ゾルガのススメ前編 ~CSで7勝1敗した割と強いかもゾルガを解説~
はじめまして、はやてです。
VGは何やかんや騎士王降臨の発売日からやっています。
全国大会に2回出場してたりはしますが、めちゃくちゃ上位なプレイヤーってわけじゃなく、まぁそこそこ強いかも、くらいな奴です。
Dスタンでは主にゾルガを使用しています。
2021年11月に開催された2つのCSでゾルガを使い、
「ハリケーンCS(個人)」4勝2敗
「raVan京阪神の陣(個人)」7勝1敗
という、割といい感じの結果を残せました。なので、色々と共有出来たらと思い、拙いながらも「怪雨の降霊術師ゾルガ」についての解説を致します。
魔合成という超絶面白いギミックに惚れて使っているがなかなか勝てない……と言う方は是非読んでみてください。ゾルガでどのように戦い抜くのか。そもそもプレイングは何が正解なのか。少し長いですが、書き記しています。
対ゾルガが苦手という人にも役立つ所があると思いますので、よろしくおねがいします。
有料記事となっていますが全文読めます。
「頑張ったご褒美にパックでも買いなよ」という方がいましたらばお願い致します。すんごい喜びます。
さてさて。
今回の記事で最も注目するべきカードは、そう、ゾルガの救世主たる「咎叩き」です。
このカードの有無でデッキパワーが大幅に変わります。むしろ入れないと今の環境勝てないまであります。
なぜ咎叩きを採用する必要があるのか。
どの様に立ち回れば現環境で戦えるのか。
それを「各デッキタイプ解説→デッキレシピ→咎叩きの採用理由→採用カード解説→後編へ続く」の順でお話ししていきます。
後編は各種プレイングと非採用となったカードの解説を行います。
前提として、他の構築やプレイを否定する意図はなく、あくまで僕個人の考え方と思っていただけたら幸いです。
使えそうな所は拾い、共感出来ない所は捨てておく。それくらいのノリで読んで貰えればうれしいです。
ではさっそくいってみましょう!
■ゾルガの3大構築
大別して、ゾルガには3つの型があります。
1つは速攻型。もう1つは耐久型。そしてソウル多用型。
ソウル多用型を簡単に言うと、「呪われし魂は悶え蠢く(以下、悶え蠢く)」や「霊体凝縮」等のソウルを多用するオーダーを多く採用。ヘンドリーナのテキストを用いてアドバンテージを生み出し、比較的前のめりに攻撃していき、長引けば「扇情の蜜」を使ってフィニッシュに持っていく型、になります。
かなり器用に動ける事もあり、どちらかと言えばこの型が一般的な構築だとは思います。
ただ今回紹介するゾルガは、かなり違った構築となります。
癖の強いデッキであり、理解する為には速攻・耐久型の強みと弱みを把握しておくことがとても重要になってきます。
なので、まずはこの2つを解説します。
速攻型の強み
G1のタイミングからダメトリを超えた3パンが可能な速攻デッキです。
怨念鎖やアドマンティス、霊体凝縮に遥かなる理想を求めて(後列に効果を付与することで1万5千パンプとなる)等を駆使して序盤からアグレッシブに攻めていく事が出来ます。
また、樹角獣ビルバーやレディ・デモリッシュを使用しドロップを最速で貯め、3ターン目から扇情の蜜のクリティカル増加を狙う更に尖った構築もあります。
相手が対処を知らない場合はあっさり勝ててしまう時もあり、ドライブでクリティカルを捲くるとかなり有利に立ち回れます。相手の持ち味が発揮する前に、強引に勝負を決める事を目指します。
速攻型の弱み
リアガード(以下、R)を攻撃され続ける(俗に言う殲滅戦)と、途端に機能不全に陥ります。
もちろん霊体凝縮等のオーダーを駆使してある程度は復帰出来ますが、カウンターブラスト(以下、CB)を払えないと出力が大幅に落ちてしまいます。
鬼首刈りを使い点数止めに対してある程度もカバーは出来ますが、要求されるパーツが途端に多くなり、安定しません。
しかも相手が有効ヒールを2回以上絡むともうほぼ巻き返しは不可能になります。Dスタンはライドデッキの枚数だけデッキが圧縮されており、超トリガーを含めると5枚のヒールが存在します。常に相手のダメージが先行する都合上、ヒールが捲れても仕方がないです。
つまりどこまで行っても片道切符なデッキなのです。
そもそも序盤から盤面を埋めて攻めたいのに、デッキの特性上オーダーカードを一定数採用する必要があるため、安定とは程遠く、対処が分かっている相手には太刀打ち出来ません。
速攻ゾルガが勝てるのであれば、間違いなくニルヴァーナとバスティオンが天下を取っているでしょう。
耐久型の強み
死招きの黒呪術(以下、死招き)というドローソースを駆使し、長期戦を得意とする型。
大量にドローが出来る為、完全ガードやフロントトリガーといったガード値を、相手に悟られずに引き込みやすくなります。超トリガーを手札に加えたとしても、ゾルガは何度でもガードで使い回せるので、他のデッキよりも恩恵を授かりやすいです。
またドローするという事は影纏いや各種オーダー、ペルソナ先といった、死ぬ気で手札に引き込まないと行けないカードにアクセスしやすいという事でもあるので、やはりTCGにおいて「2ドロー」は強いテキストです。
ゾルガが手札からユニットを出さずとも展開できる事も相成って、かなり堅牢なデッキとなります。完全ガードを使いまわせる為、ドラエンやケテル相手にはかなり有利に立ち回れます。
耐久型の弱み
ターンが伸び、なおかつ自分のデッキはドローして減っている……デッキが先に切れるのは順当に行けばこちらです。
本来、こういった耐久型はゴールとなる明確なフィニッシャーが存在します(エンジェルフェザーにおけるフェザーパレス等)。ですが、ゾルガにはそんなカードがありません。
一応、扇情の蜜や悲嘆と絶望そして拒絶(以下、悲嘆)などで底上げして殴れはしますが、有効ヒールの有無や完全ガードを持たれている枚数によっては詰めきれずジリジリとデッキが削れてそのまま敗けてしまいます。
また死招きの起動が遅く、序盤からゴリゴリと攻めてくる相手にはかなりしんどい立ち回りを強いられます。
キルターンを後半に設定しているデッキ(ロロネロルやブルース等)よりも更にフィニッシュターンが遅い関係上、相手のフルパワーを複数回受け切る必要が出てくる為、如何にゾルガといえども防ぎきれなくなる場面が多くあります。また、ファイトが長引けばゾルガの生命線であるオーダーカードが枯渇する事態が発生しやすくなり、どうしても弱い動きしか出来ないターンが生まれる危険があります。
更にいえば、相手の超トリガーがまくれる率も自ずと高くなり耐え抜いた先にオーバーで突然死、という事もままあります(これに関しては相手も同じ条件ですが)。
最終的な構築「速攻と耐久の混合型」
上記のハリケーンCSでは耐久型を使っていたのですが、ファイト中に「弱み」がどうしても気になる場面が多くありました。元々が不利であるブルース以外に、有利対面であるはずのロロネロルにもかなり苦戦を強いられる結果となりました。
環境で最も多いこの2つのデッキに勝つ算段がある。それが、今の環境を生き抜く必須の条件です。
そこで考え着いたのが、速攻型と耐久型の良い所を掛け合わせ弱点を補完し合う「混合型」でした。
その構築はこちら。
■デッキレシピ
~~~
G3
怪雨の降霊術師ゾルガ3
咎叩き4
G2
影纏い4
G1
鬼首狩り4
プラナプリベント・ドラゴン4
G0
憧憬の乙女 アラナ4
狂乱の令嬢3
深淵誘い4
挽歌の妖精4
天恵の源竜王 ブレスファボール1
オーダー
死招きの黒呪術2
逆流する冥府1
悲嘆と絶望、そして拒絶4
扇情の蜜1
非業の死を乗り越えて2
霊体凝縮1
ライドライン
怪雨の降霊術師ゾルガ
黒涙の骸竜
怨念鎖
夢齧り
~~~
この構築でのポイントはやはり、「咎叩きが4枚入っている」という点につきます。
むしろ、咎叩きを4枚採用する為に無理やり他のカードを削っています。
さぁここからが本題。
咎叩きをフル投入するに至った経緯を解説していきます。
■咎叩きを採用する理由
咎叩きの有用性の説明をするには、そもそもゾルガは何故あまり結果を残せていないのか、というお話を先にする必要があります。
ゾルガがあまり強く無いと言われる、マイナス要素は主に3つ。
1.魔合成というギミックそのものが安定せず、それでいて破格のオーダーがあるわけではない
2.打点は高いが3回しか攻撃出来ない(相手のヒール枚数+完全ガードを使用された数が一定数に達すると勝てなくなる)
3.強力なガード制限が無い
同じ3回攻撃しか出来ないという意味では極光戦姫もいますが、あちらは監獄で盤面を荒らし、トリプルドライブで更に相手とリソース差を広げていくデッキなので、3パンでも十分勝負が出来ます。果てはライブラリーアウトという戦法すら会得しているのです。
他のデッキにも目を向けてみれば、例えばロロとブルースどちらとも、高打点5パンを簡単に叩き込んできます。しかもこの2軸はエルメルやプロトバルブといったカードのおかげで防御面も非常に優秀で、更にはどちらもクリティカルを上げながら守護者封じすらしてきます。
ガードが硬く質の良い5パンが出来る。ゾルガと比較して、上位互換ともいえる動きをしてくるのです。そりゃ同じ土俵で戦っても勝てるわけがありません。しかもこの3つのマイナスを、今のカードプールでは根本から覆すカードは無いのです。
となれば、ゾルガの持ち味を最大限活かして戦っていくしか方策はありません。
ではゾルガの持ち味とはなにか。
それは、
1. 高打点を出しやすい
2. 点数止めをされCBが貰えなくても動く事が出来る
3. 完全ガードや超トリガーを使いまわせる
4. リソース稼ぎが得意
5. ドロップから蘇生させ、理想の盤面を何度でも形成できる
という、主にこの5つです。
先程あげた3つのマイナス要素をある程度カバーしつつ、5つのプラス要素の角度を上げていく。それがゾルガの生きる道です。
そして、その全てを一挙にこなしてくれるカードがそう、それが「咎叩き」なのです。
咎叩きのテキストは「あなたのバインドゾーンのオーダーカード1枚につき、このユニットのパワー+5000」という実にシンプルなものです。
ですが、このテキストはゾルガが待ち望んでいた全てが詰まっているのです。
咎叩きはただ打点が出るカードというわけではなく、隠されたプラス要素が沢山あります。
そんな咎叩きの利点を箇条書きにしてみると、
・ゾルガのカードプールで、最高の打点が出せるユニット。
・咎叩きを悲嘆でパンプしなくてもいい為、結果的に全ラインを高打点に出来る。
・相手ターン中もパワーが上昇している為、相手は殲滅戦を仕掛けにくい。
・アタッカーが生き残りやすいので、ゾルガの効果で回収先である完全ガード等を蘇生する動きが無理なく出来る。
・咎叩き自身の効果はノーコストである為、リソース稼ぎにコストを注ぎ込める。
・一度でも魔合成していれば点数止めをされてもある程度の打点を出せる。
・魔合成でリソースと打点を稼ぎつつ、「ついで」にパワーが上がっていくので、咎叩きの為に特別な動きをしなくてもいい。
・耐久プランを取った時、終盤でオーダーカードが枯渇したとしても十分な打点が出る為、「弱いターン」がなくなる。
・ブルース等の耐久戦が難しく、序盤から殴り合わないといけない相手への良質なアタッカーとなる。
まさにいたれりつくせり。このカードがデッキに入るだけで、とんでもない恩恵があるのです。
ゾルガのデッキタイプは様々あったとしても、結局は「1ターンに高打点の3パンをしてダメージを詰めていく」以外に勝ち筋はありません。ならば、それに特化させるしかないのです。
完全ガードの使いまわし等で勝ちやすいデッキは従来通りのゾルガの動きでいいのですが、それでは勝てない速いデッキや、ブルース等のゾルガより根本が強いデッキに対して、勝ち筋を作り出すカードが咎叩きなのです。
魔合成で自然と増えるバインドによって攻撃性が増す咎叩きは、ゾルガのコンセプトと非常にマッチしているユニットです。
高打点で殴り続ける事がゾルガの勝ち筋ならば、最大火力のアタッカーをフル投入する事は必然だと言えます。
ですので、今のゾルガは「咎叩き」を可能な限り採用する必要があるのです。
■それぞれのカードの採用理由
咎叩き以外にも、簡単に採用理由を書いていきます。
ゾルガは手札に引いていなければダメなカードが非常に多いので、しっかりとそれぞれの特性を理解しておく必要があります。
「影纏い」
好きなオーダーに化ける事も出来つつ、ゴーストチェイスを内蔵したユニットという時点で4枚採用しない理由が無いです。影纏いも咎叩きと同じく、引かなければ勝てないカードです。
「天恵の源竜王ブレスファボール」
超トリガーの中でもかなり上位の性能を誇ります。いつでも恩恵にあずかれるのでこちらを採用。クリティカルが上がる超トリガーは基本強い。手札に来た場合は影纏いを駆使してドロップから回収出来ますが、「デッキの中に超トリガーが無い」という情報をどのタイミングで相手に与えるのか。そこはしっかりと意識しましょう。
「非業の死を乗り越えて」
ゲーム中に使用するにしても1度ですが、このカードが初手にあるだけで無理な動きをする必要が無く、万が一にもダメージに落ちるとデッキ構築上機能不全に陥ってしまいます。本音を言えば1枚にしたい所ですが、事故を考慮し2枚に。このデッキの初動で打ちたいオーダーの筆頭でもあります。
「霊体凝縮」
いつでも発動が狙える使いやすいオーダーです。相手が盤面を展開して攻撃してきた場合、骸竜を蘇生し殴り返しつつインターセプト可能なユニットを盤面に残す事も可能です。
また、G2にライドしたターンに打つ事もあります。怨念鎖が1万5千となるため、要求値を一段上げて叩く事が出来ます。
ソウルはかさみますが、影纏いで回収したい防御札を蘇生させる事も狙えます。何よりCBコストが無いため、点数止めをしてきた相手への対処としても強力です。
カードパワーが物凄く高いわけではないですが、万能に動ける良いオーダーです。本来は2枚欲しい所ですが、咎叩きに枠を譲る結果となり1枚に。
「逆流する冥府」
相手が序盤から殴りかかってきた時の返し札です。蘇生対象が1体しかいないと勿体なく感じますが、気にせず使いましょう。ロロネロルにおけるルイサといったキーカードを退却させる貴重な焼き札でもあります。
「悲嘆と絶望、そして拒絶」
ゾルガを使う理由とでもいうべき最強オーダー。非業や冥府といったパンプが出来ないオーダーを使用する時、このカードを魔合成して打点を上げると良いでしょう。
ペルソナしているターンで十二分に要求値が取れている時は過剰になる可能性もあるので、基本的にはペルソナしていないターンに使用する事が多いです。毎ターン要求値を取り続けて「弱いターン」を作らない事がゾルガのコツです。
「扇情の蜜」
詰め切るには必要となってくるオーダー。基本はクリティカルが増加する要件を満たした時に発動しますが、コストの兼ね合いで序盤に魔合成する場合もあります。
終盤、手札から発動し、2ターン連続でクリティカル増加を狙う動きは頭の片隅に置いておく必要があります。
可能であれば2~4ターン目にこのファイトのフィニッシュターンを想定しておき、非業でドロップから回収するか否かを判断します。長引きそうであれば手札に戻し、扇情の蜜はゲームに1度しか絡まないと判断すればドロップに置いたままにします。
効果の特性上、最後の詰めでしか使用しないため1枚です。鉄錨の憤竜と扇情の蜜を組み合わせる特化デッキでもない限り、2枚以上採用する必要は無いでしょう。
「死招きの黒呪術」
リソース源。可能な限りCB1以下の状態で使いたいですが、やむを得ない場合は初回オーダーで使用する場合もあります。
またこのオーダーを採用する時に絶対に覚えておくべき裁定があります。
EX)バインドが4枚ある状態で、死招きと悲嘆をプレイした。魔合成の処理としてバインド数が5枚になる。
すると、本来は「死招き4コスト+悲嘆1コスト=5コスト分のCBを払う必要がある」が、バインド数が5枚あるのでCBのコストは一切支払う必要が無くなる。
死招きのコスト軽減効果は魔合成しているオーダーにも適用されます。この裁定は覚えておく必要があります。手札から死招きを発動した時も、死招きがドロップにある場合もコスト軽減にあやかれるので、CB管理が楽になります。
さて、これで前編はおしまいです。
咎叩きを筆頭に、各カードの特色が分かったかと思います。
そうなると次はいよいよ、混合型のプレイングについて触れていきたいと思います。
後編は「マリガン(手札の引き直し)の基準→基本的な立ち回り→各国家の対策→不採用カードの理由」を解説していきます。
前後編を通して読んでいただけると、混合型の強みが見えてくると思います。
それでは、後編に続きます!
前編を読んでいただき、ありがとうございました!!
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