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LUPIN
今日はお休みだからフォーを作ろう。
食材の買い物に行こうとして、靴棚からサンダルを取り出し足を入れる。
サンダル貸りるね
気がつくとそれは暖かい秋の日にあの人がはいたそのままになっていた。一瞬胸につっかえる何かを感じたけど、踵のベルトを巻き直し出かけた。
家に戻り、フォーを作った。
天気もいいのでビールも飲んだ。
食後に先日誕生日のお祝いに職場の友達にもらったプロジェクターで、Netflixをみた。
もうすぐ配信予定のラインナップに、あの人とみた作品があった。
Season2が気になるね!
そう言っていたあの日から数ヶ月が経っていた。
最終話をちょうど見終わる頃、あの人の結婚を知った。
最後の冬の日に全て枝を切られてたあの木は、いまでは青々と生い茂る緑と赤い花に覆われている。
あれから季節が流れ、また夏がすぐそこにきている。
今年の夏も、来年の夏も、もう君には会えない。
まだわたしの目に映る景色の端っこに時々君が居る
消せなかったメッセージを消した。
おめでと
さよなら
もう涙もでなかった