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もっちりひそむ 2022/11/18(モ)
引っ越し後の万全は未だ遠く、部屋鳴り対策とリスニングポイントを考慮に入れた配置にはどうにも不満が残る。高校の編入もどうにかなったが、人付き合いが苦手な私がこれまでの交友関係と断絶した場で無事にやっていけるかというと無理があるという結論に至った。なんかよくわからない先輩らしき人にごまドレ押し付けられたし。とはいえ我が家は外食がメインなのでこれをあまり使う機会がない。現在は冷蔵庫に死蔵してある。デカいし押しは強いし怖かったけれど意外と良い人かもしれない。
なんだか1日違いで編入したらしいクラスメートもクラスでちょくちょく話しかけてくる。距離感が近いタイプだ。すぐにクラスに馴染めるどころかこの間後輩らしき人物にも絡んでいたのを見たので、たぶん私とは合わないだろう。それに身長が高くて威圧感もある。下手すれば潰されるんじゃないかとさえ思ってしまう。イヤホンをつけてやり過ごそうとしても効果はあまりない。無敵か? いや、話しかけられるとイヤホンを取ってしまう私も悪いが。
住環境が大きく変わってしまった関係で今しばらくこのブログのメインストリームである音響機器の使い込み報告が続くかは余談を許さず、おそらくは日常報告がメインになってしまうと思う。そもそも学生の身分、親や読者のお下がり等でスピーカーをどうにか聴き込んできたが、まだまだ経験が足りない。グレードを上げるにも資金的な問題がある。
部屋自体は防音も良くなり、程よく広くなったので大きいスピーカーを鳴らすことも可能になった。代わりに吸音の調整が面倒なのとマイクロスピーカーの音が死んでしまうのは一長一短だ。そもそもマイクロスピーカーなど手持ちではろくでもないものしかないし、使わないといえば使わないが……。しいていうなら寝る前に何か流す用にはなる。なんならそれもスマホのスピーカーで事足りる。
まぁ、そういうわけで困っている。空間に若干適応しなくなったようにも感ぜられるので、今よりグレードを上げることも考えたが、現在以上のクオリティを望むならば資金も問題だ。今のスピーカーは貰い物だし、それを売り払うのも躊躇がある。それにしばらく財布が寒くなってしまうじゃないか。さすがにいただけない。誕生日にでも強請ってみようと思う。
それよりもこの環境の変化もあり、今はポータブルオーディオでも気軽に詰めようかという気分にもなった。スピーカーは難しい。スピーカー本体が高価なのはもちろん、アンプも高価である。そしてその上でアンプは電子部品が劣化することがままあり、買い替えを余儀なくされるものである。数十年保つようなものではない。
中学一年生から五年ほど、ブログまで立ち上げて音を聴いてきたはいいのだが、やはりスピーカーの深い領域まで踏み込めていないような気がするのだ。これはもう経験の話であって、そしてイコールで資金の問題でもある。
ということで、ここらで箸休めも込みにして、ポータブルオーディオのほうにでも行こうと思ったわけだ。こっちなら値段も安く始められるし、アンプだって気楽に手に入る。中古1万円でプレイヤー兼質の良いアンプが手に入るのだからWalkmanは良いものである。なおイヤホンならフルデジタルアンプもしくはスイッチングのアンプを狙ったほうが良い。アナログではホワイトノイズが入るし音も合わない。分離が悪く音が混濁したりなんだったり……。あげくの果には低音が増えたりもある。BAの相性問題である。アナログほどのパワーでなくとも十分にドライバーは動く。
とはいえデジタルの中でもWalkmanは若干ウォームな音色を持っているのが面白い。デジタルらしい質感を持ちながら若干独特の音色がつくことで、イヤホン次第では濃い音色を楽しむことが可能である。
一先ず今出せる限度である7万円を投資して優秀と言われるイヤホンを集めてきた。勿論これは信頼できる先駆者のお墨付きのもののみを購入している。私も忖度する気はない。悪いものは悪いと言おうと思って聴いたが、やはり先達はよくわかっている。どれも良いものである。スピーカーよりはるかにグレードが下がると思っていたが、相当の音が気軽に聴けるという点でイヤホンはおもしろかった。
なにせ中古のプレイヤーを視野に入れれば三万以内、そうじゃなくても高くて5万円ほどで良い音が聴ける。なんならプレイヤーはiPhoneでも問題というほどではないので、そうなればいよいよ本体代のみで良い。
これは驚くほど安い。ヘッドホンの名作HD650は本体で5万ほど、そこにアンプもいるし、その上でHD650は世界最高峰の音としては安い方である。あのヘッドホンはあまり機器を選ばないので、本体代とそこらのアンプでも入手してあげれば良い。アンプ込みで見ると安い部類だというのだから、ヘッドホンもそこそこにお金がかかる。もちろんそのぶん表現力のグレードは違っているので、気になる人は触れてみても良い。おすすめはHD599とか、SRH840だ。2万円前後で買えるモニター品質であり、どちらもヘッドホンらしい音を出してくる。開放か密閉かで選べば良い。どちらも格の高い開放の音がする。ただしアナログのアンプで鳴らしたほうが良い。あまり質は問わないので、安価で良いものがあればそれがいい。
上述したエントリークラス……ミドルかな? のヘッドホンとハイエンドの音が出せるイヤホンはほぼ同額である。そう考えるとイヤホンは一般高校生が嗜むには丁度良い。勿論、ミドルと言いつつもこの2つのヘッドホンは良質な音がするので良い。当時ハイエンドだった某人気ヘッドホンよりも格上なのではないかと思うくらいである。たぶんどっかの企業が百万で売り出すようなヘッドホンよりも遥かにマトモだろうと思っている。
いつも通り導入が長くなってしまった。というわけで、今日は『イヤホンを考える』が主である。経験が浅い私の言であるのであまりあてにしすぎずにいてくれるとありがたいが、同時に本記事が誰かの助けになれば嬉しい。
◇
低価格帯は厳しい。ヘッドホンなどの混濁変色しまくりグレード低すぎ買う価値なしなものと比べると、値段が低くても使えるものは多いが。しかしながら一度良いものを体験すると、素のグレードが低すぎてどうしようもないという結論になってしまう。おおよそ4千円くらいのイヤホンと2万円の良質なイヤホンならばまぁ間違いなく後者を買ったほうが良い。たった1.6万の差で世界最高峰の音が手に入ると思えばとんでもないなと思ってしまう。中古視野ならばだいたい一万円くらいでも買えてしまう。恐ろしい……。
私が手に入れたのはクリプシュのX10とERの4s、ShureのAONIC3、RHAのMA650/750、FinalのE3000。アンプはWalkmanA55とiPhoneを使用する。あとついでに外用にSONYのWI1000xを中古で仕入れた。完全ワイヤレスは使う気にならなかった……。
まず、この中でおすすめするのはAONIC3とMA650である。このどちらも未だに新品で入手が可能であることが一番の理由になる。音的な好みではX10も良いが、これは偽物が横行しており自分で判別できなければ難しい。私は自力で推定しているのであまり自信はないが、イヤホンの音の傾向的に本物ではないかと思っている。偽物との比較方法なども調べて確認したわけであって確実な本物を聴いたわけではないので、あまり自信はない。
まずAONIC3だが、だいたい2万円ほどで購入できるだろう。これは一般の人からすると高価だと思うかもしれないが、世の中には法外な値段で売りつけるものもあるわけで、世界の名機がこの値段で買えることはむしろ良心的ではないかと思う。分離もよく、若干だが音を整理しているのも好印象だ。整理しすぎないところも良い。モニターとして不必要な音を消しすぎない調整となっていて、世界観を分析したい人にも向いているだろう。そのうえ特に中域に強みを持っており、ボーカルを聴き込みたい人にはMA650よりもこちらがおすすめだ。
めちゃくちゃざっくりまとめるとモニター用にも使えるくらいのイヤホンである。レコーディング使用にも問題ない気がする程度にはボーカルが自然に前に出てくるので良い。若干クールに振ったような音がするが、A55との組み合わせだとほぼニュートラルになる。そしてボーカルの帯域がウォームな音色を帯びてかなり良い。驚きの音色である。音の出し方も優れているため、オールラウンダーに楽曲を鳴らせるところも良い。
MA650のほうはよりクール系に寄ったもので、リスニング向けな調整となっている。AONIC3よりも低域が多く、音の出し方も制御されているように感じる(AONIC3が制御されていないわけではない)。ボーカルの音色もAONIC3のような響きを引き出せる。これもまた素晴らしい。このMA650の良さは全体の見通しの良さであり、とにかく音の出し方が良い。聴いていて楽しいほうはMA650だ。
それに価格もすごい。なんと1万円を切っている。もちろん音のグレードは一切問題ない。うまくやると2万円くらいで良い環境が揃うといえば凄まじいものがある。まだAmazonに新品在庫が残っているので、売り切れる前に是非確保しておきたい。
なお、中高音域と低域は基本的に両立しない。だいたいの音響機器で低域は妥協されているものであり、上述した全てのイヤホンは低域向きではなく中高音向きである。強いていうならMA750がそこそこの質がある(ちゃんと出てくる)ものであるが、これも低域をブーストして無理やり出しているものなので、妥協といって問題ない。MA750はこのブーストにさえ目を瞑れば独特な音色を持ち優秀なので、既にマトモなバランスのものを持っているのならば狙って良いイヤホンだと思っている。Eイヤの中古在庫は全てなくなったが……。いつか復活することを願っていよう。イヤホンの中古ってなんか不潔で嫌な気もするけれど、中古でしか入手できない音があるので私はもう慣れてしまった。良い音を安く手に入れることもできるので気にしない人は狙ってみてほしい。
本ブログおよびにTwitterアカウントのフォロワー諸兄姉でもしイヤホンが気になっている方は、とりあえずこのAONIC3とMA650の入手をおすすめしておく。新品の入手性も高いし偽物も出回っていない……と思われる。その上でちゃんと格の高い音がしている上に良心的な価格で購入できるので、まったくの初心者でリスニング環境を整えたい方はとりあえずこれを狙ってみるのがおすすめである。
なおどちらか片方を選べと言われた場合には相性の出にくさ、個人的な好みとコスパをあわせてMA650をおすすめするが、長く使いたい場合にはAONIC3をおすすめしておく。MMCX端子を採用するので、断線時にもケーブルを交換できる。
流石に外ではBluetoothイヤホンを使うと思うが、もしも外で有線を使う人にとっても安心して使えて楽だと思う。そういう点ではAONIC3を購入したほうが安心ではあるかもしれない。
しかしMA650と比較してAONIC3は大人しい。言ってしまえば地味な音がする。低域は適正バランス、ボーカルの出来は超一流だが、そこが却ってつまらない音のように感じさせる要因だ。イヤホンユーザーは刺激の強い音に慣れているので特にそのような問題が起こりやすい。
更に1BAなのでアンプとの相性問題が出ることがある。アンプで音が大きく変わりやすいのだ。デジタル系のアンプを持っていれば問題はないのだが、例えばAndroidの場合は音の増幅の仕方が不明なことが多く、機種によってバラつく可能性がある。iPhoneならあまり問題はないと言えるし、おそらくSONYの作るXperia、あとGalaxyなんかも変なことはしていないと思う……AKGがグループ傘下だったはずだし……。音の方面でそっちの担当を引っ張ってきているなら、時流を考えると変なことはしていないはずだ。あくまで推測なので違う可能性もあることは十分承知してほしい。
ただしよくわからない中華やゲームブランドなどはここがわからない可能性だってある。
中華DAPはオペアンプになっていることが多いので普通にダメそうな印象が強い。
そのようなこともあって、私としてはMA650をおすすめしている次第である。こっちならばあまり出力元の質にこだわらないで良い。BAのように激変することはなく、普通に鳴る。それに安い。手に入るうちに入手しておいてほしいと思っている。
あ、もちろん有線のほうである。無線だとまた音が変わるらしいので。発売日を見る限りでは同じネックバンドであるSONYのWI1000xとあまり変わらない音がしそうだと思っている。いや、RHAのことなのでこれよりは良い音なのだろうと思うが……もっと新しいネックバンドならばこれよりも良い音を出してくるだろう。手抜きじゃなければB&WのネックバンドなんかはおそらくMA650の無線より格上だ。なにせ世界のB&W、より設計の難しいスピーカーの世界で認められているハイエンドメーカーだ。エントリー品では結構雑なことをする印象だが、さすがにイヤホン程度なら手を抜いてもそこそこの音を出せるだろう。どうせほぼ同じ値段である。ならばそっちを狙ったほうが良い。
RHAは真面目だが、今の時代ピュアのスピーカーメーカーは会社の存続の問題でどうしてもポータブルの戦場に降りてこざるを得ない。なにせユーザーがいないのだ。オンキョーだって事業を停止した。YAMAHAなんかは配信のニーズに合わせてアマチュアからの支持を受け、その地位を確実なものにしたので問題ないが……。
あと日本のメーカーでぱっと浮かぶのはデノンくらいだろうか? デノンは今年もプリメインアンプを出したりなどでまだ根性を見せているし、そもそもエントリーのプリメインアンプは馬鹿みたいに売れている。そう考えるとこっちはどうにかなるかもしれない。
まぁ日本国内でこんな有様だ。もともと世界では通用しないものだったとしても、日本で大手だったメーカーがこんな状態な以上、ハイエンドの会社でさえ経営が厳しくなっていてもおかしくない。
そういうわけなので、会社の存続を考えたら、思ったよりも真面目に取り組んでいる可能性は大いにある。そんなわけで、こっそりとB&Wのネックバンドには期待をしていたりする。余裕ができたりノイキャン機でも新しいのが出たら買うかもしれない。
まだまだイヤホンはファーストインプレッションのようなものだ。もうちょっと音を詰めていこうかと思っている。しかし思ったよりも面白かった。もしも編入先の高校で親しい相手ができたらMA650でも押し付けていこうかと思っている。いやできるかな……。
とにもかくにも、今は環境に慣れるのが最優先だ。やはり不定期な更新ながら、ちまちまと音についての見識を高めるために研鑽を積もうと思う。しかしながら、こんな若輩者のブログを閲覧してくださる読者の皆さんには本当に頭が上がらない。私も先駆者の残した文章や父の助言などを受けつつ、どうにかオーディオ探究ができている身である。なんだかんだ楽しくやっているので、今後もちまちまと見ていってもらえたらありがたい。
自分の研鑽の成果を確認する術として、いつかはイヤホンの改造などでチューニングをしてみたいと思ったりもする。作るのと聴くのはまた別だろうが、まだ高校生なのだ。時間はいっぱいある。こういう好奇は逐一満たしていったほうがいいと思う。
そんなわけで本日はもう終わろうと思う。しかしごまドレはご飯にかけるものではないのでは……。
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Twitter:@moti_iroiro