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私のファッション紀行#2
『着回し1WEEK』
Instagramを覗くと着回しコーデを紹介しているアカウントをよく見ます。みんなおしゃれで、SNSが無かった時代に比べると、自分のことをよく理解しておしゃれを楽しんでいる人が多くなったと実感します。
ファッションライターとして活動している私も、さぞ洋服を持っていると思われることが多いのですが、実はほとんど持っていません。いや、持っているのか。
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社会人なりたての頃、本屋さんで見つけてハマった本、ジェニファー・L・スコット著の『フランス人は10着しか持たない』。
10着しか持たないことについて書かれているだけでなく、「量があれば幸せになれるわけではない。質や自分なりの物差しが重要」ということを教えてくれた本でした。
ただ、この本が大好きだった当時の私が持っていた服は、とてもじゃないけど10着では収まりません。アパレル会社に勤めていたこともありますが、有に100着は超えていたと思います。
「これはいつか使えるよね...?」
「これはおしゃれそうだから取っておこう」
そうやって置いたままにした服ばかりでしたが。
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さて、現在36歳、子育て中の私ですが、年中を通して、お気に入りの服は結局10着程度です。
意識して枚数を減らしていった記憶もなく、本当にお気に入りの服を買ったり少しでも違和感があるものを処分していったりした結果、10着程度に落ち着いてきました。
ただ、どれを着ても”私”に溶け込んでいく服ばかり。その服を纏えば、私がもっと”私”になっていく感覚を味わうことができます。
一つ一つ、金額も覚えているほどです。そのくらい思いのある服ばかりです。
また、お気に入りとは別に”子育て中の制服”は、毎日決まっています。
①汚れてもいい②気にせず自宅洗いができる③買い換えても気にならない金額。
この3点をクリアした服で3パターンほど、コーディネートを決めて、3日間着回しています。
大体はビックTシャツ、チュニック、ノースリーブ。子供たちと遊ぶ時に「引っ張らないで!」「汚さないで!」「汗かきたくない!」など、子供たちとの時間に気が散るような服を選ばないようにしています。
本当は制服のように、同じパターンの服を3着持っているのが理想。その服を来た時には、平日の母親モードへ切り替える私の戦闘服です。
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『フランス人は10着しか持たない』と出会ってから、10年以上経とうとしています。
その間、この本と読み返したのは数回。バイブルにしていたほどではありません。
それでも。
結果10着程度のお気に入りの服に囲まれて、その服をきれいに着るために日々トレーニングに努めています。
子育てと仕事に追われる中で、時間の限り人生を楽しもうと思い、食事の内容やバランスにこだわり始めました。
時間的にも精神的にも自分を身軽にするため、重要なものだけを背負い、捨てていく日々です。
バイブルにしていたわけでもないですが、気がつけばこの本に書かれているような生活を目指しています。
”質がいい生活”とは、若い頃には理解できない生活かもしれません。歳を重ねて、持つものが増え続けていく中で、限られた時間の中でどうやって毎日を充実した日々を過ごしていくか考え始めたときに、たどり着くスタート地点なのだと思います。
フランス人ではない私も10着の服で人生を楽しくいます。『着回し1WEEK』なんて華やかなことはできないけど。
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