IT技術の進歩は文明と人間性の退化を意味する

最近、飲食店に行くと「こちらのQRコードからスマートフォンで注文をお願いします」と言われることが多くなっていないだろうか?
先日も筆者が日頃、様々な飲食店を利用するが、その際に多くの店でこのように言われている。

筆者はスマートフォンを限定的な利用でしか利用しておらず、日頃はずっと自宅に置いたままにしているため、QRコードでの注文をすることが出来ないと伝えたところ、口頭でも注文が可能な店が多いのだが、先日、QRコードでの注文でなければ受けられないと言われてしまった。
どうしてもその店で飲食をしたかったわけではないので、注文をあきらめて帰ろうとすると、なんと店員が自分のスマートフォンを差し出して、「こちらから注文してください」と言うのである。
そこまでされると、仕方ないと思い、彼のスマートフォンを注文の為にお借りして注文を行ったのである。


近年、IT技術によって様々なことが行えるようになり、今ではIT技術を使った様々なサービスが利用可能になっている。
人々はこれをIT技術の進化だと勘違いしている。

IT技術には様々な個人情報を入手する必要がある。
IT技術の多くは個人情報を使用することを前提にしなければ出来ないことが多い。
つまり、技術者の観点から言えば、IT技術を使って様々なことを可能にするには、人々が自分の個人情報を垂れ流しにされることを前提にしなければ実現しないのである。

近年、世界の中で中国でのIT技術の進化のスピードの速さが驚かれている。
技術の正確さや安定さを抜きにすれば、確かに中国でのIT技術の進化は目覚ましい。
だが、これらは単に中国での個人情報を保護しようという人権意識の低さが大前提となっているのである。

様々なIT技術は実は既に開発可能となっている。
つまり、近年行われているクラウド技術や顔認証システムなどの技術は最近突然出てきたものではなく、ずっと前から実現可能となっていたものであり、個人のプライバシーを保護する必要性などの観点から、利用されていなかっただけである。

IT技術を利用した様々なサービスは、個人情報を売り渡し、人権を放棄することによって可能となるのであり、近年の様々なITサービスは人権意識の衰退と人間性の放棄によって実現しているのである。

本来であれば、人は他者と直接対話して交流して関係性を築いて発展するものである。
IT技術の全てが悪いわけではなく、様々なことを可能にした側面は大いにある。
だが、隣にいる人とでさえ、メールやチャットで会話するのはIT技術の発展などではない。
メールやチャットで会話することは、会話内容を世界の支配者たちに盗聴させ、監視可能な状態にさせると共に、人と人との直接対話という文化的な発展を否定し、人間性を否定する行為なのである。


いいなと思ったら応援しよう!

KAZU@AQUOIBONISTE
宜しければ応援をお願いします!頂きましたチップは調査・分析等の活動費に使わせていただきます!