銀行の貸金庫からの窃盗事件が明るみに

日本の最大手の銀行である三菱UFJ銀行で銀行員によって貸金庫で預かっていた顧客資産が盗まれるという窃盗事件が2024年11月に明るみになった。
三菱UFJ銀行によると、窃盗は2020年4月から2024年10月までの約4年半の期間にわたって支店の管理職の地位にあるものによって行われたと言う。

https://www.bk.mufg.jp/news/admin/news1122.pdf


三菱UFJ銀行の説明では、「貸金庫は、お客さまに無断で開扉することができないよう、厳格な管理ルールを定めており、第三者による定期チェックの仕組みも導入しておりましたが、未然防止に至りませんでした」ということだ。
銀行を含めた金融機関では年一回は最低でも監査が行われ、当該管理部署によるチェックが行われ、さらに第三者たるコンプライアンス部門が検査し、さらに内部監査部門が監査し、さらに外部監査人による外部監査が行われるのが通例である。

つまり、通常の「第三者による定期チェック」が正常に機能していれば、一年以内に不正は発覚するものであるにもかかわらず、4年半も犯行に気付かなかったということである。
従って、三菱UFJ銀行では最低限の監査の手続きを行なっていなかったと言える。

筆者は某国内大手金融機関の法務コンプライアンス部門に所属しており、公認会計士の資格も有しており、金融機関の内部監査や外部監査の実務にも見識があるが、4年半も窃盗の事実が発覚しなかった場合、到底考えられないレベルの組織体制の穴が長年放置されていたか、組織的な犯行さえも疑うものである。

貸金庫の中の顧客資産が銀行員によって盗まれるというのは、とてつもなく大きな事件だが、奇妙なことに大手メディアは不気味な沈黙を続け、報道したとしても限定的であったり、発表した報道内容を非公開にしたりしている。

日本の大手メディアが報道規制をする場合、決まって大きな権力が情報統制に動いていることが常である。

事件の真相は未だ明らかになっていないが、現時点で想像されることについての筆者の見解を以下に示す。

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