異性の相棒という距離感
最近、海外ドラマのBONESを観ているんだが、主人公のブレナン(通称:ボーンズ)とブースのなんとも言えない距離感がむず痒い。
というのも、私と今の上司が似たようなことになっているからだ。
ブースは息子がいるけど結婚はしてないから、これはブレナンとくっつかないのか?くっつくのか?が楽しめる。だが、私の場合、上司は結婚してて娘がいるので、恋愛関係になってしまったら完全にアウト(笑)
シーズン2の10話を観ていて、ブレナンが被害者の兄とくっつきそうになっているのをなんだかよく思ってないブースが
「何か妙な感じだ」
「何が?」
「俺たちは相棒でいつも一緒にいる。君は女で、俺は男。こういう関係は初めてだ。俺たちは相棒で、男同士のような関係だが君は男じゃない」
「そう、私は男じゃない。ウィルと付き合うのが悪いって意味?」
「いや、そうじゃない。君は俺にとって男同然だが実際は女だ」
というような、ブレナンとの関係に戸惑っている会話があった。
私もじつは似たようなことを上司に言われたことがある。女性と仕事上でこういう関係になるのは初めてだと。
あくまでも仕事仲間。
ここで私は上司と呼んでいるが、ブレナンとブースのような感じでお互い専門分野があって、ほとんど上下がなくフラットな関係で仕事をしている。
今はチームが拡大して四六時中一緒にいることも少なくなったが、ほんの半年前までは、ときに助け合ったり、ときに喧嘩したりと、まさに相棒だった。
“異性の相棒”というこの距離感はなんとも不思議だ。
恋人や家族、友達とは異なる種類の、絆のような愛情のようなものがある。
お互いに信頼している。しかも、それは仕事からくる「君なら大丈夫」という確実に実感できるものだ。
お互いに認め合っている。失敗も成功も共にしている仲だ。
お互いに尊敬している。それぞれ得意分野があって、二人で支えあっている。
たぶん、このすべてを網羅するのは仕事上からしかないんじゃないだろうか。
そして、ここからがややこしいのは、そこに「男」と「女」という要素が入ってくることだ。
ときにブースのように、異性であることを意識することがある。
いくら相棒といえども男と女なのだ。
例えば会議中のアイコンタクト。
お互いを理解しあったチームワークのなせる技だ。声を発することなくお互いの目を見合って意思疎通を行い、会議をスムーズに進行させる。
だが、異性の場合はかなり危ない。仕事上のアイコンタクトだとわかっていても、少しでも意識がズレると恋愛感情のこもった見つめ合いになってしまう。
見つめ合う、距離が近い、お互いを頼る、お互いを気遣う。
このワードだけ並べてしまうと、まるで職場恋愛の脈あり診断になってしまうのだ。
だが、どちらか一方が、いくら相手に異性を感じたとしても、恋愛感情を表に出してしまった途端、この“相棒”関係はあっという間に崩壊する。きっと修繕不可能だ。
異性の相棒は恋人とまさに紙一重に思う。
どちらもパートナーと呼べる関係だ。
それが仕事なのか、プライベートなのかの違い。だが、異性である以上、おそらく人間の性的な欲求を避けられない。そして、異性であるからこその、愛情・・・お互いの足りないところを埋める何かがあるように思う。
仕事だけどお互いに、女だからこその魅力を感じ、男だからこその魅力を感じてる。でも、この今の心地良い関係を維持するには、一線を越えてはいけないことをお互いに知っている。相棒だからこそ、そこは言葉にしなくてもお互いにわかっているんだろう。
「俺たちは相棒で、男同士のような関係だが君は男じゃない」
もはや、男であるとか、女であるとかが煩わしいのかもしれない。
たぶんタイミングが違えば、私は上司と結婚していただろう。
それはきっと上司も感じてる。実際に上司も言っていたし。
そのぐらい傍にいるのが居心地いいのだ。
そして、危ないのは私。
ブースの立場は私だ。上司に男の魅力を感じてしまって、ときどき意識がそっちに持って行かれてしまう。
そしてブレナンとブースと違い、何よりも上司には家庭があるが、私にはなくて愛情に飢えている。
この相棒という関係を保つには、私も家庭を持つといいのかもしれない。
でも、私に彼氏や夫がいないことで生まれてる距離感であるようにも思える。だからきっと彼氏や夫ができたら、この心地良い関係は別の形になるかもしれない。それが良くなるのか悪くなるのかはわからない。
BONESのこの二人がこの先どうなっているのかは、まだ観ていないのでわからないが、私の相棒関係は長続きしそうにない気がしてる。
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