エヌビディア株のブル・コール・スプレッドを利確して新規に建てました(2024年11月9日)
カガミルです。
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2024年6月から、ブル・コール・スプレッドという株式オプションの手法でエヌビディア (NVDA) 株への投資を開始しました。
こちらのポストの通り、スプレッドの1つが予定利益に達したので利確しました。
同時に新規でスプレッドを建てました。
経過報告とトレードの振り返りを行います。
オプション取引はとっつきにくく、ハードルの高さを感じている方もいらっしゃるかもしれません。私の実際の取引がオプションの理解の一助となれば幸いです。
基本的なことを勉強したい方は、このページの最後にある「オプション投資の勉強にお勧めの書籍」を参考にしてください。
スプレッド1のローリング
前回の記事はこちらです。
スプレッド1の含み益は+1200ドル程度でした。
今週、NVDAが史上最高値を更新しました。
11月7日の米国市場の引け後のスプレッドの状況を示します。
NVDAのブル・コール・スプレッドを開始した時の記事(このページの最初のリンク)に記した通り、含み益が1591ドル(最大利益の半分)になったら利確予定でした。
その条件を満たしたので、11月8日の米国市場開始後にローリングを行いました。
すなわち、スプレッド1の利確+新規のスプレッド開始を同時に行ったことになります。
ローリングには、「オプション戦略」機能を使いました。
それを行ったタイミングでは、NVDAの価格はおよそ148.5ドルでした。
スプレッド1で1802ドルの利益を確定させることができました(手数料込み)。
詳しくは後ほど説明します。
一夜明けた11月9日時点でのスプレッドの状況を示します。
新しく建てたスプレッドを、「スプレッド3」と名付けました。
スプレッド2については、含み益が2479ドルに達するか、満期日の3週間前になったら決済する予定です。
スプレッド3の詳細
スプレッド3の満期日や権利行使価格をどのように選んだか、解説します。
まず、満期日はスプレッド2よりも半年先の1年後としました。
スプレッド3を建てる時、NVDAのリアルタイム価格は約148.5ドルでした。
権利行使価格については、以下の2つの条件を同時に満たすものを選びました。
スプレッド3においては、
なので、両方の条件を満たしています。
次に、損益グラフについて見てみましょう。
こちらのサイト (Options Profit Calculator) を使います。
初期投資額は5065ドルです。
最大利益は6235ドルです。
損益分岐点は142.65ドルです。
(いずれも手数料を考慮しない)
計算式を書いておきます。
含み益が最大利益の半分、すなわち6235 ÷ 2 = 3118ドル(小数点以下切り上げ)になったら利確の予定です。
損益分岐点は142.65ドルと今の株価より低いため、株価が全く動かなくても時間経過と共に利益が得られるのもメリットです。
スプレッド1の振り返り
ここで、スプレッド1がどれくらいの効率で利益を上げたかを見てみましょう。
NVDAの株価は、スプレッド1を建てた時(6月12日)は約126ドル、スプレッド1を決済した時(11月8日)は約148.5ドルでした。
よってこの約5ヶ月間の利回りは以下の通り計算されます。
では、同じ期間のスプレッド1の利回りはどうでしょうか。
手数料も考慮して計算します。
決済の明細を示します。
この明細から、以下のことがわかります。
よって利回りは、
となります。
なんとNVDA株の3.5倍以上の利回りを実現できたことになります。
NVDAの2倍レバレッジETFであるNVDLの利回りとも比較してみましょう。
NVDAとNVDLそれぞれについて、6月12日と11月7日の終値を用いて計算します。
なんと、NVDLはレバレッジが2倍なのに、リターンがNVDAのリターンよりも低いです。
それはレバレッジETFの減価によるものです。
この期間のNVDAのチャートを見てみましょう。
NVDAは上昇したとはいえ、6月初めから10月終わりまで大きく変動しながらレンジ相場を形成していました。
NVDAのボラティリティの高さゆえNVDLは大きく減価し、レバレッジなしのNVDAに負ける結果となってしまいました。
一方、ブル・コール・スプレッドはレバレッジETFで見られる減価とは無縁です。
満期日の損益が決まっているため、それまでNVDAがどう動こうが安心して見ていられます。
この5ヶ月間の株価の推移と相性がよく、高い利益率を達成できました。
ただしブル・コール・スプレッドは万能の投資法ではなく、当然不利な相場もあります。
そのような相場が来た場合は、解説したいと思います。
ブル・コール・スプレッドの状況は、今後も報告していく予定です。
オプション投資の勉強にお勧めの書籍
外国株式オプション取引に関する日本語の書籍やWebサイトは極めて少ないのが現状です。
以下の2冊は、オプション取引の基礎から代表的な戦略まで幅広く書かれているので、ぜひお勧めします。
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オプションの歴史やグリーク、ボラティリティなどについても掘り下げて書かれています。
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