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「稀なケース」に当てはまる時は当てはまるのだ

全く予想だにしていなかった、膀胱内腫瘍の発見と手術、入院、退院。
国立がん研究センターの、がん情報サービスによりますと以下の通りだそうです。

4.患者数(がん統計)
膀胱がんは、日本全国で1年間に約20,000人が診断されます。膀胱がんと診断される人は男性に多い傾向にあり、60歳ごろから増加して、高齢になるほど多くなります1)。

私自身は、男性でもなく高齢でもなく30歳代の至って健康な女性でした。
全く当てはまらないから、友人に話した時も「kagawato、高齢の男性なんかい」とツッコミを受けたくらい。

なお、見つかった腫瘍は以下の内容に該当し、本当に出ていたものが悪性かどうかは病理検査の結果を待つばかりだった。

1)筋層非浸潤性がん
膀胱筋層には浸潤していないがんです。表在性がんと上皮内がんが含まれます。
表在性がんはカリフラワーやイソギンチャクのように表面がぶつぶつと隆起し、膀胱の内腔に向かって突出しています。この形態から、乳頭状がんと呼ばれることもあります。
表在性がんの多くはおとなしく浸潤しないがんですが、中には放置しておくと進行して浸潤がんや転移を来す危険性のあるハイリスク筋層非浸潤性がんと呼ばれるタイプのものもあります。(同、国立がん研究センターの、がん情報サービスより

手術、退院後の初の病院で、病理検査の結果2つ突起が出ていたもののうち、1つは悪性に振り分けられる結果だったと伝えられた。

この瞬間、癌が私の体にできたことが確定しました。
初めて自分の中にある腫瘍の画像を見た時から、検索で見ていた膀胱癌と同じであることを認識した時から「きっと癌なんだろうな」と頭の片隅では思っていた。
でも実際に、そう聞くとそれなりにショックだった。
担当医曰く、膀胱癌になりやすい要因の1つに喫煙があるそうだけれど、もうこの時点ではタバコをやめてから6-7年が経っていたこと。また1日当たりの本数などから考えても、そこまで喫煙を主要因にするようなほどでもないと言われた。
「30代女性は珍しいほうだけど、原因不明で、ということもあることだから」と。

その時に何を考えたかは覚えていないけれど、そうなんだなぁと思う他なかった。いずれにしても今は命があって、自由に行動できているから。早めに見つかって、腹にメスをいれることもなく取り除くことができた。
仕方ない、稀なケースと言われても当てはまるときには当てはまるのだ、そう思い込ませた気がする。

そこからは治療方針の説明。
いずれにしても悪性腫瘍があったことは間違いがなく、複数箇所発生していたのでBCG療法が用いられることになった。週1回か2週間に1回くらい、通院してBCG液を膀胱に入れる方法。
あとでこの記録も書くけれども、なかなかに辛かった。全部で6回。

「若いうちに膀胱癌が発生すると、繰り返す人が多い」
「2年間は短期間での定期的なフォローアップを行うので、何かあったら今回のように早期発見ができて、取り除くことができる。」
「ただし、取り除いてBCG療法を行って と言うことを繰り返すと、膀胱が硬くなって本来の機能を果たせなくなる可能性もある」
「その時には、尿道を別につくる(ストーマ)などの方法をとることもある」

など、担当医の先生は起こりうる可能性を伝えてくれた。
冷静に聞いている(いたと思う)風にしていたが、ショックはあった。
好きな歩き旅が自由にできなくなる日がくるのかもしれない。

だから決めた。やっぱり、転職もしようと。
そして、やりたいと思ったことは、絶対にやろうということを。

稀は、いつでも起こりうる。

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