バレメトスタット
【2022.9 新規承認】バレメトスタット(商品名:エザルミア錠)
バレートス!
エザルミアのアルファベット表記はEZHARMIA
再発難治での成人T細胞白血病リンパ腫への効能を持つEZH1/2阻害剤である。
食後服用でAUCの低下があることから、食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けることとの記載がある。
またCYP3阻害剤とP糖蛋白(P-gp)阻害剤との併用による影響が大きいため、用量調節基準が定められている。両方の阻害作用を持ち合わせる薬剤を併用する際には、さらに減量が必要となる。
両阻害作用を有する薬剤としては、イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビルなどがある。(イトラコナゾール併用でAUC約4倍)
逆にバレメトスタット自身にP-gp阻害作用があるため、ジゴキシンなどの血中濃度上昇にも注意が必要である。(ジゴキシンAUC約1.3倍)
副作用としては骨髄抑制、感染症が高頻度であるが、脱毛症(40.5%)、味覚不全(40.5%)の他、皮膚乾燥や悪心も出やすい。
EZH1/2は、エピジェネティクス関連タンパク質群のうちヒストンメチル基転移酵素に属し、ヒストンタンパクH3のメチル化を特異的に触媒することで種々の遺伝子発現を制御する。
濾胞性リンパ腫で使用されるタゼメトスタット(商品名:タズベリク錠)も同様なEZH阻害薬であるが、変異型EZH2のメチル化活性を阻害するため、EZH2遺伝子変異陽性例でのみ使用できる。
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