スピンをxの固有空間に射影する(スピンの波動関数)

スピンの物理量(パウリ行列)は、有限次元です。
しかし、位置xの固有空間は、無限次元であり
次元が違うと行列の計算はできないので、
「スピンをxの固有空間に射影する」というのは
ナンセンスのように思われます。
しかし、±1のスピンを持つ状態は
スピン値の空間上(スピン値の座標)の、+1と -1
にピークを持つ2つのデルタ関数:
1/2δ(s-1)、1/2δ(s+1)
です(スピン値の全空間積分は1)
これらは、xにフーリエ変換できて
∫δ(s-1) exp(-isx)ds=ε exp(i1x)
∫δ(s+1) exp(-isx)ds=ε exp(-i1x)
これらは、スピン値空間のxの固有空間への射影であり、
xの幅が十分広いが有限と考えると
「スピンの波動関数」と言えると思います。
これを関数Sとすれば、ポテンシャルV(x)によって
ih'∂t S(x,t)= (-h'^2/2m ∂^2+V(x) )S(x,t)
で時間発展します。
例えば、S(x,t)=ε exp(i1x-ωt)は、スピン1を持つ粒子が
x軸方向へ進んでいることを表します。

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