つらい別れを経験した時に知ってほしい「悲嘆のプロセス」
自分だけじゃない!誰もが通過するプロセス
妹の自死から数日
・・・大きな喪失感が押し寄せてきて、現実を受け止められなかったり、「あの時もっとこうしていれば」と考えたり、自分のエネルギーが下がってしまったような状態になり何もする気になれなかったり・・・
と様々な状況に陥ってしまった。
こんな時、「自分はなんて無力なんだ」と自分を責めたり、
「こんなに何もやる気が起きないなんて、病気になってしまったのかも」
と自分に自信が無くなったりもした。
だが、死という大きなショックを受けた時には、誰もが乗り越えるプロセスがあることを知り、少し気持ちが楽になった。
エリザベス・キューブラー・ロスの「悲嘆のプロセス」
アメリカの精神科医、エリザベス・キューブラー・ロスによると、
「悲嘆のプロセス」⇒悲しみを受入れ乗り越えるためのプロセスをたどると言われている。
5段階のプロセス
(自分の経験上、この順番を進んだり戻ったりを繰り返したりしました。)
第一段階:否認
突然に起こったショックな出来事を否定する
(心がショックをまともに受けないための防御反応)
・何かの間違いなのではないか?
・目を開けてくれるんじゃないか?生き返るのではないか?
・これは、長い夢だ。
・明日になったら、何事もなかったように家に帰ってくるんじゃないか?
第二段階:怒り
喪失という現実を認めざるを得なくなり、
徐々に、怒りや恨みの感情込み上げてくる。
◇相手に対して
・なぜもっと頼ってくれなかったんだ!
・何で先に逝ってしまうの・・・
◇自分に対して
・なぜもっと早く気が付かなかったんだろう
・もっと連絡を取っていれば
◇他の人に対して
・医者が仕事を休むように言ってくれていれば
第三段階:取引
神仏にもすがる思いで、失った人がどうしたら戻るのか、
取引をするかのような段階
・もう、他に何も望まないから家族を元に戻して
・どうか明日にはすべてが夢であったと、元に現実に戻してください
のように願ったり、
もし、あの時にもっと連絡をとっていたら、そうしたら今頃はこんなことにはならなかった・・・のように後悔や罪悪感を感じて苦しみが襲ってくる
もし、○○していれば、といくら考えても現実は変わらないのに
私自身は夜、眠れなくなるくらいに延々と考えてしまった段階。
第四段階:抑うつ
ここまでの段階を経て、起きてしまったことがどうにも変わらず、
無駄なことであると認識し、抑うつ状態に陥る。
現実を直視して無力感が押し寄せる。
・ご飯を食べたりする気持ちも起こらずに、いつもやっていることさえ、
億劫になりやる気がなくなる。
・亡くなった人が好きだったものを見ると急に涙が出て止まらなくなる。
・もう2度と会えないという事実が重くのしかかり、体も重くなったように
感じる
・まわりの人たちから自分だけ急に違う世界に切り離されたように、
常にショックだったあの日のことが頭の中にフラッシュバックして、
会話も頭に入ってこなかったり、いつもなら笑えることにも笑えなくな
る。
第五段階:受容
自分自身に起きた現実・現状と静かに向き合い、受け入れる段階
受容へのプロセスが始まる時にショックを受け、
パニック状態に陥ったり、寂しさ、孤独感が強くなることも。
ここまでのプロセスを経るまでには個人差があり、数年かかることもある。
誰でもこのプロセスを順番通りにたどるわけではなく、進んだり戻ったりを繰り返すこともある。
エリザベス・キューブラー・ロスは、この「悲嘆のプロセス」が正常で必要不可欠な過程で、全段階をたどる必要があると述べている。
自分だけじゃない
大きな喪失を経験した時には、誰でもこのような過程をたどるので、
「自分だけがおかしい」「自分だけが弱いのか」と自分を責めたりしないで。自分に優しく、労わってあげてほしい。
人は自分の弱さや限界を知ると「こんな状況で傷付くのは人間だから仕方ないこと」と思え、そこはかとない安心感が湧いてくるもの。
体に大ケガをした時、「今こそ運動しないと!」とはならないように、
心が大ケガをしたときは、ゆっくり休んでケガを治して。
ケガが治って充電できたら
その時に、行動すればいい。
心が大ケガをしたら、充電が必要なんだと、慌てずにゆっくり休んで。