我がnote活動の振り返り(第1回マネジメントレビュー)

Stay home中の暇潰しにnoteを始めて約3週間。普段は過去20年の自分の稼業(工場系技術屋兼中間管理職)で経験したり考えたりしたことを徒然なるままに書いているが、今日はイチ利用者として、①noteを始めた目的、②noteを利用してみて分かったこと、③今後について、ISO9001:2015のマネジメントレビュー方式で整理しておきたい。…と、恰好つけて言っていますが、開始後1ヶ月でも3ヶ月でも1年でもなく、開始約3週間というどうみても中途半端な時期にレビューするのは正直なところ、休日(←今日は日曜)にまでわざわざ稼業のことを考えるような高い意識がないからと言うのは内緒である。


1.noteを始めた目的

  【外部・内部の課題の変化】

社会人になって20年目、工場系技術屋兼中間管理職として経験したり考えたりしてきたことを、「自分用の文集」としてそろそろ文字に起こしておこうと考えていました。将来ある程度サラリーマン人生の終着点の目途が立ったら、さっさと「中の人」から脱却して大学なりコンサルなりで製造業、ものづくり(manufacturing excellence)に関する大局的な理論と実践を考えてみたいと漠然と思っていた(←甘い)、ということもあるし、或いはこの先ずっと企業に「中の人」として残るにしても、ネタを何となく頭の中に持っておいて「老害のくだらない説教」なんぞに使うより、粗い形でもよいのでプロトタイプ的に文字化し、現時点で一旦整理しておいた方がよいだろうと思ったためです。文字化すれば、モヤッと頭の中にある思考がどの程度浅く、また中身がないかがよく分かりますし、そこから更なる肉付けも可能ですから。

私は工場系技術屋兼中間管理職として2度の転職、日系、外資、海外と経験してきました。書いておこうと思うネタは無尽蔵です。事業環境が異なる中でも貫かれる原理・原則の話、事業環境が異なるが故に生じる戦略・戦術の違いといった技術経営論・工場経営管理論的な話、大卒・院卒の工場系技術屋兼中間管理職としてのキャリアパスや業務スキル・専門知識の話、これまでお世話になってきた現場で人として学んだり感じたりしたことの話、などなど。

ということで適当にWordなりOneNoteなりにでも文章を書き溜めておこうとしたのですが、読者が自分一人というのでは、完全な自己満足で終わってしまいます。また、これまで直接仕事でお世話になった同稼業の誰かにメールで送りつけてフィードバックを頼むにしても、そんな暇かつ親切な「誰か」なんていないでしょうし、もしいたとしてもせいぜい一人二人でしょうから視点が限られてしまいます。そんなこんなで元々意識低い系の私は「何だか面倒臭いなー」と思い始め、一向に筆は進みませんでしたが、コロナのstay home中に偶然noteの存在を認識したところから動きが変わりました。

これなら私と同じような稼業の方、或いは製造業に関連する稼業の方とゆるーく繋がって、様々な情報・見解や意見を交換したりできるのではないか、と直観的に思ったわけです。SNSとは違ってある程度の長文でも許容されるようだし、匿名≒あくまでも記事は個人の落書き程度の扱いだろうからきちんとした論文の体を成していなくてもよく、良い意味で肩の力を抜いていい加減に取り組めそうだし、と。

と言うことで、以下a)~c)のカテゴリーの方をターゲット読者に想定し、ターゲットの方々以外にとっては全く面白く読めず、一切興味も持てないであろう製造業の超内輪話に特化して、営業秘密に抵触しない程度に自分が書きたいことだけを書くこと、またこの方々の発信されている記事を読んで参考になる知見を収集することに決めました。

a)ガチで自分と同じような仕事をしている方(≒大卒・院卒で技術者としてメーカーに入り、工場で生産技術や製造・品質管理・エンジニアリングを担当している「中の人」。中間管理職として組織マネジメントや自社の戦略・方向性に悩んでいれば尚良し)

b)メーカー勤務だが、サプライチェーン関連部門の業務を経験したことがない方(≒研究開発、人事、経理、知財・法務、営業、マーケ、IT等)

c)メーカー勤務ではないが、仕事上何らかの形で製造業と接点がある方(戦略・人事・IT・サプライチェーン等のコンサル、或いはインフラ関係)

2.noteを利用してみて分かったこと

  【パフォーマンス及び有効性に関する情報】

    <①:【執筆者として】 プロセスのパフォーマンスと製品・サービスの適合性/目標が達成された程度>

「毎日記事を上げる」等と言う高い意識と情熱は私にはないので、気が向いたら1,2時間で4000~6000字位の記事を思いつくままに一気に書き、一旦寝かせずすぐに投稿するということを繰り返してみました。本当はもっと短くしたいのですが、ある程度話の筋道を確保したい思いもあり、要約力の乏しい私としてはなかなか難しいです。

実際書いてみたジャンルとしては以下の通りです。

a)製造業の「中の人」しか面白く読めないであろう記事(例えばいくつか書いた「日系・外資系メーカー比較論」のような内容)

b)工場絡みの内容ではあるが、どういう稼業の方でもそれなりに食いつけるであろう記事(英語学習、新卒採用、組織マネジメント論等)

a)の”製造業の「中の人」しか面白く読めないであろう記事”は、真面目に書こうとすると詳細な調査やロジック構築が必要になる性質のものですが、敢えてそこまでやっていません。と言うか、思いつきレベルかつ1,2時間で作成出来るものではありません。ですから、将来論文を書く時の取っ掛かり用のネタ帳、メモ程度のつもりで書いています。主観バリバリですし、私と同じ稼業の人でも読む人によっては違和感バリバリのはずです。将来は調査・文献引用やまともなロジックも交えてきちんとした形にしていきたいと思っています。この先も書きたいネタはまだまだ沢山あり、同じような稼業の方からのフィードバックも期待しているのですが、果たして本来論文形式にすべき内容を、論文の体を成していない脆弱なスタイルでわざわざ書くような話なのか?と、少々迷いもあります(因みに、現在同稼業の学生時代の友人に、ある記事の内容に関してテクニカル、マネジリアルな観点でのフィードバックを個人的に求めたところ、かなり詳細かつ多面的な視点で参考になる意見を貰いました。ただ、これもあくまで個人レベルですし、不特定多数相手にフィードバックを期待するのはnoteよりツイッター等でやった方がいいのかなとは思います。意識低い系中年としてはツイッターは何だか気持ち悪いので、やる気はないですが)。と言うことで、a)の「プロセスのパフォーマンスと製品・サービスの適合性/目標が達成された程度」としては微妙な感じです。

b)の”工場絡みの内容ではあるが、どういう稼業の方でもそれなりに食いつけるであろう記事”は、はっきり言って気が楽です。a)と違って特に内容を理論武装させる必要もなく、経験だけをネタにしている感じです。noteと言うのは本来こういうテキトーな主観を元にした気楽な記事を、気楽に垂れ流すべきメディアなのかもしれないと(いい意味で)思っています。a)では決して「スキ」は付けないであろう属性の方の「スキ」がb)に多いのも分かる気がします。当初「1.noteを始めた目的」では全く想定していなかった読者層ですが、工場のことを知らない方に興味を持っていただき、製造業を応援していただくという入口にするにはこういうイロモノ的なアプローチも面白いかも、という発見がありました。と言うことで、b)の「プロセスのパフォーマンスと製品・サービスの適合性/目標が達成された程度」としては意外に高い評価です。

    <①’:【読者として】プロセスのパフォーマンスと製品・サービスの適合性/目標が達成された程度>

自分と同じような稼業、関連する稼業の方、或いは全くの異業種の方の発信を大変興味深く読み、また参考にさせていただいています。様々な視座を得ると言う点では、ネットに溢れている商業記事よりも余程役に立つのではないかと感じています。執筆者ご本人にとっては「日常の中のいつもの当たり前」と所謂「中の人」として捉えているような記事でも、外から読ませていただくといい意味で経験や主観が適度に混じった興味深い話になっていますし、下手な異業種交流会よりも遥かに面白いです。製造業関連の方の話はいつも大変興味深く読ませていただいていますが、他にも教育関係の方の記事は部下育成や組織マネジメントの観点からも示唆に富んでおり、こんな面白い世界があったのかと恥ずかしながら不惑を超えた身ながら改めて刮目しております。

仕事に関連する本の要約もよく読ませていただいています。皆さんいつもうまくまとめられており、当然ですが自分で本を買って読むより遥かに速いので、参考にさせていただいています。要約記事で興味を持ち、実際に自分で買って読むということもしています。

仕事関連だけではなく、意識高い系ワカモノと思しき方の人生ポエムのような記事も流れてくるのでたまに読みます。意識低い系中年の私は、正直最初は「意識高い系」「ポエム」と若干色眼鏡で観ておりましたが、皆さん本当に主体的に色々考えていて、私が若い頃のことを思い出すと赤面してしまいます。最近影が薄いどこかの国の世襲大臣にも、是非読んでもらいたいです。こういうワカモノが現実世界にも多いのであれば、これからの時代は実はいい方向に向かっていくのではないか、と言う期待が持てたのもnoteを通じた発見です。と言うことで、読者としての「プロセスのパフォーマンスと製品・サービスの適合性/目標が達成された程度」は、予想外に高い評価です。

今後とも皆様の記事をイチ読者として楽しみにしております。

    <②:【PV、スキ、フォロワーについて】顧客満足と、関連する利害関係者からのフィードバック/監視・測定の結果>

お忙しい中、私の書いた駄文をお読みいただいたり、スキを押していただいたり、あろうことかフォロワーにまでなっていただける皆様に感謝申し上げます。私も一応人間なので、より多くの方に見ていただけるというのは嬉しいですし、大変励みになります。書いている内容がニッチな分野かつ自己満足記事なので、PV1日何千!フォロワー何百人!何千人!何万人!みたいな世界は全く無視ですが、これからもよろしくお願い致します。

工場系技術屋兼中間管理職という商売柄、こういう数字で表わされる項目は本能的に「日常追うべき&管理すべき対象」と捉えてしまい、誰にも頼まれてもいないのに自動的に○○率みたいなKPIを考えて、その傾向を観たり施策の効果を読み取ろうなどと無駄なことをしてしまうのですが、noteはあくまでも趣味なので気にしないようにしています。KPIは手段であって、目的にしてはならないと言うことを肝に銘じておきたいと思います。PVやスキを稼ぐためにこんな記事書こう、フォロワーを稼ぐためにあんな記事書こう、となると、私がnoteを始めた目的から外れてしまうので。

とは言えやっぱり嬉しいものは嬉しいので、私も皆様の記事にどんどんスキを押させていただいたり、フォロワーにさせていただいたりすると思います。よろしくお願い致します。

ということで、「顧客満足と、関連する利害関係者からのフィードバック/監視・測定の結果」については、私のnote活動の本来の品質方針に基づき、差し当たり様子見で行きたいと思います。

※「不適合及び是正処置」、「監査結果」、「外部提供者のパフォーマンス」については該当なしとします。

  【資源の妥当性】

「気が向いたら1,2時間で4000~6000字位の記事を思いつくままに一気に書き、一旦寝かせずすぐに投稿する」というプロセスに対しては、在宅勤務及びstay homeによる時間的余裕があり、必要な人的リソースは十分確保されていました。また、読者としてのプロセスに関しても同様です。

但し、緊急事態宣言が解除されたことで、今後stay homeからwithコロナへフェーズが移っていきます。私は当面在宅勤務継続なのでしばらくはstay home状態が続きますし、今後従来のような「机を並べて仲良くお仕事」の昭和な勤務体制が復活するかは分かりませんが、毎日のように暇潰しで文章を書くのは厳しくなるかも知れません。ただ、文章を書くことによって頭が整理出来たり、自分の浅学に改めて愕然としたり出来る機会が得られること、noteという媒体を使えばどこかにいらっしゃる読者の方に読んでいただけること、そして何より皆様の示唆に富んだ記事に触れられること、と言ったメリットを今回強く感じましたので、無理せず肩の力を抜いて続けていきたいと思っています。今後ともよろしくお願い致します。

  【リスク・機会に対してとられた処置の有効性】 

該当なし。

  【改善の機会】

<①:【執筆者として】プロセスのパフォーマンスと製品・サービスの適合性/目標が達成された程度>で触れたとおり、”工場絡みの内容ではあるが、どういう稼業の方でもそれなりに食いつけるであろう記事”(英語学習、新卒採用、組織マネジメント論等)の作成を実行した結果、以下のメリットが考えられました。

・特に内容を理論武装させる必要もなく、経験だけをネタにしている感じではっきり言って気が楽である

・全く想定していなかった読者層を開拓でき、工場のことを知らない方に興味を持っていただき、製造業を応援していただくという入口にするにはこういうイロモノ的なアプローチも面白い

取りあえずそんな方向で書いていくのも、win-winでいいんじゃないかなと思いました。

  【システムの変更の必要性/資源の必要性】

特になし。頑張ります。noteさん、素晴らしいプラットフォームをありがとうございます。

以上、note活動約3週間時点でのマネジメントレビューでした。今後ともよろしくお願い致します。

(追伸)冒頭で開始約3週間というどうみても中途半端な時期にレビューするのは正直なところ、休日(←今日は日曜)にまでわざわざ稼業のことを考えるような高い意識がないからとコメントしましたが、書いてみると思いっきり自分の稼業のフレームワークで意識高く考えてしまったことに今更ながら気付きました。これもnoteの成せる技、副作用でしょうか。。。【了】

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