次のパンデミックで起こる愚かな混乱をパロディー化したドラマ「新宿野戦病院第10話未知のウイルスの脅威!」を批判的に見よう!

オオカミ少年というおとぎ話をご存じだろうか?
「狼が村を襲って来たぞー!」といたずらのつもりで騒ぐ少年の話で、当初はそれが嘘だったのだが、のちに嘘がバレて本当に狼が襲ってきた時には村の人たちは少年の話を信じてくれなくなって、本当に狼が少年の元に襲って来て、少年が飼っていた羊が全て狼に食べられてしまったという話だ。

オオカミ少年の話は、嘘ばかりついていると、本当のことをいったときに誰も信じてくれなくなるという教訓を教えてくれるという意味のおとぎ話としてとても有名な話だ。

正にこれと似ているともいえるし、似ているけれどもそれと逆な状況が日本に存在している。

筆者の記事を深刻な世界の社会問題だとして読んでくれている人であれば、次に計画されているパンデミック騒動についても、ある程度冷静な対処ができるかもしれない。
だが、今の日本社会の多数大勢の一般人はどうだろうか?

筆者はいつも、日本という社会を良くするためにはいかなる発信をすれば良いのだろうかということを常に考えているのだが、その答えは難しい。
実際には真実である事実であったとしても、あまりにも深刻な内容であった場合には、それをストレートに伝えると、殆どの人は「そんなことはありえない、そんなの嘘だ」と結論付けてしまい、記憶のかなたに葬り去られてしまう。

そんな筆者の悩みに対して、大手のテレビのドラマ放映という形で挑戦したのが、ドラマ「新宿野戦病棟」という、宮藤官九郎が脚本を書いているドラマの第10話および第11話(最終回)だ。
2024年9月8日現在、TVerで9月11日22時まで無料配信中であり、最終回は同年9月11日放送でTverでは一週間無料配信予定となっている。


同ドラマでは、東京新宿歌舞伎町でルミナ(「光」の意味)ウイルスという未知のウイルスが蔓延し、新型コロナウイルスが蔓延した2020年と同じ状況と同じ混乱が訪れるというパロディーを描いたドラマだ。
新型コロナ騒動での愚かな行動を再び繰り返す愚かさに対して皮肉る内容となっている。

新たなウイルスの蔓延のため、マスクには効果がないと認められたにも関わらず、「マスクしか感染を防ぐ方法がないんじゃあ!マスクせいやぁ!」と人々がマスクを強制する姿が描かれる。
ルミナウイルスを感染した時の症状は、普通の風邪と同じ症状だが、人々は誰かが咳をしたり、関節痛を訴えただけで、「ルミナウイルスに感染したんじゃあ!!!!」と大騒ぎする。
日常的に認められる味覚障害や記憶障害さえも、人々は異常な過剰反応を示す姿がドラマ内で描かれる。
新型コロナ騒動のときと同じく、「無症状感染もある」というウイルス学的にはあり得ない話が医師会で叫ばれる姿も描かれている。

歌舞伎町でルミナウイルスが感染したという情報が出ただけで、人種差別にまで発展する姿も描かれている。
新型コロナ騒動が如何に過剰で愚かな反応であったかを、ドラマ内ではパロディとして描かれている。

そして、主人公たちが務める東京新宿歌舞伎町の町病院が、コロナ給付金と同じような、「ルミナウイルス給付金」を自分たちも何とか取得しようと躍起になる姿もパロディとして描かれている。
新型コロナ騒動のときに、如何に病院が嘘の申請をして不正に新型コロナ補助金を受け取っていたかという闇がドラマ内でしれっと語られているのは、さすが宮藤官九郎作品といったところだろう。

ルミナウイルス感染と認定された、ただの風邪患者に対して、完全な隔離病棟に移されて、家族との面会を謝絶されるという馬鹿げた風景もコミカルに描かれている。
だが、ドラマでは大したことのない風邪を引いた若い男性が感染5日後に帰らぬ人となり、遺族との面会もままらななくなったという異常な状況が、当時の新型コロナ騒動のときと同じように描かれる。

感染者がたったの100人になった時点で、時の内閣総理大臣は緊急事態宣言を発令してロックダウンを宣言する姿がドラマで描かれる。
病院の医師たちは、患者が来ても解熱剤を出すしかできないというヤブ医者ぶりを発揮し、あらゆる患者を受け付け拒否とする。
病院内の医師が抱き合うというスキンシップを行う前さえも、体温を測るという馬鹿な姿がドラマ内で描かれているところは、爽快だ。

ただの四十肩をルミナウイルス感染と疑い、ただのイライラをルミナウイルス感染と疑い、ただの砂糖入れ過ぎの甘党を味覚障害のルミナウイルス感染と疑い、何の症状もないのに無症状のルミナウイルス感染と疑う。
新型コロナ騒動のときの愚かな対応をコミカルに描く。
「無症状感染してしまいました!すみません!」と誤る医師に対して、小池栄子扮する医師が逆切れし、感染症対策に対する本質を語る。

「謝るな!誰も悪くない!ウイルスは生きとるんじゃ!いちいち感染したくらいで謝るな!ウイルスと戦っとるだけじゃ!誰も悪くない!マスクなんかするな!屋外で空気も流れてるところでは明らかにマスクは不要じゃ!それくらい、自分で判断しろ!緊急事態だからといって自分の頭で考えることまで放棄するな!」

このセリフは風邪のウイルスだろうが、新型コロナウイルスだろうが、新たなウイルスだろうが、全てのウイルス感染症に対する正しい認識だ。
その後、ドラマでは発熱した者に対して、「解熱剤を飲んでも意味がない。むやみに熱を下げたらウイルスに勝てなくなる」と語っており、新型コロナ騒動のときにむやみに解熱剤を飲んだことをコミカルに批判している。

ドラマ第10話の後半は愚かに振舞う混乱した医療現場が描かれ、次回最終回へ続く、ということで幕を閉じる。
来る次のパンデミック騒動に対して、宮藤官九郎はいかなる教訓や批判を視聴者に投げかけるのであろうか。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?