2024/7月終盤
卒論発表も授業も期末テストも終わり、2日ほど何も予定の無い時間を過ごせた。その3日目には裏切り者との面会が決まっていたから、2日間で精神的な調節をしたかった。なんだか、肩甲骨から小さな羽が生えたように、10キロほど痩せたこの身体が地面を浮いて歩いていた。幸せで、もしかしたらこのまま治るかも、何事も無かったように、また再び生活をやり直せるかもしれないと思えるほどだった。
7月の終わり、私を裏切ったあの人に会った。
最後に、私のことを愛していたか、大切だと思っていたかと聞いたら、彼はわからないと言った。私は彼にとって全く意味をなさなかったし、無効力だった。茫然としながら、翌日には遠くの病院へ彼を見送った。
周りの大人も、私に気遣うふりして私の前で彼に情けをかけることが苛立たしかった。何でも話して、と手を差し出すあなたは、本当に私を理解できるのか。話すことだけでも楽になるかもしれないなんて、あなたが言うな。話すことが最もつらいよ。あなたの方が一連の現象と私の気持ちを理解できると思っているように手を差し伸ばしてくるが、それはあなたがあなた自身のために後悔しないように手を伸ばすふりをしたいだけでしょう。本当に私と向き合うつもりなら、その手を切り落とされてでも血だらけの腕で私に刺される覚悟で私を抱きしめてみろ。全てが遅い。今さらどうして私を救えるかのように登場できるのだろうか。私がどんな気持ちで、精神状態で、この9ヶ月を生きてきたか、知ろうともしなかったあいつらが、恥じることもなく偽善を始めた。遅い、私が未遂を起こす前に、死んでしまう前に、意地でも助けにきてほしかった。私の性格を知っているのなら、なぜ助けにきてくれなかったの。全てがもう、手遅れなんだよ。
ごめんなさい。切羽詰まっていて、今の私はとても性格が悪いから、人の優しさにも牙を剥いてしまっていると思う。
7月は、自分なりに前向きになれるよう思索した月だった。このままでは流石に生き続けることができそうになかったから、何かしらアクションを出さなければいけないと思った。精神統一のために編み物を始めたり、新しい服を買ったり、髪型を変えたり、家のインテリアを一新したり。物理的に生活を変えてみた。人と会うこともつらくなる一方だったので学校とバイト以外では極力人との接触を避けた。今まで映画や美術鑑賞もつらかったが、ここ数日は本の文字が読めるようになった。少しずつ、良くなっているのかもしれない。悪くなっているのかもしれない。1日1日、もう何もかもがよくわからない。