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好きなもの

あらためてそう聞かれると難しい。
最近おませになってきた娘によく聞かれるのだが、好きなもの、と聞かれると、うーんと頭を抱えて悩んでしまう。
じゃあさ、好きな食べ物なに?と聞き直されてしまったので、いよいよ追い詰められてしまった訳だが、好きなもの、変わらず好きなものといえば…

烏龍茶だ。

あれは、比較的体調の悪い時でも飲みやすい。
つわり時や胃が死んでいる際は、真水が飲めなくて時々苦労するのだが、烏龍茶はいけることが多い。
烏龍茶はいい。比較的どこでも売っているし、割どんな食べ物にも合う。烏龍茶は無難でほろ苦い、良いやつなのだ。

烏龍茶の中でもサントリーのオーソドックスな奴が1番好きだ。とりあえずあれを買っておけばハズレがない。うまい。
かつては缶で、高度成長期のおっさんのようなパッケージを着せられて売られていた烏龍茶をみて、何故こんな地味な格好を、と幼心に思ったものだが、長年あのイメージを守り続けた結果、どんな売り場に置かれていたとしても

サントリーの烏龍茶だ!

と分かるようになっているのである。
すごいぞ、サントリー烏龍茶。

時代はペットボトル全盛期になって、あまり缶は買わなくなった。そして気がついたらペットボトルの形そのものが豊富になっていた。
あのクリスタルグラスのような美しいデザインのサントリー烏龍茶のペットボトルを、私は忘れることができない。(現在の、525mlのボトルがむちゃくちゃ好きです。)
CMでは、烏龍茶がクルクルと回転していて綺麗だった記憶がある。

CMといえば、東洋人の、美しい姉妹のやりとりを描いたサントリー烏龍茶のCMも素晴らしかった。
適度に湿気を帯びた空気感、すらりと手足の伸びた東洋人の美しさ。
欧米の人から見れば、エキゾチックと言うのだろう。けれど同じ東洋人の私からしてみれば、エキゾチックというより、そののびのびとした美しさに心打たれたのだった。ありのままの飾りっ気のない美しさ。
そして美味しそうに食事をしていたっけ。

薄くまとわりつく湿気から、不意に風が流れてあの姉妹にたどり着く。
無論フィクションなのだけど、きっとどこかに隠れている気がする、桃源郷のようなあの姉妹。

本当に素晴らしいCMだったのだけど、気がついたらあのCMシリーズは終わっていた。
今でもYouTubeで見られるので、ぜひ見ていただきたい。妙な懐かしさと優しさに触れること請け合い。

あぁ、サントリー烏龍茶に1番合う食べ物ってなんだろう。やっぱりパイナップルケーキかなと考える。
そりゃあ焼肉に、目にも美味しい色鮮やかな中華料理(油分が野菜たちをつややかにしてきれいなのだ)も良いけど、私の好きなもので且つ本場っぽさが1番ある(気がする)組み合わせは、コレか。
私は台湾土産で有名な、パイナップルケーキがかなり好きなので、最近地元スーパーで売られているのを見つけてしまい、つい買ってしまった。

やっぱり美味しいですね。アレ。
そんなに大きくないにも関わらず食べ応えが凄まじく、好きだ。
すっかり小食になってしまった私には、小さくて食べ応えのある食べ物は、結構向いていると思う。欲張って1日2個食べたりすると、翌日胸焼けしてたもんなぁ。(途中で3食ご飯食べてますよ念のため)

パイナップルケーキを烏龍茶で。
我が家で食べたそれは、もちろん美味しかった。
でもいつかは台湾に行き、本場のパイナップルケーキと美味しい茶葉の烏龍茶を淹れて食してみたい。けれど気がついたら、そんな事も容易にできない世の中になってしまった。

今は思いやり精神を持ち寄って、優しく静かに暮らしたい。
今までと同じように、ずっと。

※サントリー烏龍茶のかつてのパッケージは、私の中ではこんなイメージです。ヤニかかったグレーとオッサン感がまさにコレでした。
高度成長期、だったんだな〜。

↑サントリーのウーロン茶ホームページはこちらです。

↑偶然にも週刊アスキーさんから、サントリー烏龍茶の記事が出ており、そこに1981年当時の缶のデザインがありましたので、リンクを貼らせていただきました。

追記:私が大好きな525mlのボトルは、何故か全然見つからなかったので、別のものにしました。黒烏龍なら売ってたんだけどな。なんでだ。

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