をご存知だろうか…?
サブリミナル効果(サブリミナルこうか)とは、意識と潜在意識の境界領域より下に刺激を与えることで表れるとされている効果のことを言い、視覚、聴覚、触覚の3つのサブリミナルがあるとされる[1]。閾下知覚とも呼ばれる[2]。[Wikipediaより引用]
ある日、ふと思い出した。
私は幼少期に、''キッズステーション''というテレビチャンネルで『ポピーザぱフォーマー』というアニメを見ていた。
このような3DCGのアニメで 基本的にキャラクターに声はない。
左の''楳図かずお''みたいな 服を着たピエロがポピー 一応ピエロ見習いなのだが 不器用な為ジャグリングなどよく失敗する。嫉妬心の権化。
真ん中の仮面をつけた狼がケダモノ ポピーよりも曲芸が得意でいつもポピーに嫉妬され 殺されそうになる不憫な子。仮面は絶対に外せない。一番まとも。
右がパピー その名の通りポピーのお父さん。ポピーに父親と認めて貰えず ポピーに殺されそうになる。すごいオカマっぽい。多分ゲイ。子供いるけどゲイ。一番ヤバいやつ。
とまぁ、こんな3人が猟奇的なドタバタコメディーを繰り広げるアニメなのだが 当時リアルタイムで見ていた私は軽くトラウマになってしまい、''キッズステーション''は絶対に見ないことにしていた。
それから数年たったある日、夜勤終わりで疲れて家に帰りいつものように YouTubeを見ていると
なんと、この忌まわしき『ポピーザぱフォーマー』が全部違法アップロードされていた。
私は過去のトラウマと決別するために ''奴''と対峙することにした。
まずはOP。馬鹿でかい音量で、田舎なまりのおじさんが変な呪文を歌うという 不気味を詰め込んだかのような歌だった。多分馬鹿でかい音量なのは自分の音量ミスだとは思う。
そして本編だが、やはり不気味。
人体切断したり 幽体離脱したり 急に殺しあったり…これはあれだ 世間で噂される電子ドラッグだ。
しかし、不思議と当時のような''恐怖心を煽る不気味さ''はまるでなかった。寧ろ 夜勤で疲れた精神状態を癒してくれるような心地良い不気味さだった。
見始めて 30分後…
面白い。これは、面白い。
いや、実際には何も面白い要素も稚拙なもので 齢20の私が笑うような代物ではなかったが、面白い。それだけは言える。疑う人は騙されたと思って30分間見て欲しい。個人差はあるが 9割の人間が騙されたと思うだろう。
私は思った。
あれ…私って『ポピーザぱフォーマー』に選ばらしものなのでは…?
これが電子ドラッグの副作用である。なぜだか急に「この不気味なアニメを酷く崇拝したい!」と思い始めたのである。ここで引き返してれば良かったのだが ''ポピーの禁断症状''が出ている私は、さらに視聴を続けた。
さらに30分後…
サブリミナル効果、感じる。
サブリミナル効果なんて言う曖昧な定義、あまり信用していなかったが 確かにこのアニメは
''サブリミナルってる。''
私の潜在意識にポピーやパピーが入ってきている…(ケダモノは割と常識人なので入って来なかった。)
そんなサブリミナルサブリミナルを感じながら視聴を続けることさらに1時間20分…
私の潜在意識は確実に
『ポピーザぱフォーマー』によって支配されていた。
しかしそんな時間にもいつか別れは来る。そう、最終話だ。最終話ではついに ケダモノがカエルに顔を見られる。という下りがあるのだが、
このカエル…なんと
普通に喋る。
普通に喋っちゃう、「ケダモノの顔は〜!」とか「君の名は」と同じ感じで言うし 何回も言って溜めるのも「君の名は」っぽい。
この時点で私の潜在意識は興ざめである。急にカエルが喋って現実世界に引き戻される。ここで私のサブリミナル効果は終わった。
そして盛大なネタバレになるが ケダモノの顔はどうなっているのか。絶対に顔をバラされたくないケダモノが カエルを飲み込んだ。
ケダモノの尻を突き破り 出てきたカエルが一言。
「ケダモノの顔は…!」
……
「お母さん似だったよ。」
…そうなんだ。ケダモノはお母さんに似てるんだ。
良かったね。
なんだか拍子抜けしてしまったが、その時にこう思った。このカエルは''彼ら''に染められた私の潜在意識を正常にさせるために存在しているのだ…と。
2時間34分という 再生時間の中で私は素晴らしいものを体験した。
最後になるが 『ポピーザぱフォーマー』は、サブリミナル効果を体験出来て 最後には更生プログラムもついているし、盛大なネタバレをされていても、楽しめる作品だ。
私はこの作品のトラウマを克服し、再度会えたことにとても感謝している。
まあ、違法アップロードなんですけどね。
おわり。