220411 第7回(カ)
最近急に暑くなってきたな……
そういえばマスター、未来の人々が涼をとるために好んで食べた菓子の記録がありましたよね?
あぁ、あれか。ちょうど材料もあるし、作ってみるか––
月曜日担当の偽恒河沙山茶花です。
偽恒河沙山茶花(ぎごうがしゃ・さざんか)を名乗ろうかな
嘘です。
月曜日担当のかめです。
本日のトピックはこちらです。
可愛くて食べられない系の和菓子ってよくバズるけど、逆にめちゃくちゃジャンキーな和菓子とかないのかな
ということで、今回は「めちゃくちゃジャンキーで俗っぽい和菓子」の可能性を模索していきます。
例によってこの先は、ろくに下調べもしていない妄言となります。
まず、現状の和菓子のイメージを整理しておきます。和菓子と聞くと、羊羹や練り切りのように、何だか上品で貴族的なイメージがありますよね(押し付け)。しかしいっ方で、どら焼きや団子のように、ニュートラルなおやつ的立ち位置の和菓子も確かに存在しています。
和菓子を俗っぽくするにあたり、まずはこの"高貴なイメージの正体"を突き止めたいと思います。ここでは高貴なイメージの和菓子代表を羊羹、庶民的なイメージの和菓子代表をどら焼きとして、両者の比較によって考えることにしましょう。
まず目につく大きな違いは、その形状でしょう。羊羹はきっちりとした四角なのに対し、どら焼きはふにゃっとした丸型であり、正反対と言える形をしています。
では四角であればあるほど高貴なのでしょうか?実はそうとも言い切れません。なぜなら、高貴なイメージを持つ練り切りは全然四角だとは限らないからです。
ならば、きっちりした形であればあるほど高貴なのでしょうか?これは有力ですね。羊羹も練り切りも、はっきりと"特定の形"を目指して作られるのに対して、どら焼きや団子はふにゃふにゃとして形にブレがあります。やはり、きちっとした形であればあるほど高貴なイメージに近づくのは正しいようです。
次に、素材の面ではどうでしょうか?羊羹もどら焼きも、共に餡子が特徴的な和菓子ですが、決定的な違いがあります。羊羹は餡子部分単体で成り立っているのに対して、どら焼きには餡子を覆っているなんかふわふわしたやつがついていますよね?あの部分がイメージを分断けていると予想しました。
確かに、練り切りと団子の比較においても、"単体で成立している練り切り"と"本体の他になんか硬い棒みたいなのがついてくる団子"という違いが表れています。つまり、単体で成立すればするほど高貴なイメージに近づくというわけです。
最後に、味についても考えてみると、羊羹って意外と味のバリエーションがないなということに気がつきます。いっ方、どら焼きは粒あんのものがあったりこしあんのものがあったり、バターが入っていたりと、味のバリエーションにかなり自由度があるんですよね。
練り切りと団子についても同じことが言えて、練り切りの味ってあんまりバリエーションが想像できませんが、団子は典型的な味無限大菓子です。
したがって、味のバリエーションが少ないほど高貴なイメージに近づくと考えられます。
以上3点、"形の強さ"・"付属品の少なさ"・"味自由度の低さ"が高貴さに繋がっていることを踏まえて、いよいよ"最もジャンキーで俗っぽい和菓子"を考えていきましょう。
この3点を押さえれば高貴な和菓子になるということは、逆に言えば"形が究極にふにゃふにゃで"、"付属品がめちゃくちゃついてきて"、"味のバリエーションが無限大に広がっている"菓子こそが最俗和菓子王です。
まずは味のバリエーションを増やす方法を考えていきましょう。そもそも味のバリエーションが多い菓子とは大きく分けて2つ存在すると思っていて、1つは「菓子アイデンティティが材料や形に依存しており、そもそも味が関係ない」タイプ(例:ポテトチップス→「スライスして揚げた芋」が菓子アイデンティティであり、味が変わってもポテトチップスであり続ける)と、もう1つは「本体の味が薄く、トッピングが前提となっている」タイプ(例:団子→団子だけでは基本的に味が薄く、みたらし団子にしたり、きな粉をつけたりして食べる)です。今回は後者を採用し、"究極に味のない素体に好き勝手な味付けをして楽しむ菓子"として考えていきます。究極に味のない素体……水とかですかね?
次に、形を弱くすることについて考えていきます。これは単純で、究極に水っぽい感じの材料を使えばいいですね。例えば氷を削って粉状にしたら、雪みたいでいい感じの不定形さかもしれません。
最後に付属品について考えていきますが、先ほど"味のない素体に味付けをして楽しむ菓子"としたので、その味付け用のものが入った容器を付属品としてつければいいのではないかと思ったので、そのようにしたいと思います。
また、形が究極にふにゃふにゃであるため、いい感じの器が必要なのと、手で掴んで食べることも難しそうなのでスプーンを付属させるといいでしょう。
まとめると、最俗和菓子王は「無味の水でできた氷を削って器に盛り付け、好き勝手な味付けをし、スプーンで食べる菓子」ということになりました。
いかがでしたか?みなさんも、独自の最俗和菓子王を模索してみてくださいね。それでは!
––あ、美味しいですねこれ。マスターはどうですか?……マスター?
あぁいや、確かに美味しいんだが……いっきに食べると頭痛がするようだ。
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