これが私の答えだ!遊動テンヤ仕掛け ~探せ!理想の親針マテリアル!!~
前回は、自作テンヤのきっかけとなったアイテムについて書かせていただいた。
今回は、自作にあたって思い描いたイメージと、材料集めのくだりまで解説していきたいと思う。
さて、遊動型のテンヤ仕掛けを一から作ることを決意した景虎。
しかし、何の根拠にも基づかない我流戦法で挑むわけにはいかない。
とりあえず、ベースにしたのは「貫撃遊動テンヤ」。
ここから、自分が組み込みたい要素を追加していくものとする。
その要素とは、ずばり次の3つ。
①親針の胴が長い針を使う
②孫針の糸をやや長めにとる
③エビズレンを装着する
いわば、「貫撃遊動テンヤ」に足りないものを補完して、自分の満足のいくテンヤ仕掛けを作ろうというものだ。
さて。
「①親針の胴が長い針を使う」についてだが、例えばカブラ自作用のテンヤ専用針を使うことで、「特大サイズのエビに対応」という課題は解消される。
しかし、完成品としては親針のサイズが変わっただけで、これだけでは「③エビズレンを装着する」の要素をクリアできないのだ。
また、このサイズだと小型エビを付けたときに針を持て余してしまうことも不満点である。これまで配られたエビ餌で、テンヤ専用針よりも小さいエビの使用を余儀なくされたケースも多々あった。
テンヤ専用針も良いが、これよりもう少し小さな針も欲しいかな・・・。
この段階で、私の脳内では2種類のサイズで作ることがイメージとして浮かんでいた。
「②孫針の糸をやや長めにとる」については、少なくともエビの首から頭にかけて針を付けられるぐらいのリーチは欲しい。かといって、長すぎるとすっぽ抜けの原因にもなりかねない。実際に作るとなると、この微妙な調整が難しいところだ。
③に関しては、正直なところ、どうやって取り付けたものか・・・と最も考えさせられた。
しかも、①の条件を同時にクリアしなければならない。
最初は皆目見当つかなかった。
そもそも、エビズレンは固定式だから装着できるものなのでは?
この針金をひっかけられる部分が、せいぜいサルカンぐらいしか見当たらないのに?
糸に結び付けるわけにもいかないし、なんだかかっこ悪くなりそう・・・。
いっそのこと、直接針に取り付けられたらいいんだけどなぁ・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・
!!!
その時私はひらめいた。
そ、そうだ!
「管付き針」なら、いけるんじゃないか!?
結論から述べると、「管」の部分にエビズレンを接続するという構造だ。
管付き針には、タテアイとヨコアイの2種類が存在する。
タテアイの場合は、エビズレン側のアイも縦なのでそのまま引っ掛ければ良いし、ヨコアイの場合は、後にも触れるがエビズレンを90度ひねって接続すればうまく噛み合うようになる。
そう思い立った私は、鉛筆でイメージ図を描きながら、即座にネットで「管付き 針 種類」といった具合にググったりしてみた。
そして、候補として7つの管付き針がヒットし、手あたり次第に試し買いしては分析・検証していくのであった。
なお、今回はヨコアイの針しか見つからなかったが、読者の皆様でタテアイの針をご存じであれば、是非教えていただきたい。
・・・で、その検証結果をお示しする前に。
親針に用いる管付き針に欠かせない要素をお話ししよう。
前提として、決して針にヒネリが入っていてはいけない。
まっすぐエビを刺せない上に、フォール中、水の抵抗を受けてくるくる回ってしまう恐れがあるからだ。
これでは、例えフリーフォールで誘いを入れても魚は警戒してしまう。
そうなると、いくらサルカンでフリー回転するとはいえ、動きは不自然になり、次第に糸がヨレて、仕掛けも糸も使い物にならなくなる可能性がある。
それから、ある程度の強度も必要だ。
目安として、真鯛やロックフィッシュの硬い顎を貫けるぐらいのもの。
青物の強烈な走りに耐え抜くもの。
フグやハギの強靭な歯にも負けないもの。
魚を掛けた後、フトコロが伸びてしまうような針では話にならない。
そういう点において、今回、バス釣りに使うワームフックは強度に問題があったので最初から候補外となっている。
ついでに、仕掛けを量産する都合上、いつでも安定して入手できるものが望ましい。
言い換えれば、ロングセラー商品が最もありがたい。
革新的なデザインであっても、商品ライフサイクルが短く、すぐに廃盤になりそうな針では安定しないのだ。
前置きが長くなったが、ここから7つの針を解説していこう。
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【エントリーNo1】
がまかつ 管付鯉鈎(12号) 9本入り 参考価格300円
近くの上州屋に売っていたので、試しに買って触ったりしてみた。
ちなみに最大は12号まで。これではちょっとサイズが物足りない。
真鯛王を、一回り細く小さくした感じ。
後で上州屋の店員に強度を尋ねてみると、
「伊勢尼よりも若干柔らかい感じかなぁ」
とのことだった。
そういうことも含め、これは候補外となった。
(店員に聞いた時点で、買うのをやめればよかったのに・・・。)
なお、この派生シリーズで「管付き大鯉」という針がある。
サイズ、胴の高さについては申し分ないのだが、ヒネリが入っているので候補外。
【エントリーNo2】
OWNER カン付伊勢尼(12号) 9本入り 参考価格300円
①と太さやサイズは同じくらいだが、触った感じ、強度や質感は申し分なし。
これも最大サイズは12号までの模様。
だが胴が短い。これでは特大エビを刺したときに持て余してしまう。
オーナー針さん。せめて、これのワンランク上の針を販売してくれませんか?
・・・てな具合に、色々と物足りなさを実感したので、こちらも親針としては候補外となった。
なお、孫針なら使ってもいいかも。管付ならばチモトから糸がすっぽ抜けないイメージがるので。
【エントリーNo3】
がまかつ ケン付タチウオ(ST-R)7本入り 参考価格400円
これは一見悪くない。
見た目はテンヤ針とどっこいのサイズ。
軸は細いが、その分軽量で、スっと刺さりやすいイメージがある。
ケン付きだから、エサがズレない。
ということは・・・エビズレンと組み合わせたら、
「絶対にエビズレンテンヤ仕掛け」
でも爆☆誕!しそうなものである。
などと妄想を膨らませたが・・・。
ケン付き部分が折れるかも、という悪印象を持ったのが一つ。
そして、やはり強度がいささか不安なのが二つ。
使ってみたら面白そうだとは思ったが、実用性がちょっと期待できなかったということで候補外となった。
これより一回り太くて頑丈な針だったら、候補になったかもしれない。
(メインでは使わないと思うが。)
ちなみに、ケン付き、管付きと似たような構造のウナギ針も候補になるのではと考えたのだが、あちらはヒネリが入っているのでパス。
【エントリーNo4】
がまかつ 管付フグ針(17号) 17本入り 参考価格350円
見た目はすこぶる良い。
サイズ、軸の太さ、軽さと外見だけなら三拍子そろって好印象だ。
8センチまでのエビなら、親針としてピッタリフィットしそうなイメージがある。
入り数が17本もあるのもコスパよし。
が・・・肝心の強度がダメダメだった。
手でフトコロを横に引っ張ると、普通にのびのびしてしまう。
もとから候補外であった、ブラックバスのワームフックと似たような強度となっており、これじゃあ真鯛どころかショゴの引きさえ耐えられるか怪しい。
針をペンチで外した瞬間、ぐにゃっと曲がってしまうかもしれない。
なぜこんなに柔いのか?
フグ針ってこういう仕様なのか?丸海津は普通に硬いのに?
という疑問を抱きながら候補外となった。
【エントリーNo5】
ジャッカル テキサステンヤ スペアフック(#1/0) 4本入り 参考価格385円
おお!これは今まで見てきた中で、最も理想に近い管付き針だ!
針の強度はちょっぴり柔いのだが、それ以外の機能がパーフェクト!
自重が軽く、太すぎず細すぎずの良い線をいっている。
そして何より、この「#1/0」というサイズが絶妙にイイ!のだ。
これなら特大エビにも、ぎりぎり6センチ以下の小型エビにも対応できる。フライングな話だが、実はテストしてみてかなりいい感じだった。
エビの使用感も、ばっちりエビっチリイメージ通りだ。
4本しか入っていないのに385円もかかるのは、この際目を瞑ってやろう。
だが・・・
この針、最終的に候補外となった。
ようやく理想に近づけたのに、一体どうして?
その理由は1つ。
もうどこにも売っていないからである。
ジャッカルさんが生産をやめてしまったのか、アマゾン、ヤフー、楽天のどこを探しても「在庫なし」の状況なのだ。
問い合わせても、依然として「入荷未定」のままである。
もうこれ以上どこを探しても頼み込んでも、手に入らないものを候補に入れるわけにはいかない。
残念だと思ったのもつかの間・・・なんとこの後、ジャッカルさんの針よりもパーフェクトな針が見つかったのである。
その素晴らしいマテリアルとは・・・
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