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22/04/04 パンケーキの上を滑る意識 (裏カ)

 俺が行くと新宿はいつも雨だった。

 地方に住んでいる俺はEC(ソーシャルネット上の友人と現実で会うイベント)のたびに新宿へ南下する。国営鉄道をいくつか乗り継ぎ、特有の浮遊感にも慣れた路面電車に乗って新宿駅南口に到着する。

 今日は友人Aと華の新宿でピンクパンケーキでも食べ、ノートPCを開きながら意識高くお茶にしようと思っていたが、この日は生憎の環東地方全域の雨。俺が行くと新宿はいつも雨だった。まぁ雨でも関係なくずぶ濡れの二人は喫茶店に飛び込んだ。

家で焼いたパンケーキ。手製もいいが、やはり店で食べる方が立派なものが食べられる。

 俺が住む北の大地最玉は、いま思い返せば雨の記憶があまりない。そんなことをピンクコーヒーを啜る友人Aに話すと、近くで回る換気扇に負けじと大きな声で、副反応を出しながら答えた。

「それは都心に近ければ近いほど雨雲が大きいからだよ」

「近ければ近いほど?」

 俺はつい鶏凰返しに聞いてしまった。友人はパンケーキの上に卓上のマーガリアンを乗せて溶かしている。パンケーキの中央に置かれたマーガリアンが溶けながら四方に滑っていく。

「こんな風に、都心に浮かんだ雲は溶けながら地方に流れていく。ここが雲の始まりなんだ」

 ここが雲の始まりの場所なのか。納得しながらコーヒーから上がる煙を鼻から吸う。あれ? でもどうして。俺はまた聞き返す。

「でもなんで都心に大きな雲が?」

友人は口からコーヒーの煙を吐きながら俺の頭の上を指さした。

「それだよ。それがたくさん集まって雨雲になるの」

 ちょうど俺の頭の上からは揮発した意識が蒸気になって換気扇から店の外へ流れていった。

「ああ、そうか。都内は意識の高い人が多いから意識を失う人の量も多いんだな」

 
 俺が行くと新宿はいつも雨だった。

 新宿の雨は、人々の意識が高いところから落ちていく時に冷めて発生する雨だった。



 2月某日、母が車で事故を起こした。

22時頃、自家用車の軽で都内から遊びに来るぼくの姉を迎えに行く途中だった。

 夜とはいえ、見通しのいい2車線の国道。信号機がこまかく3連続並ぶ一本道で事故は起きた。

信号は三連続で青。三つの信号機の光を見据えた母は法定速度で直進。

 3つ目の信号で対向車が右折するのが見えた。十分な距離があるため右折に踏み切ったのだろう。母も十分な距離はあり安全と判断し速度は落とさず直進。右折者は問題なく交差点内を抜けた。

 しかし母が3つ目の信号のある交差点内に進入したタイミングで先ほど曲がった右折者の後ろで右折待ちをしていた黒のアルファードが突然右折を開始、母は急ブレーキを踏んだが止まりきれず、2車線をまたぐように交差点に侵入したアルファードの左後方に激突した。

 衝突により関節とシートベルトの圧迫により軽い怪我をしたが命に別条はなし。こちらは軽自動車、アルファードと正面衝突していたら母は危険だったかもしれない。

 不幸中の幸いだったのは、偶然事故現場近くで酒を飲んでいた母の弟夫婦(ぼくからすれば叔父。叔父は酒が一滴も飲めず、奥さんが酒豪でその付き合いだったみたい)が母からの連絡ですぐ立ち合いに行ってくれた。さらに偶然が重なり事故現場が警察署の前。色々な段取りがとんとん拍子に進んで母は病院に運ばれた。

事故後の母の軽自動車

 今回の事故は母側が被害者であるが、交差点内であるために10:0にはならずよくて9:1らしい1割は母側の過失になるとのこと。

 数日前母はちょうど軽から車を買い替えようかな、とぼくに相談していたところだった。

長年付き添った軽を下取りに出して、ぼくと才女、ぼくの姉夫婦とドライブできる5人おり以上のSUVを買おうと話していた。その最中の事故だった。

 結果的に保険が降りて念願のSUVを買う算段がついたのも不幸中の幸いだ。

 だが、もし命を落としていたらSUVもクソもない。

 身近に自動車事故を起こした人間がいて、やっと現実味を帯びた感覚を持つのは運転免許を持っている身としても意識が足りてなかったと勝手に反省した。





 カエシ・モガアブフ。毎日読めるタイミングで読んでいた。読んでない記事もある。TL流れちゃうと忘れちゃう。

 リアルワークで日記を書く交流があってその日記の内容に困っていたらすだちさんから裏カエシなる誘いを受けた。裏を「返し」たら表なので表裏のない交換日記なんでしょう。

 週一の更新なので交換日記というより一週間のまとめぐらいのニュアンスでいいんだろうか。とりあえず分からないまま病の床から文を認めることとする。

 

 先日友人(25歳男性)と渋谷に出向く用事があり半日散策した。

25歳男性「俺カラオケとかゲーセンとか行く文化圏の人間じゃないからさ」

  ぼく「そうなんだ」

25歳男性「男二人で渋谷で遊ぶ方法が思いつかない」

  ぼく「なんで呼んだんだよ」 

 せっかくの渋谷。ぼくは携帯する薬を入れるケースが欲しくてハンズによったのだが(ぼくはバカなので3種類くらいある薬を箱だったり袋だったりを丸ごとカバンに入れて持ち歩いていた)トラベルコーナーにあんまり可愛いケースがなくて、最終的にキッズ向けの理化学コーナーで三角フラスコ(2,444円)のとなりに置いてあったブリキの丸いケース(244円)にした。どうぶつの森e+でブリキのふくに恋をしてからついブリキのケースがあったりすると欲しくなってしまう少年心。えっ、三角フラスコ2,444円だったの、ちょっとほしいな。

 少年時代のかりなよしのぶは「なにかをしまう箱」という概念が大好きだったらしく「世界中のハコを集める!」と夢を語っていたらしい。段ボールから冷蔵庫までハコの幅が広すぎて、出かけ先で店舗に入るとあらゆるハコの前で立ち尽くしてしまうクソガキだった。厄介オタクすぎる。

 連れの25歳男性とハンズの面白グッズでじゃれあう昼下がり。筋トレグッズを試して悲鳴をあげる25歳男性を見ながらゲラゲラ笑い、続いてぼくも試して悲鳴をあげるところを笑い返される。ぼくが女の子だったらコロナも全て忘れたあるべき渋谷の一幕であるがぼくも25歳男性である。働けよ。

 25歳男性と道玄坂の屋上階にあるレストランでランチをとっている25歳男性。25歳男性と喫茶店でパンケーキを囲む25歳男性。

 やってるアクションはマジでひどい絵面だけど、久々に生きた人間と会話できて楽しかったのはある。インターネット上の人間と会話するのとはやっぱ感覚違うんですよね。

これは水曜日に作った味噌バター野菜ラーメン。焼豚がうまく焼けなかった。次回に期待。


 木曜日から風邪をひいて寝ていた。副反応で寝込む以来のぽやしみだったので会社を休んで寝た。仕事はした。人間って風邪引くとこんなに苦しいんだ。

 前の週の金曜にカラオケで喉を潰して、数日後に渋谷に行ったので思いつく病名と理由が多すぎてびびってましたが風邪で安心したのはそう。


 仕事サボって挙句熱を出してただけの一週間でしたがこの間に色々インプットをしました。

 まず第一に「星のカービィ ディスカバリー」を100%クリアしたこと。

毎日すだちさんの「カービィ!」を楽しみにしている身ですし一度カービィの温情に救われた身でもありますれば100%するのは当然。(公式見解としては「星のカービィ」と「カービィ!」は別物らしいです)

 去年一年ワクチン以外にエンタメらしいエンタメを摂取していなかったので今年はたくさん摂取するぞと気合を入れて買ったゲーム、1週間でクリアできるボリュームだったけど大満足。俺もともと映像作家志望でエロいカメラワークで渋いシナリオの作品作るの夢だったけどカービィ特有の「星!! 勢い!! パワー!!」されるのにめっぽう弱くてダメ。年取ると言語を話さない生き物が友情努力勝利してるのに涙もろくなっちゃう。最近アマゾンプライムビデオで無料になってた「ピカチュウとドキドキかくれんぼ」を15年ぶりくらいにみて泣いちゃったもんね。OPの入りが最高に泣いちゃう。

 他にもゲーム「シャドウバース」のストーリー天象旅籠編みて感情ぐちゃぐちゃにされたりした。シャドバ、ゲーム性はあいかわらずメンコ(高尚に色々な要素でメンコであることを秘匿しようとしているメンコ)だけどシナリオはめっちゃおもろい。みんな、シャドバやらなくてもいいからシナリオだけ読んでくれ。デッキを組まなくてもシナリオは読める謎仕様だ。カードゲームとしてどうなんだ。

 結局日記の内容もよう分からないものになってしまった。

 多分ぼくはほかのカエシライターに比べてオモロ・パワーが低いので面白い日記はかけませんが、なんか思いつく間は混ぜてもらおうと思っています。

ひきつづきよろしくおねがいします。かりなよしのぶ。

 自己紹介
 かりなよしのぶ
 特技
 レシピ通りに作っているだけなのに料理をうまぶる
 好きな言葉
 「無駄な抵抗はよせ」

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