倒産の日
勤めていた広告代理店が倒産してから
もう十数年経ちます
あの日はいつもの新聞配達のバイトをしてから
都下の本社へ出社 朝の6時半頃です
本社勤務の社員はまだ来ません
あれ 誰かいるな
社長のバカ息子 そう副社長でした
おはようございます
珍しいね なにやってるんだ
こっちは忙しいので簡単な掃除をして
提出物などを整理して新宿営業所へと
私は新宿営業所の所長
でも事務員もその他営業社員もいません
ぼっち所長でした
営業所でFAXの整理をしてさあ出発
この日は田園都市線で神奈川県に打ち合わせでした
10時過ぎた頃でしょうか
本社から携帯に電話が鳴りっぱなし
うるせーな こっちは電車だよと思いながら
次の駅で降りて電話に出ました
本社営業上司が今どこにいるんだよ
早く戻ってこいよ
会社が倒産したんだよ
そんなの知らねーよ 今神奈川だから
昼になっちゃうよ
それに朝副社長に会ったけどなにも言ってなかったぞ
あの野郎 なんであった時言わねーんだよ
神奈川まで行かなくてもよかったのに
すぐ妻に会社が倒産したと伝えて本社へ向かいました
本社に着くともう半分以上に社員はいなくなっていました
私も含めて数名は数日間残務処理してほしいと
数ヶ月前からなんかおかしかった
副社長のクラウンも会社名義から個人名義に変わっていたし
倒産しろよ こんな会社と思っていたら
本当に倒産しました 笑いが止まりませんでした
家族には笑えない心配をかけました
その後の10年間大変でしたが
いい経験ができましたよ
ありがとうございます
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