サクソバンク証券の「オプション戦略」でローリング
カガミルです。
サクソバンク証券でETFのオプション取引をしています。
最近、「オプション戦略」という新機能が導入されました。
この機能を使うと、オプションの主要な戦略のオーダーを一度の注文で行えます。
今回この機能を用いてショートコールのローリングを実施したので、やり方を紹介します。
オプション取引はとっつきにくく、ハードルの高さを感じている方もいらっしゃるかもしれません。私の実際の取引がオプションの理解の一助となれば幸いです。
ローリングしたコール
9月21日に、このQQQのショートコールのローリングを行いました。
8月24日のQQQの寄付価格は372.64ドルで、その少し後にATMコールを売り建てたのですが、9月21日にQQQが361ドル付近まで下落しました。
満期日までまだ約2週間ありましたが、売り建て価格の80%程度の利益が確定できそうで、さらに下落する可能性もあると判断したため、ローリングすることにしました。新規で売り建てるのは、満期日までの日数が約30日のコールです。
そこで「オプション戦略」を用いて
の2つを同時に行いました。
ローリングのやり方
「オプション戦略」の設定画面はこちらです。
サクソバンクのオプションのデータは15分遅れで表示されるので、米国市場開始から15分以上が経過した22時45分過ぎに行いました。
①で行いたい戦略を選択します。今回は「ダイアゴナルスプレッド」です。
ダイアゴナルスプレッドは、満期日までの日数が長いオプションの買い(または売り)と短いオプションの売り(または買い)を組み合わせた戦略です。私はLEAPSを用いたLEAPSダイアゴナル・スプレッドを行っています。
②の「売り建て」の行に新規で売りたいコールの満期日と権利行使価格を入力します。
「買い建て」の行に買い戻したいコールの満期日と権利行使価格を入力すると、「買い建て」の表示が「買い決済」に変わります。ここがローリングをする上でのポイントです。
③に売りの指値価格を入力します。これは、今回の戦略を発注することで最低限獲得したい現金を意味します。
指値価格を決めるには④に表示される金額が参考になります。
オプションの売買にはスプレッドが生じ、④にはスプレッドの中間の値が表示されます。
中間の一番下に書かれている2つのオプション価格の差(ここでは13.47)より、少し小さい数字を③に入力してみます。まずは"13.4"とします。その後、右下の「売」のボタンを押して数分待ちます。うまくいけば、13.4ドル以上の価格で約定します。
注意点として、ここに表示されるのは15分遅れの価格です。発注した時点で株価が変わっていれば、当然オプション価格も変わります。
株価のリアルタイム価格をYahoo Financeなどで確認しながら行うとよいでしょう。
上の画像でQQQの価格は361.21ドルとなっていますが、発注時にはそれより下落していました。すると351コールのプレミアムが減少して得られる現金も少なくなるので、指値が13.4のままだといくら待っても約定しません。
そこで指値を"12.7"に下げました。
なお指値を変更する際、「株価が○○ドル下がったので、デルタが●●のコール価格はこれくらい下がるはず」のようにある程度推定することが望ましいですが、難しければ数字を少しずつ下げてもよいでしょう。
しばらくすると370コールが決済され、同時に351コールが新規で売り建てられました。取引結果はこちらです。
370コールを2.01ドルで買い戻し、351コールを14.71ドルで新規に売り建てることができました。差し引き12.7ドルで、指値が機能していることがわかります。
370コールは10.51ドルで売り建てて2.01ドルで買い戻したので、
の利益を確定させることができました(手数料込みだと843.9ドル)。
ローリングの際1つずつオプションを売買するとどうしてもタイムラグが生じます。その間に株価が大きく動くと損益が想定からずれてしまいます。
オプション戦略により指値を設定して同時に複数のオプションの取引をすれば、このようなことはなくなるはずです。
非常にありがたい機能であり、今後も利用していくつもりです。
参考になれば幸いです。
オプション投資の勉強にお勧めの書籍
外国株式オプション取引に関する日本語の書籍やWebサイトは極めて少ないのが現状です。
KAPPA先生の以下の2冊は、オプション取引の基礎から代表的な戦略まで幅広く書かれているので、ぜひお勧めします。
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