都市伝説解体センターをプレイして頭の中がいっぱいになっている
注
このnoteは理路整然とした考察は書かれていません。
Twitterではとても収まりきらなかった頭の中を書き散らした散文です。
※ネタバレなし感想
配信されてすぐやって本当に良かった。
公式がネタバレ解禁を4/1に設定していることを後から知ったけれど、それにも納得できる内容だった。
私自身はネタバレに結構寛容なつもりで、先にあれこれ知っていてもゲームや物語は楽しめるタイプだけど、でもこのゲームに関してはゲーム体験というか、何にも知らないとこの感覚は味わえなかっただろうな……。
あとXもといTwitterの嫌な部分の再現っぷりは何なんだ。これもゲーム体験として良かったけど気分は全然良くないのすごかった。なぜゲームをしているのにTwitterでうっかりドブ部分を目にしてしまった時の気分にならなければならないんだろうか。きっとこの感情の動きも含めたゲーム体験として設定されているんだろうな。
※以下ネタバレあり感想
エンディングを見てからというもの、ずっと心を持っていかれている。
どうしてくれるんだ。情緒メチャメチャになってしまった。
ホラーとミステリーが好きだからきっと楽しめるに違いない!と軽い気持ちで買ったのに、まさかここまで頭の中を支配されるとは思わなかった。
以下各話の感想
1話ベッド下の男
いきなり主人公のお友達が被害者として出てきて驚き。この時点でなんか……センター長の思惑というか予定調和的なものを感じるかもしれない、でもまあ物語だしな……と流したけれど、ここからもうエンディングで最高火力を叩き出すための火薬が撒かれていたんだろう。
安楽椅子探偵と若干のポンコツ感ある助手という凸凹探偵コンビというのは定石なので関係性が大変良い。そこに肉体派というか体を動かせそうかつしっかりしたパートナーもいるのもポイントが高い。
2回目の猫ちゃんデコり自撮り投稿炎上を見た時、もしかして栄子さんはわざとやってんのかな?と思い始め、さらに想定より闇が深くてここでこの作品の方向性を理解。超常現象かと思いきや人間の闇方面で攻めるんだ!
と考えてたら最後栄子さんが本当に行方不明になっていた。
後から思ったことだけど、これはおそらくSAMEJIMA管理人もとい如月歩に拉致されてるんだよね。栄子さんが1番長くかなりの期間監禁されているようだけどその間のことを考えるとゾッとする。
ここで美桜ちゃんが「あざみ言ったよね」と怖いことを言い出す。狂乱状態だからわけわからなくなってるんだと思っていた。本当にあざみちゃん=如月歩が言っていたとは。
2話 ブラッディメアリー
儀式してるきのこの映像が楳図かずおか伊藤潤二的雰囲気があって好き。確かこういう蝋燭頭につけてるキャラいた気がする。
きのこも初っ端から胡散臭いし信用ならない感凄まじい。
ここで出てくる、「アパートに行けば娘に会えますか」と言った父親がものすごく悲しかった。もういない大事な存在に会えるかもしれないというのはなんて残酷なことなんだろう。僅かな希望やもしかしたらの気持ちほど惨いことはない。ところで最後に儀式成功させてなかったか……?
夜の公園で起きたやらせの、足首を掴んで引っ掻き傷をつけた件について思うところがあって、この時あざみちゃんの足には少しの間残るほどの傷がついたわけだけど、それはつまり如月歩の足にも傷がついたということ。
谷原きのこは如月努が自殺する元凶の1人にして、妹の如月歩の体にまで傷をつけた。許せなすぎる。
加えて廻屋渉も傷を受けたことになる。
この3人は本当の本当に同一人物なんだな……。
如月歩は管理人であることも含め神のような人物として表現されてるように思えるし、これで三位一体のことまで連想してしまった。
3章 異界
びっくりするくらい頼りなく役に立たない案内人のお兄さんがすごく好きだった。あんなにオペラ座の怪人みたいな仮面が似合うのにここまで情けないことあるんだ。
楽しいのか?このツアーは……とか思っていたのに天誅事件のところから流れ変わりすぎて結構怖かった。ツアーでやっていいことと悪いことがあるだろ、遺影はダメだ。不謹慎とかのレベルではなくて動揺したけど、主催者の意図がわかってからは急激にミステリーツアーの形を外れ命をかけた謎解きになってきた。
流石にこの章まで来ると、エレベーターで木村さんが行方不明になったあたりで「ははーん木村さんが主催者なんでしょ」と勘づくことができた。
その後やたらセンター長から木村さんへ当たりが強かったり、知り合いみたいな空気感出たり、よく考えたらその位置電波通じてないんじゃ……みたいな点が謎でも、当初は理由がわかるはずもなくなんか変だな?くらいに感じていた。
ここの章は男性の皆さんのキャラ立ちが良かった。山田ガスマスクが人気なのもわかる。ガスマスクがいきなり正しい使われ方したシーンでは笑ってしまった。
ところで彼は天誅事件の現場でどんな気持ちでいたんだろう。だんだん彼の態度が崩れていって最後かなりナメた姿勢になってたのも良くはないけど良かった。多分、2つあった封筒のうち天誅事件のことを記してあると言われた方の中に「お前が犯人なのは知ってるぞ、地下まで来い」みたいなこと書かれてたんじゃないかと思う。だからもう一度あのエレベーターで地下に行って、管理人に拉致られたのでは。
4章 コトリバコ
2ch発祥ホラーが大好物なので大喜びしてしまった。
しかし速攻で喜んでる場合ではなくなった。ジャスミンさんが大変なことに。ここはかなり焦った。
今まで割と都会的な空気感だったのに、いきなり因習の気配やじっとりした雰囲気が醸し出されて来たのでドキドキしながら謎解きに挑むことになった。お屋敷の管理人さんも良いキャラ。
この話でまだ理解できてないのが、蔵の扉が勝手に閉まった件と奥の壁の模様に触れたら蛇が腕に巻き付いたこと。これは過去の何かを見たということなのか、超常現象なのか……?
このゲームで起こる超常現象、基本は人間の仕業だけど、時々説明できないことも発生しているような気がする。超常現象も起きる世界ということなんだろうか。
ビューティー潤は人に恨みを買いすぎだし、社会経験なんて限られてる自分が言うのもなんだけど「仲良くならない方がいい人」っぽさが凄まじい。いや知り合いにもならない方がいいか。良いのは顔だけなんじゃないだろうか。リナさんが不憫すぎる。早く別れたほうが……。
それはそれとして奥歯を抜いてどうこうする呪術の本気度が高すぎる。ただ、それでも本家コトリバコに込められた悪意や材料に比べるとまだ生ぬるい。でもこの「奥歯抜いてこの方法で呪うと良いよ」というのは如月歩が唆したんだろうか?割と怖い。個人に対して恨みの込め方が尋常じゃない。
この辺りからジマーの存在感が強くなって来たため、事が大きくなって来た雰囲気があり、不安な気持ちが大きくなった。
ジマーの皆さんはそれこそSNSで見かける陰謀論者感があって絶妙にマイナスの気持ちになる。信仰宗教っぽさも怖い。SAMEJIMA管理人の衣装の中にいるのは廻屋渉?それとも如月歩?最後の謎解きでは廻屋渉が犯人は私だと言っていたけどどちらなのか。廻屋渉が車椅子で自由に動けないというのはめちゃくちゃ嘘なのかな。そういう設定の人格なのか、根本からして嘘なのか。どっち?
5章 ドッペルゲンガー
ここまでの章で依頼者がまともそうだったことないな。みんな初めからあんまり好きになれない人ばかりだ。
実は自分は学生の頃、バスに乗っている人物の顔が窓から見えた時、自分に瓜二つで物凄く驚いたことがある。なんなら目も合ったし相手も驚いた顔をしていた。なのでドッペルゲンガーというのは大抵他人の超空似なんだろうなと思っている。
でも今回の案件はドッペルゲンガーに盗みまで働かれたらしい。
正直、進めていくうちにこれはドッペルゲンガーの目撃者の皆さんがグルなのでは!?というのはわかったけれど、そうなるとあざみちゃんが見たドッペルゲンガーの影はなんなんだろうという話になる。でもこれもその過去視能力の正体がわかってしまった今は解けた謎で、謎解きに必要な要素が実は伏線でもあるのは面白い。
あざみちゃんが見たドッペルゲンガーの夢が王道ホラーで「この後逃げイベントとか始まったらどうしよう」と身構えたけど、ちゃんと車の中だった。これは普通に調査してて影響されたあざみちゃんの夢なのか、それとも彼女自身が如月歩の人格の1つでしかないことを示唆してる演出?
最後にジマーの皆さんが迫って来たのが現実的な恐怖があった。悪く言えば彼らは集団犯罪組織かつテロリスト集団なわけなので、こんなのが現実に押し寄せて来たたらどうしようもない。指示役SAMEJIMA管理人と実行役の皆さん。
この章はクライマックスへの最終仕込みのような雰囲気が強かったかもしれない。
警察のめちゃくちゃ偉い人のところにジャスミンさんが行くの何かのギャグか?こんな雰囲気のいい爺さんのせいもあり大惨事が起きてると思うと……。
その後ジャスミンさんと離別したりあざみちゃん的にはショックなことが続く。
6章 崩壊と審判
やはりSNSに踊らされると碌なことにならない。全員インターネットやめろ。写真勝手に撮らないでくださいねって言ったじゃん。
でもこれってSNS浸りの自分もこんなんなってないかな……という不安を感じる。あざみちゃんもそんなこと言ってたし。
SNSにちょこちょこ現れた「解体センターの配信見ながらお酒を飲む日常に戻りたい」みたいなことを言っていた誰かのことが気にかかる。センター長が黒幕だと分かった時、GRが起きた時、この人の望みも打ち砕かれた。解体センターチャンネルってどれくらいファンがいたんだろうか。
ここは意識不明のジャスミンさんの代わりにずっと富入さんのターンで頼もしい。あざみちゃんも段々強くなって来たけど、それでもジャスミンか富入さんのどちらかがいてほしい。ツッコミ不在でひとりでSNS調査とかやりたくない。
この章で如月努がどんな人だったかぼんやりと判明していくのが切なかった。オカルトが好きな人たちに物凄く愛されたというのは割と早めに出ていたけど、こんなに優しい人の最期が自殺だなんてあんまりでは……。
自分はオカルトやミステリーが好きで大量に読んでいる身なのに、実は如月努の研究室に来てもまだ廻屋渉の怪しさに全然気が付いていなかった。なんなら如月努が弟(便宜上そう呼ぶ)の頬に手を添えているシーンですら、あれ!?なんかセンター長と似て……弟!?とは思ったけど、そこでSAMEJIMA管理人とイコールもしくは黒幕だとは微塵も思わなかった。自分は廻屋渉を信用しすぎていた。でもストーリーを完璧に楽しめたということだと思いたい。
そして成長したあざみちゃんが1人で管理人のアジトに乗り込み、廻屋渉の陰謀を「解体」するという流れ、王道でとても良かった。
ここで捕まっていた5人組、想定はできていたけどそれでも衝撃は大きく、しかも助けに来たあざみちゃんに対して怒ったり怯えたりするリアクションを見て少し違和感は覚えたものの、彼らがこれまであまりに傲慢な人々だったのでこれも流してしまった。もう彼らはあざみちゃんが自分らを拉致監禁した存在だと分かっていたのであの反応だったんだろうと思う。歩の姿で彼らの拉致監禁を行ったんだろうか。少なくとも廻屋渉の姿よりも歩の方があざみちゃんに似ているし。
そしてエンディングへ。退院パーティー、絶対やりたかった。
え!?センター使われてない!?もしかして廻屋渉は生きてる人間じゃない!?彼こそ都市伝説というエンディング!?何!?え!?富入さんどうしたの!?
え!?!?!?嘘!?
うわーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!やられた!!!!!!!!!!
登場人物について
福来あざみ
とにかく可愛いあざみちゃん。無垢で優しい。
表情もいちいち可愛いし、ストーリー中一挙一動がかわいかった。
服装もすごい可愛い。これはもちろんこの人格がかわいいものを好むようにできてるんだと思うけど、同じ存在のデコルテガバガバペラペラの服を着ている廻屋渉とはフリフリのフリルづくしで対照的に感じる。
上半身が薄い人間はああいうガバガバの服を着ると突然貧相な印象になり、体の薄さが目立つ一方、胸元が詰まっていて装飾がたくさんついている服を着るとかなり印象が華やかに変わる。彼女たちもそういうトリックだったんだろうか。いや肩幅とか全然違うけど。
SNSのドブ部分や人間の悪意に晒されている姿は本当に居た堪れなかったけど、それでも善意のまま動けて主人公としてふさわしい存在だった。
とか思ってたらこれだよ。
最後、解体センターでパソコンを見つける時「ジャスミンさん、あれ!」と指差したのは本当にあざみちゃんだったんだろうか。腕だけが映っているのが意味深に感じてしまう。もしかしたらもう如月歩に交代してたんじゃないだろうか?このタイミングで主人公はジャスミンになったような感じもする。
如月歩は「あざみは何も知らない。そんなあの子をあなたたちはどうする?」と言ったけど、結局事件はクローゼット行きであざみちゃんに何か危害が及ぶことはなかった。嬉しいんだけれど、彼女はこれからも何も知らされないまま歩や渉の別側面として存在していくんだろうか。彼女はどれくらいの期間女子大生の福来あざみとして存在しているんだろう。あんな感じの性格なら友達は美桜ちゃん以外も何人かできてそうなものだけど。
最後の「ジャスミンさん!センター長さん来ましたよ!」のとびきりの笑顔が本当に嬉しくて同時に辛い。なんかきっとうまいこと脳内センター長に言いくるめられたりしてあそこにいるんだろうな。
あざみの花言葉が「復讐」であることはわりと有名だと思うけど、本人があまりにいい子でそこに意識が向かなかったし、苗字はやたらと縁起がいい。この子に福が来ますようにみたいな意味を含めてるのか。
廻屋渉の「あなたは兄が望んだ私の」という言葉はなんと続くんだろう。理解者?姿?ギフテッドという凄まじい天才である妹、歩の理解者をきっと兄の如月努は望んだだろう。もしくは苦しみや悲しみを背負うことなく、天真爛漫に生きてくれたらという望み?どうとも取れる。妹の幸福を兄が望んだことは間違いない。
廻屋渉
このっ…………この…………!!この感情の責任取ってくれよ!!!!!!!!
いやでもワンオペテレホンセンターとかボイスドラマ制作決定とかあるので責任は取っているかもしれない。
怪しさ満点の美しい安楽椅子探偵(車椅子)でオカルトマニアというキャラクター性、探偵ものが好きな人たちはかなりの確率で刺さったんじゃないだろうか。しかも声は岡本信彦だし。
その上、「犯人の探偵」だった。
自分は物凄く「犯人の探偵」という存在が好きなのだけど、これを自分から探して出会うわけにはいかない。なぜならこの存在は信用できない語り手であることが1番の旨味で、その要素が強烈なネタバレだから。そこにぴったり合致して興奮冷めやらぬままに、実は存在していないという真実まで流し込まれてかなり動揺した。
そんな彼の「カウントダウンは止まりませんねぇ。」が急激に犯人としての雰囲気が強くなってすごく良かった。というかこのカウントダウンの後起きたGRもとい特大サイバーテロが本命の復讐だったんだろう。
彼は個人としては存在してもいなかったけど、あざみちゃんの頭の中だけの存在でもなさそう。あの格好+仮面はつけてるけど動画も配信してるし、最後の最後にあざみちゃんとの入れ替わりも見せつけている。このシーンは本当に2人は同じ人なんだ……とわからせられた。かわいい笑顔からあの怪しい廻屋フェイスに早変わりしたのがゾクッと来る。よく考えたら髪の色は同じだし髪型のシルエットも同じ。あざみちゃんの横毛をかき上げて少し崩せば廻屋渉の髪型になる。眉毛とかもちゃんと見れば完全一致なんだけど全然気が付かなかった。
どう見ても男性的な雰囲気と男性の声をしているけど、肉体的には女性なんだろうか。確かに一言も男性だとは言われてなかったけど、あの姿はあざみちゃんや如月歩がそのようにイメージしてるだけなのかもしれない。爆音音割れfabulousを聞けたがおもしれー男と言っていいのかわからない。おもしれー……人……?
復讐のために兄を参考に作った人格だと言われていたけど、彼は如月歩の存在を知覚してるんだろうか。してそうに思えるけどわからない。兄としての側面も引き継いでいるのなら、彼とあざみちゃんで兄妹の再現にもなるんだろうか。
ジャスミン
クロワッサンみたいな髪型が可愛すぎる気だるげギャル。
かと思ったら公安。既にオタクが好きなキャラクター性をしている。
あざみちゃんの正体が判明した今、解体センタートリオでは安心できる人物が彼女だけになってしまった。
最初あざみちゃんが「あまり自分に好意的じゃないかも」みたいに言っていたけど、気だるげな雰囲気に加えて廻屋渉と接触してるし監視対象みたいに見られていたのかもしれない。まさか先に助手として働いている彼女がセンター長に会ったことがないなんて思いもしなかった。常に携帯越しに仕事していたのかも?
だんだんあざみちゃんと仲良くなっていくし、SNS調査はジャスミンツッコミがないと耐えられないし、具合が悪くなった時はすごく焦ったし、愛着が湧いた頃に大怪我&意識不明。こんなところで退場なんて絶対に嫌だと思っていたら、最終局面で復活してあざみちゃんを助けに来てくれて彼女への好感度は最高になっていた。
のに……。
な、なにーっ!?さっきまで夢見ていた退院パーティーは!?!?!?!?
奇々解体が流れ始めたので心臓バクバクで見ていたし普通に終わるわけがないのはわかってはいたけれども。
このシーンくらいからジャスミンが主人公に切り替わったような雰囲気があった。あざみちゃんこそが如月努の妹だと告げられ、驚愕の表情で振り返った先に空っぽのエレベーターがあった瞬間どう思ったんだろう。
その後地上に戻ってジャスミンが叫んだ言葉が「あざみーーー!!」だったのが切ない。稀代のテロリストに嘲笑われながら取り逃したので、ここで悔しげに「廻屋!!」とか言ってもおかしくないシーンだと思うんだけど、それでも呼んだのはあざみちゃんの名前なのか……。
その後この事件はクローゼット入りしたので本来なら遠い異国の地まで解体センターを追いかける必要はない。それでも彼女は追いかけて来た。どこに行ったのか探すのは容易ではなかったことは想像がつく。
もちろん事件に関わった人間の責任としてやって来た側面はあると思うけど、それ以上にあざみちゃんに会うことが強い目的だったんじゃないだろうか。会って再会を喜びたいとかではなく、確認のような。センターとされていた地下で消えてしまったあざみちゃんに会って、本当に廻屋渉なのか、如月歩でもあるのかを自分の目で確認するためにとか、あざみちゃんという存在はまだ生きているのか知るために……みたいな。結果、ジャスミンの目の前で、あざみちゃんとして再会を喜んでいた存在は廻屋渉に早変わりして見せた。
富入
登場時間はそんなに多くなかったけど印象が強すぎる。
公園で立っているのを見た時、敵対組織の怖い人なんじゃないかと身構えたらすごく良い人だったし、怖い雰囲気が口調によってマイルドになっててキャラデザに大成功していると思う。
でもあんなに信頼を寄せて一緒に事件解決まで漕ぎつけたあざみちゃんが如月歩だったわけで、そりゃあれだけ慌てるだろうな……しかも可愛い部下が全てを企てたテロリストと2人きり。
事件がクローゼット行きしたから如月歩や廻屋渉を追いかける必要はないけど、ジャスミンが彼らを追いたいと言ったら富入さんなら行って来なさいと頷いてくれそう。
如月歩
病院にあった彼女の写真を見た時、あざみちゃんと廻屋渉の中間地点のような容姿に感じた。
その後の映像の中、あざみちゃんの姿で公安の2人に語りかけた時の、とても彼女がしないような表情はかなり恐ろしく見えた。これが如月歩の表情なんだろうけど、自分を捕まえられないであろう、自分の兄を間接的に追い詰めた、憎い警察への顔なんだろうな。
天才ハッカーにして大規模なサイバーテロを引き起こしたテロリストの側面が強調されているし、本人の表情の他にも廻屋渉を通して悪い顔をしまくるので怖い人の印象が強い。でも同時にハッピー777億事件とか、テロの理由も兄の復讐だったりするのでただの大悪党じゃない面もある。
病院に入院していたようだけど、やっぱり精神的なものなんだろうか。唯一の肉親である兄を失ったり、自分も兄を追い詰めたと思っているようだし、写真の顔もとても精神状態が良さそうには見えなかった。廻・あざの人格は意図的に生み出したようだったけど、特に廻屋の人格は実は不安定な精神の中で生み出されたりしたんだろうか。
廻屋渉の病衣のような白い衣服は彼女の入院経験から来てるのか?
エンディング後、如月歩としての人格はどうなったんだろう。消えることはないと思うけど、異国の解体センターで現れなかったのが気になる。世界規模でまた何かやろうとしてるのか、それとも復讐を終え無用になった2人の人格に人生を与えようとしてるのか?なんとなくだけど、如月歩は廻屋渉も福来あざみももう要らないから消そうとはしない気がする。
もっと彼女のことも知りたい。
そろそろまとめないと収拾がつかない。
とにかくこのゲーム、ずっと面白いのはそうなんだけど全てが明かされた最後の展開が凄すぎて心を掴んで離さない。
犯人が双子や多重人格というのはミステリーで扱うのが本当に難しいし、下手をすれば御法度の域に足を入れている。場合によってはトリックも何もなくなり、今までの謎が一気に陳腐なものに成り下がる可能性があるから。
でもこのゲームではずっと、最初から伏線がいくつも張り巡らされ、「福来あざみこそが如月努の妹であり廻屋渉でもある」という事実が明かされたその瞬間に伏線が綺麗に回収される。「多重人格」という仕掛けは決してポッと出ではない。
エンディングに到達した時、私を含め多くのプレイヤーの衝撃は凄まじかっただろう。
エンディング後、異国の解体センターでジャスミンはあの後どうするんだろうか。あざみちゃんが何も知らないとはいえ、笑ってまた相棒をやるような人ではないという信頼がある。しょっぴくこともできない相手だからといって、あのまま帰ってしまうようなこともないだろうし……。
GRが起きた時はジマーの皆さんも善人も悪人も関係なく個人情報を晒されたんじゃないかと思っている。一切後ろめたいことのないとしても、個人情報を晒されて困らない人はそういないんじゃないだろうか。自分に関する情報が全部SNSに勝手にアップロードされると思うとゾッとする。如月努がそんなこと望むかというとそんなことないだろうけど、妹の歩はそれでも兄を追い詰めた大衆に天罰を下したかったんだろうと思う。
奇々解体も凄くいい。最初男性女性で別れて歌っているんだと思っていた。1人の女性ボーカルのみでラップもサビも歌っているとつい先日知ったけど、いまだにサビのところが男性の声に聞こえる。あんなに違う声色が1人の人から出るとは信じられない。歌詞と声の雰囲気的に、心の中で勝手に如月歩の声がボーカルさんのイメージになって来ている。
あとこれはみんな触れていることだけど、1話ごとの終わりに奇々解体が流れるのがサスペンスドラマ感があって凄く好きだった。こういう演出って本当にわくわくする。
流石に書き切ったと思うしもうすぐ1万字に到達するのでこれで終わりにしたい。頭の中に色々考えが浮かんで、Twitterでは間に合わなかったからここで吐き出せてよかった。