言葉にすると

やらなければいけないことが重なり、このところすっかり巣立った息子のことを忘れていた。
忘れていたということを悟られないように、我慢してた風にLINEを送ってみた。
このLINEはこちらの存在をアピールするのが第一義なのだが、それではあまり母親らしくないと思い、「元気にしてるか?そちらの様子はどう?」などと書き出す私。そんなふうに書き出したにも関わらず、我を殺しきれず、日々の生活でたまっている話したいニュース、面白いこと、共感してもらいたい事、数年間受け続け落ち続けている資格試験を受験してきたことなどをならべたてて一方的に送信。
最後に「お母さん寂しいの」とつけ加えた。
全然寂しくなかったのに、寂しいという言葉を打つと寂しくなった。ポロポロと久しぶりに泣いた。
言葉の威力がなのかな。
ふー。
すぐではない数時間後、「厳しいな」の一言が返ってきた。
どれが厳しいの?
「軽犯罪を犯した校長先生?」
「今年も試験に落ちる私?」
「ひょっとして私の涙?(見えてんの?)」
「?」をつけたリプライにまたすぐではない数時間後答えが帰ってきた。
息子の言葉は10文字以内。
俳句より短く、返信は数時間後。

覚悟を決めよ。
母親たち。


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