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Oregeimuほんやく後記

むかしむかし、Sukeban GamesがDangemuしてゲームを作ってた頃、Dangeru1周年アニバーサリー企画で作ったゲームがOregeimuです。大長編ドラえもんみたいな立ち位置ですね。(?)

本稿はOregeimuをプレイ後の方向けの記事です。まずはプレイ(しましょう)(無料で)
Sukebanの他の過去作をあそぶとちょっと理解が深まるかもしれません。スパロボで原作を知ってるとより燃えるとか、そういう感じです。でも原作を見てなくてもスパロボはそこそこに面白いので、問題ないかもしれません。

1. 初期型デイナ嬢について

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本作におけるデイナ嬢は(基本的に)終始ヒロインに徹している。相手(プレイヤー)の意思を尊重し、それに応えて紳士淑女的対応をすればわりとあっさり友誼を結ぶことができる。
一方で不遜な態度を取り続ければバリエーション豊かな排除方法を駆使してバッドエンドに導くぞ。短編ギャルゲ仕様にカスタマイズされたピーキーなキャラだなぁ。

本作のデイナ嬢は後の作品……VA-11 HALL-Aで見られたような、世界をかき回して事件を混沌の渦に沈めたり、巡り巡って世界を救えるほどの余裕のある人物ではない。それどころかDangeruのオタクたちに振り回され、世界に仕掛けられた意図に逆らえず嘆く悲劇のヒロインすら思わせる。

そのせいかOregeimuのデイナ嬢はよくダウナーになりがち。VA-11 HALL-Aのセイ姉貴に近いものを感じるネ。(書いてる人同じだしなぁ)幸いメンタルの基礎はタフなので、すぐに持ち直しているからあんしんだ。この傾向はBlazing FoodとかSales Pitchにも見られる。VA-11 HALL-Aでの超人的な活躍の裏には、こうした下積み時代の苦労があったのですね。

2. レザールーム

カンのいい人は気づいたかもしれないけど、本作には隠し要素がある。Oregeimuのフォルダ内の「game」フォルダを開くと、ゲームの動作に関係ない.txtファイルが見つかる。この文をプレイヤーが下の名前を入力する場面で入力すると、隠し部屋――レザールームに入れるのだ。(ちなみにパスワードの元ネタはNintendoのゲームに自分の名前を入れたら卑猥だのなんだのって騒動があったredditのネタらしい。ふーん。)

レザールームはDevil's Journal: Tony Tに登場する部屋の名前で、主人公を導く者(プレイヤー)に対してデイナ嬢が助言を与えたり、煽ったりする場所で、ループする世界の鍵を探すうえで重要な場所となっている。

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本作でのレザールームはDangeruメンバーの近況を報告したり、開発中の作品についての情報を提供しているぞ。デイナ嬢と会話を楽しむためのキーワードはテキストファイル内に記載されています。たのしんでね。

3. 信頼できるオタク

OregeimuでDangeruというかSukebanの2人が示している、自分たちは信頼できるオタクであろうとする姿は、黎明期の日本オタク世界でSFの民たちからバカにされていたアニメおたくを彷彿とさせた。weeboo(日本のサブカルかぶれ)やHipster(日本語訳では流行りだけを追いかける奴と訳した)とは一線を画し、自分たちはそれぞれのコンテンツに対して敬意を払いながら、自らのオタク道を歩まんとする南米の若き才あるオタクの姿勢は、今日まで脈々と継承されている。

単に流行りだけを追いかけたいのなら硬派なビジュアルノベルは正直あまり売れないし、むかしポリゴンで作るゲームは大々的に人気にはなれないかもしれない。しかし、彼らは自分がそうあれかしと望むから作るのであり、この姿が私を含めた世界のオタクたちからの共感を集めるのだと私は考える。

この頃から彼らの行く先は定まっており、今もその道を歩み続けている。道は険しく不安定だが、仲間を信じ、己を信じ、(そして疑いながら)今後も歩みを進めてほしい。

おしまい

余談だけど、DangeruのFacebookは時々更新されてる。(こともある。)

「数奇な日本人が昔のウチらのゲムーを訳してる。イミフ」って投稿もあってちょっとうれしくなったよ。えへへ。

おしり。

ほんやくに必要なあれこれの原資になります。よろしくネ