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水素結合【改】
14族元素の水素化合物では、メタンから順に、分子量が増加するにつれて沸点も上昇しています。これは、14族の水素化合物がすべて無極性分子だからです。無極性分子は、分子量が大きいほどファンデルワールス力が強く働き、沸点が高くなっていきます。
しかし、15~17族元素の水素化合物では、それぞれの族の中で最も分子量の小さいアンモニアNH3、水H2O、フッ化水素HFの沸点が、分子量から予想される値に比べて異常に高くなっています。
特に、水の沸点は100℃で異常に髙いです。これは、同じくらいの分子量であるメタンの沸点がー160℃くらいであるのに比べると異常な高さです。このことから、アンモニア、水、フッ化水素の分子間には、特に強い引力が働いていると考えられます。
この力は、電気陰性度の特に大きい原子であるフッ素F 、酸素O 、窒素Nなどが電子を強く引き寄せていることが関係しています。電子を強く引き寄せると、負に帯電し、一方の水素原子は正に帯電します。
これによって、分子の極性が大きくなり、分子と分子の間にやや強い結合を生じることになります。これを水素結合と呼んでいます。
フッ化水素 HF の水素結合は次のようになります。
水分子H2O は、1分子あたりに非共有電子対2つと水素原子が2つあります。よって、水素結合によって1分子のまわりに最大4つの水分子を形成することができます。
水素結合は共有結合よりは弱く、およそ10分の1くらいの強さですが、ファンデルワールス力よりは強く、およそ10倍くらいの強さになります。
まとめ
〇 電気陰性度の大きい フッ素 F 、酸素 O 、窒素 N の原子間に、水素原子 H が仲立ちする形で生じる結合を 水素結合 といいます。
〇 水素結合があることで、沸点が高くなりやすい。