若者が「MBTI」にハマる理由。
最近、日本の若者の間で大流行している「MBTI診断」。
自己紹介で、名前・年齢・出身地と並べてMBTIを言うほど浸透している。
これまで人気だった血液型診断にとって代わるMBTI診断になぜ若者はハマるのか。そもそもどんな診断なのか。
若者が飛びつく「MBTI診断」
最近、MBTIという性格診断が流行っている。
ユングの心理学をもとにしてアメリカで誕生し、韓国で浸透したことをきっかけに、日本国内でも日常会話で使われるようになり、就活する際、自分に向いている職業を見つける手段の一つとして用いられている。
MBTI診断はすぐにできる。
検索するとすぐにヒットする「16Personalities」というサイトで誰でも無料で診断可能である。
やったことない方は、時間があるときに是非ともやってみて欲しい。
やってみると意外にも面白い。
この診断は、
90項目ほどの質問に答えていき、
全て回答するとアルファベット4文字による16分類で性格の類型が表示される。
アルファベットはそれぞれ以下のようにタイプを意味する。
外向型(E): 内向型(I)
直感型(N): 観察型(S)
思考型(T): 感情型(F)
計画型(J): 探索型(P)
16タイプ一覧はこんな感じ。
INTJ(建築家)
INTP(論理学者)
ENTJ(指揮官)
ENTP(討論者)
INFJ(提唱者)
INFP(仲介者)
ENFJ(主人公)
ENFP(運動家)
ISTJ(管理者)
ISFJ(擁護者)
ESTJ(幹部)
ESFJ(領事)
ISTP(巨匠)
ISFP(冒険家)
ESFP(エンターテイナー)
ESTP(起業家)
謎のアルファベットの羅列を使いこなすZ世代
上記のアルファベットの組み合わせが結果で、その人の性格類型を表している。
実際に診断すると、個人結果について詳しく解説があり、ついつい読み込んでしまう。
ちなみに私は、ENTP(討論者)だった。
最近の大学生はこのアルファベットの並びを覚えていて、
「自分はENTPなんだけど、あなたは?」
「あの子はESTPっぽいね、ISTPと仲良くできそう!」
「ENFJは、どの業種が向くかな?」
などと、暗号を用いているとしか思えないような会話で盛り上がる。
実際にやってみると、自分のも他人のも意外にも当てはまる部分が多く、
その共感と納得感でハマってしまう。
自己紹介の時にお互いのMBTIを言い合うと、初対面でもどんな性格なのか予測しやすく、自分と同じタイプや相性が良いとされるタイプに出会うと謎の親近感が生まれて興味が湧く。
血液型診断からMBTI診断へ
血液型診断には、「バーナム効果(フォアラー効果)」と呼ばれる心理的傾向があることが知られている。
これは、占いでもよくある、誰にでも当てはまりそうな抽象的な表現が自分に向けて発せられると、自分のことをぴったり言い表しているように感じてしまいがちな傾向のことである。
MBTI診断も例外ではなく、かつての血液型診断と同様にバーナム効果があり、ごく気軽に万人が楽しめるものである。血液型が4タイプであるのに対し、MBTIは16タイプとバリエーションが増えた。
MBTIの本来の目的
MBTIは、性格診断に基づいて、受検者が自分自身の理解を深めてよりよく過ごせるためのヒントを提供することを目的としている。
アメリカでは14歳以上に有効、また、日本では18歳以上に有効とMBTI協会からの記載もある。
MBTIはキャリア選択の際に用いる一つの指標として用いるのは良いと思うが、診断結果を真に受け止めすぎるのは危険である。
MBTIが今後どれくらい浸透を見せていくかは、まだわからない。
血液型診断にせよ、MBTIにせよ、人が性格診断を好んで楽しむ姿勢に、時代や世代の隔たりはあっても違いはないようである。
適切に向き合えば、話題としても楽しめるし、自分自身、そしてお互いの理解につながるかもしれない。