現自民党案のとおりに憲法を改憲するかいなかという議論は、「改憲しない」という結論にしかなり得ない件について

日本人は特に感情に流されやすい。
先日、安倍晋三元首相が公然の場で襲撃され、そのまま命を落としてしまった。
しかも、大手マスコミは連日それを報道し、しかも襲撃した人物が如何に酷い人物であったか、その人物に関わっている宗教が如何にカルトであるかを繰り返す。

安倍晋三の葬儀を国葬にするか否かで大激論をし、その流れに乗って、「改憲しよう!そうしよう!」といった意見に流されるものも多数現れ始めた。

そもそも、現在の自民党が出している憲法改正案は国家権力への縛りを緩くして、国家権力を強くして、より国民を好き勝手出来るようにする内容である。
下記の記事でも述べたが、そもそも憲法というのは国民から多くの権利を奪うとともに、多くの義務を課す国家権力に対して歯止めをかけるものである。

だから、国民としては様々な国の政策に不満があればあるほど、国家権力を縛る方向で憲法改正することを望むのが自然なのだ。
にもかかわらず、今の自民党案の憲法改正案は、「憲法9条を改正して国を守ります!」というような客寄せパンダにだけ焦点を当て、その他に大量に盛り込まれた国家権力を強化する内容は一切触れられない。

まるで、「お買い得ですよ!」とだけいい、お買い得に見える部分だけを見せ、全体としてはとても劣悪な商品について悪い部分は一切見せず説明もしない、悪徳商法丸出しの商売に似ている。

しかも、「安倍さんの弔い合戦だ!」みたいな、わけのわからない論調で改憲をもってきている。
安倍晋三は生前、憲法改正を声高に叫んでいたが、正に現改定案そのものの、劣悪な改正案を「憲法9条を改正して国を守ろう!」という愛国精神だけを唄って改憲を呼び掛けていた。
正に、売国奴中の売国奴である。

「改憲に反対する奴は馬鹿だ」と言った、煽りまで行われている。
人は「〇〇しない奴は馬鹿だ」と言われると、反射的に〇〇してしまう。
馬鹿だと思われたくないから、その挑発に乗せられる形でやってしまうことがある。
まさに今回の憲法改正案の中身を理解していない情弱の精神構造を利用した、改憲に賛成させるための煽りと言える。

現在、マスコミは安倍晋三元首相の暗殺関連のニュースばかりを垂れ流している。
そして、「改憲」という単純な言葉だけを流し、「憲法改正によって国家権力を増大させ、今まで以上に国民を奴隷のように好き勝手出来るようにする」という真意を隠している。
国家権力の暴走を許し、国民の権利を縮小させ、義務を増加させるような憲法改正に賛成する国民など、本来ならば一人もいないはずだ。
安倍晋三元首相の死という悲しみに便乗して、さらなる独裁国家化のための「改憲」を許してはならない。

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