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AI社会で生きるということ。

(旧題:プレシンギュラリティ世代の皆様へ4 完結編)

さて、長らく間が空きましたが、プレシンギュラリティ世代の皆様への完結編を作って一度区切りを付けたいと思います。

今日は総括した結論と、今後の暮らし方の確認です。

まず結論です。

・ AI社会においては管理業務や決まりきった動作は全てコンピュータが実行するため、21世紀以降の人間に求められる価値は「創造」や「心」に集中する。

ということです。


2021年からの出来事についてお浚い。

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管理業務は基本的に自動化されます。納税がほぼ自動化している様相からも分かると思います。

ただし、税理士や弁護士が無駄かというとそうは思いません。カウンセラー的な立ち回りで人間の個別の事情を配慮した選択というのは、量子コンピュータがi Phone並に小型化するまでは難しいと思います。

なので、思いやりや慮った配慮のある助言という意味では高度な精神的技能が求められる職域に置き換えられることで維持されると思います。

ただし、納税申告が自動化しているので流石に2020年より以前の原理原則のように申告調整業務を独占業務と認識するのは現実的ではありません。

弁護士も確かに裁判のAI化が叫ばれていますが、被告原告は人間ですからやはり単に善悪の判断だけでは難しい未知の部分もありますし、同じように高度な精神的技能が求められる職域に推移して維持と考えられそうです。

ただ、例えば私が持っている宅建士なんかはReal Estate Notaryという名前の通りデータの参照、立会人が限界です。そこに独占的地位を与えるのは無理があると感じます。

簿記や行政書士なども同じです。

ただし、違った観点も考えられます。それは21世紀以降の社会においては高度な精神活動が求められるという大テーマがあるので、人間性の向上という題目に於いては有効です。いくら機械がなんでもできたとしても、それはせいぜい「合憲性判断」レベルです。つまり、実質の意味はありません。(合憲性判断は憲法のエラーに対応できないから事務処理でしかないので今後はAI化されるのは火を観るよりも明らかだからです)

そもそもコンピュータが得意でない方に知っておいていただきたいのは、コンピュータが得意とするのは膨大なデータを場所を取らずに保管し、維持し、加工し、高速でかつ同時に計算することができる、ということです。言ってしまえばアレクサンドリア図書館の文書を1秒で全部読み取ることができる、みたいなものです。

膨大・一瞬・同時・処理 は人間よりコンピュータの方が遥かに優れていますから、そこを人間に求めてもほとんど意味がありません。(正確さを省いたのは人間の認識のエラーによって計算の参照先を間違えることがあるからです)

そのため、管理業務や作業は日に日に機械やコンピュータに置き換えられると言い切れるわけです。

一方で上図でも書いたように、AIを操作するのはあくまで人間ですし、仮にセミオートになったとしても、AIに何をさせるかの目的を設定するのはあくまで人間です。

したがって、2022年から50年ほど続くであろう量子黎明時代の最終章までの間は「AIを活用して新たな知恵やアイディアを形にする人間」がヒエラルキーの最上階クラスに残ることになるので、医療や医薬品コンサルティングでコンピュータ科学の専門家はこれまで以上に地位を強めるでしょう。


サラリーマン<自営業者<<投資家・資本家な理由

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かつて生産工程における管理維持業務、たとえばトラックの運転手や倉庫作業、鋳鉄からタクシーの運転手まで、20世紀型のビジネスでは基本的な生産管理を人間が行っていました。

まず、これらは全て、これからの10年足らずでAIに置き換わっていきます。(前は20年くらいと思われていたものの、コロナが起こりこの動きが急加速した)

前回までの話でも挙げたように、そうすると資本集約型に拍車がかかるため利益が増大し、オーナーや経営者の地位が徐々に相対的に上がるというところまでは説明しました。

たまたましょこらさんがTwitterで紹介していらっしゃったのですが、ELYZA DIGESTといって長文を3行に要旨要約してくれるサービスがあります。恐らくスクレイピングの応用だと思いますが、私が今回言い切ってしまっているコロナ以降の人間社会では決まりきった動作(オペレーション)が段階的にほとんど自動化する、という仮説の裏付けにもなります。

(※ちなみにこれ、東大入試で要旨要約があったのでジョークも兼ねていると思いますが本当に知的なアイディアでほれぼれしてしまいますね)

そこで、この仮説の最後に少し詳しくお話しておきたいのは、それ以降、概ね2026年以降の社会で、これまでサラリーマンだった人たちがどうやって暮らしていけばよいのか、について書き加えてこの時事仮説を終えたいと思います。

まず、上の図のように、サラリーマン、特に中堅マネジャーまでの社会進出度だった人たちは雇用口がこれからも減ります。特にコロナ解除以降は研究開発の制限が減り、コロナ期間中よりも数倍速で開発が進められるためです。だから、「コロナが終われば経済が良くなり、労働モデルが回復する」というのは現実的に考えると少々ありえない。というか、控え目に言っても少なくとも非合理的な発想です。

ではどうすれば?というと、選択肢はいくつかあります。


芸術(Creation)に生きるか、自給自足のどちらか。

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上図は2番目の図に少し見方を変えて、キャリア戦略に注目してリスト化したものです。

ここで注目したいのは、先ほどの図でも挙げていた「起業家or自営業者」という中間層問題です。

これは経営者ともいえないが、サラリーマンともいえない、少し前なら商店街の1階で職住近接で働いていた魚屋さんのような立ち位置です。

今となってはそのような業態はほとんど見られなくなりましたが、私はぎりぎりそういう世代なのでイメージができます。そして、読者層も30代~40代を想定して書いているのでその前提で話を進めます。

所謂自営業者(フリーランス含む)と経営者の違いは、経営者は事業を経営しているのに対して、自営業者は自らも従事者として働いているという点です。つまり、集合関係で言うところのオーナー経営者の集合の中で、ワンマンかつ法人化しておらず決裁者と従事者を兼務しているような人物です。

こういうタイプの方(私もかつてそうでした)か、若しくはコロナを期に退職されてフリーランスを始められた方もタイプとしては同列に含まれます。

ちなみにそういった自営業の方とサラリーマンの違い①は、理論的には所得に限界がないことです。私の知り合いにも自営業のままで年商1億越えの方もいらっしゃったので間違いありません。笑

まぁ、ラーメン屋3店舗経営していれば年商ベースなら1億は行くでしょうし、おかしな話ではないです(みなし役員報酬含めると額面年収3千万円くらいが限界かな・・・)

法人成した方が勿論税金は安いですが・・・あまり気にしていない人もいます。

ここでシンギュラリティの話と絡めていくと、こういうことになります。

通常一般的に自営業者は年商が1億を越えてくると経営者になるかオーナーとして経営者を立てるか選択に迫られます。(それまでは税金は高いと言っても業態に依っては何とも言えない部分もあるので1億円をグラフの接点としておきます。)

プレシンギュラリティ以降では経営者やオーナーの地位が強くなるという仮説をお話しました。したがって、プレシンギュラリティ以降の2022年から、シンギュラリティの2026年以降でも職業人を続けるという事は、今この時点で自営業者である必要があるのです。

まず、事業をやったことがある方ならわかると思いますが、どういう形態にしろいくら日本でも副業が解禁といっても、物理的に自営業で儲けを出すのは無理があります。自営業をするくらいなら個人年金などを積み立てた方がよほど投資効率が高いからですのでここは説明しなくても大丈夫だと思います。

しかし、これまでも掲出したようにシンギュラリティの2026年以降でサラリーマンとして残るのは今の労働人口の約1/3~1/5程度の規模です。

例えば仮に現在の有効な労働人口が最大で4,000万人いたとして、2026年には雇用枠がざっと1,000~1,200万人近くまで減っているはずです。

この計算値は日本では特に、現時点でも自動化されることが既に決定しているタクシーなどのモビリティ分野や運搬輸送系を主としている雇用が規模範囲として最大級なのでその可能性は誰しも多少認識できると思います。

以下他に代表的なものも挙げてみます。


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日本の場合、雇用口で多いのは製造(弁当工場のような作業員を含む)、運搬、医療、営業、営業事務、工事関連、教育、医療福祉、小売り業です。

この内、シンギュラリティ以降でも雇用数が維持され或いは増えていくのはこれまでの仮説上『医療福祉』、『教育』の2業種のみです。

そして、今までにないほどに増えるのが今はない『第三次情報産業』です。特に、クラウドサービスやコンサルタントなどの無形産業が突出して増える、というか人口が増えるというよりも所得が増大すると考えた方が良いと思われます。

加えて、情報産業の成長に合わせて伸びるのが『宇宙産業』『エネルギー関連』ですが、どちらも日本国籍企業に権利がないため、基本的には外資系が利権を維持することになります。

機械の受注が増えると言ってもこれも基本的に日本政府のバックアップがなく、国際競争力を失っているため海外資本が発注したものに対して、日本企業が受注する、という流れが予想されますが、いずれにせよ成長はすると思います。ただ、人材が海外に流出している以上、受注する器を維持できるかは定かではありません。

尚ここには掲出できませんでしたが、精神的価値を提供するような産業、たとえば看護や医療、接客などはそこまで劇的に減少するとは考えにくいのですが、前回の話題でも触れたように人材が育たないため接客は難しいかもしれません。私は喫茶店を経営していたので、悲しいですが、労働意欲がないところで人材集約型事業を成長させるのは無理があります。それが経営者が受け止めている「現実」なのです。

もちろん上記に挙げたもの以外はおそらく今後の数年で消失します。

特に直近で目に見えて極めて高速で雇用数が0に近づくのは金融業界で、古来より元祖情報産業だった金融は、当然ながらITとの相性が良すぎて文明化します。

根拠は、文明との親和性が高いものほど無人化するはずだからです。

長くなりましたが、それ以外の人はかなり粗削りに言うと、消去法でいくと今後のキャリアの選択肢は大きく4つの戦略が選べることになります。

① ベーシックインカムを頼りにしつつ自給自足するか、

② 投資運用で生計を立てるか、

③ 自営業

④ それらのハイブリッドなど組み合わせる。

ということになります。

それとここで一応示唆しておきたいのはこれらの共通点は全て「クリエイティブ」だということです。


最も現実的な路線は「ベーシックインカム×フリーランス」

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ちなみに、ドイツやフィンランドではベーシックインカムが試験的に導入されたことで話題になりましたね。しかもフィンランドに至ってはコロナより以前から導入されていましたから、言い換えれば福祉医療が進んでいる国では基礎的な教育レベルが高いためさほど将来不安もないと思います。

それと、このことに付随してポイントとなるのは、福祉に関心の高い国では教育コストがほとんど0のはずです。

つまり、今後職業人を続けるならIT系か高度な精神技術系、AIフレームワークを熟知した知的産業コンサルタント職、教育者、医療福祉、農林水産で自営業をやることになり、教育レベルが問われる分野だけが残ることになり、必然的に福祉に関心の高い国で、教育レベルが高い国は今後も職業人が得てしてそう大きくは減らない。

職業人が減る国というのは総じて教育コストが高い国です。

この他のケースでは職業人としてのキャリアを半ば強制的に諦めることになりますから、消去法で行くと4,000万円以上の資本がある場合は投資運用を、そうでなければベーシックインカムのある国に住む、という道があることになります。


そして最後に、生計を気にしないのであれば作家業という道があります。これは上記とハイブリッドになるとは思いますが、自給自足をしながら作家として何か手作りのものを販売していくという手です。言語に制約がないのであればオンライン上での小売りが地球最大の経済市場なので、オンラインで販売し、アウトバウンドなどで外貨を稼ぐ(決済にPaypalなどの外貨決済口座やCITIのようなグローバルバンクを利用する)という方法があります。

これなら、ベーシックインカムがなくても場合によっては前と同じ水準の経済が保てますが、あまりそういった不安を抱えたままでは創作活動に差支えるでしょうから、できれば郊外やBerlinなどで作家活動を続ける、といった選択肢も考えておいた方がよいでしょう。

ちなみに、コンピュータが代役を務めるであろう金融などのルーティンワークは貨幣価値に交換できないため、自分の健康のためにやることになります。

私も会計業務が好きだったのですが仕事の成果を求めるなら自動化する方が合理的なので仕事ではほとんど自動。だけど、自分個人の健康のためにレシート整理やアプリ以外での手入力、手計算を未だにやっています。しかし、流石にその作業では経済価値は生産できないので、仕事以外に限定しています。



おまけですが、ミレニアム世代と、シンギュラリティ世代の文明の違いや特徴をリスト化したものを挙げて、閉じたいと思います。

参考資料

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以下、私からの個人的なメッセージです。

これからの社会で応援すべきは、自営業の人。

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雇用主である経営者の気持ちとしては、面倒を見たいという反面、わがままな従業員は生産性を低下させる要因となり、業績不振に陥る可能性があるので早期解雇したいというのが本音です。

なぜなら給与が低くてもリスクがなく、責任を負わなくて良いようにして肩代わりしているからです。なんなら自分が負わなくて良い責任まで被せられますから、不満を漏らす従業員はたまったもんじゃありません。だから基本的に意欲が低い従業員から解雇されるのは言うまでもありません。

私が応援したいのは自ら辞退し自営業になった方たちです。

これは話が違います。

これまで自分や、家族を守ってもらっていたことに感謝しつつも、自らの足で立って自分の価値を世間に晒そうという勇気を讃えたい。なぜなら絶対に自信なんかないはずだからです。

恥晒そうが失敗しようが今まではダメージがあっても愚痴をこぼせば済んでいましたが、自営業者となると愚痴のこぼしようがありません。なぜなら愚痴をこぼしている前に、先ずは損害賠償をするのは日常茶飯事だからです。

自らが取引の主体となり、成績が悪くても上司の所為にできない。世の中を恨んでも結局は自分の力不足によるものだとわかるからです。

しかし、迷う必要もありません、これまでに掲載したように、シンギュラリティの起こるであろう2026年以降の世界ではほとんど従業員が存在しない世の中になっているはずです。

したがって、先手必勝を選んだ貴方は既に勝ち組なのです。

どんな技術も上達には時間がかかる上、沢山転んでけがをします。

しかし気づいた頃には普通にやって、普通にこなしている自分がいるはずです。黙って自分が負わなくてもいいようなツケを笑いながら払ってる自分もいつかはいるはずです。笑

そして何より、困ったときはお互い様、いつでも相談してください。実務が伴わないなら別にお金は取りませんし。

あとね、悩みは努力している証拠、疲れるのは進歩している証拠ですよ。



おしまい。

K@ffee

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