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意匠は感覚的に 性能はロジカルに 健康という終点に向かう



豊かさの追求と健康寿命 〜住まいが与える影響〜

私たちはなぜ「人生の豊かさ」を求めるのでしょうか。それは、単なる贅沢や快適さを追い求めるためではなく、心と体の健康を守り、延いては健康寿命を伸ばすための手段ではないかと考えています。日々の充実感や心地よさの追求、快適な空間、そしてデザインへのこだわり。これらはすべて、健康で豊かに生きるために必要な要素であり、最終的には「健康」という終点に向かうものだと思うのです。

心地よさと空間の選択

住まいの中でも、例えば居間をひとつ取り上げて考えてみましょう。洋風のリビングと和風の畳の部屋、そのどちらが心地良いと感じるかは、住まう人の背景や感性によって変わります。洋風の空間に馴染みがあり、そこに心地よさを感じる人もいれば、和風の畳の部屋でリラックスできるという人もいる。重要なのは、それぞれの感覚が外部からの入力を通して、自分の豊かさを測る一つの指標となっている点です。

さらに、暑い空間や寒い空間に置かれたとき、人は自分の身体の恒常性に基づいて「暑い」「寒い」といった感情を生み出し、その空間を認識します。この認識の背景には、体がデフォルトの状態、すなわち「ちょうど良い」と感じる状態が存在しています。この「ちょうど良い」という感覚こそが、豊かさに直結し、身体的にも心理的にも健康に寄与しているのです。住まいが提供する「ちょうど良い空間」こそが、豊かさの本質といえます。

意匠と性能が支える住まいの豊かさ

住宅において、意匠と性能の両方が重要だと感じるのは、この「心地よさ」と「健康」を両立させるためです。意匠は、住まう人の感性を表現する要素で構成され、感覚的な満足感をもたらします。一方で、性能は、住まう人の健康を保つためにロジカルに設計され、科学的・技術的な裏付けを持っています。この2つを組み合わせることが、心と体の健康にとって不可欠なのです。

たとえば、適切な温度管理や空気の流れが確保された空間は、住まう人に快適さを提供するだけでなく、免疫力の向上やストレスの軽減にもつながります。性能の高い住宅は、身体的な健康を支え、日常の心地よさを維持するための基盤となります。そして、その性能を背景に、住まいの意匠が美的・感性的な喜びをもたらし、心の健康をも保つのです。

家族との時間と豊かさ

この話は、一人暮らしの住まいに限ったものではありません。家族がいる空間でも、住まいの意匠と性能は、心と体の健康に大きく関わります。家族との時間は、心の健康に対して特に大きな影響を与えます。家族と過ごすことで感じる心の満足感、安心感、愛情の交流。これらはすべて、心を豊かにし、日々の生活を支える大切な要素です。

豊かさと健康寿命のつながり

結局のところ、心と体が満たされているとき、人は健康で豊かさを実感できるのです。意匠は感覚的に、性能はロジカルに、住まいのあり方を見つめ直し、豊かさという問いに答えを見つけることが、良い住まいづくりにつながります。そして、その住まいが私たちに与える豊かさこそ、健康寿命を伸ばし、より豊かで幸福な人生を実現するための大きな鍵なのです。

豊かさの追求と健康寿命の延伸。これらは密接に結びついており、私たちが住まう家がその重要な要素となっています。快適さとデザイン、そして性能を備えた家で過ごす時間が、豊かさと健康の土台を築いてくれるのです。

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