時間帯を意識したグローバルマクロ戦略
こんにちは。
今回の記事ではマーケットに対峙するうえで知っておきたい事柄や、マルチタイムフレーム分析についてお伝えしていきます。
まったくの初心者の方には少し難しい内容となっておりますので、初心者向けの記事から読み始めていただくことをオススメします。
【マーケットの時間帯】
FXマーケットの基本的な時間区分についてまとめていきます。
FXマーケットは基本的に平日の24時間開いておりますが、その中で、アジア時間・欧州時間・アメリカ時間という大きな3つの区切りがあります。
【3つの時間帯】
・東京
・ロンドン(東京との時差:−8時間)
・ニューヨーク(東京との時差:−13時間)
中でも市場がオープンする時間と主要な経済指標が発表される時間は日本時間(JST)において
・東京:市場オープン9時〜、経済指標発表8時〜
・ロンドン:市場オープン15時〜、経済指標発表17時〜
・ニューヨーク:市場オープン20時〜、経済指標発表21時〜
特に重要なのが、
JST15〜17時:東京市場とロンドン市場が重なる時間帯
JST20〜01時:ロンドン市場とニューヨーク市場が重なる時間帯
この時間帯は取引量が多くなる時間帯です。
特にロンドンとニューヨークが重なっている時間は相場が動きやすい傾向があります。トレードしやすいチャートパターンが現れやすいので注視しておくと良いと思います。
為替市場は24時間開いていますが、市場が重なるこれらの時間帯は値動きの転換のきっかけやプライスアクションが勢いを増すきっかけになりやすいタイミングですので、これらを意識しておきましょう。
また、株価も為替を動かす要因になります。
日経:JST9時〜
FTSE:JST17時〜
NYSE:JST23時30分〜
ロンドンとニューヨークは、サマータイムの場合1時間前倒しになるので注意しておきましょう。
先ほど、特定の時間が値動きの転換のきっかけになるとお伝えしましたが、
為替はイントラデイを通してレートがずっと同じ方向に進み続けるということは少ない傾向にあります。
例:東京・ロンドンで大きく売られたが、ニューヨークで買い戻される。
例:東京では大きく動かなかったけれども、ロンドン・ニューヨークに入ってから大きくレートが動き出す。
このように"仕掛け"が起きやすいことを必ず頭の中に入れておきましょう。
⇨ということは、転換のタイミングで安値や高値をさらに追いかけるようなことをすると、安値掴み・高値掴みになりやすいので気をつけましょう。
ただ、この特性を逆手にとって、初動のプライスアクションを捉えることができれば大きな利幅を狙うトレードを行うことが可能になります。
ニューヨークタイムは、それまでのトレンドを切り返してくる傾向がありますが、逆に、勢いに乗ったら止まらないという傾向もあるので注意が必要です。
JST01時、これはロンドン市場の終わり(FIX)にあたります。こちらも、サマータイムでは1時間前倒しになります。この時間を過ぎたニューヨーク市場の午後にあたる時間帯においては、ボラティリティがなくなってレートが落ち着く傾向があります。
【カタリスト】
「ファンダメンタルはテクニカルを破壊する」
経済指標や要人発言のファンダメンタル要素によって、大きな値動きが生まれることがあります。
この値動きにおいてテクニカルは崩されがちです。ただ、細かなあるポイントにおいてはテクニカルに反応するため、そのようなポイントを狙っていきます。
経済指標は、東京・ロンドン・ニューヨークそれぞれの時間帯においてほぼ毎日発表されます。その中でも、相場への影響が大きいもの、小さいものそれぞれあり、突発的な要人発言ではない場合、発表スケジュールが決まっているので、それを確認することを日課にしてみてください。
指標結果を受けて相場が大きく動くことがあるので、テクニカルと時間帯、指標結果、株価の動向などを考慮して、プライスの方向性がエントリーの方向性が一致した場合は、根拠として捉えることができます。
しかし、「すべての情報をフラットに捉えてしまっていた」というのは初心者によくある状況で、たくさんの情報を詰め込みすぎると混乱して良いエントリーができなくなります。
重要なことは、値動きに勢いがある場合はどんなカタリスト(材料)があったのかを考えること。それを見極めたうえでテクニカルを使って同じ方向にエントリーしていくことを心がけます。
【マルチタイムフレーム】
マルチタイムフレーム分析とは、様々な時間足で相場の状況を捉えることを指します。
【確認すべき時間足】
1分足・5分足・15分足・30分足・1時間足・4時間足・日足(・週足)
【テクニカルインジケータ】
エントリーのトリガーとして用いるテクニカルは以下のとおりです。
・ボリンジャーバンド(BB)
特にミドルバンドの特性を活かしてエントリーすると効果的です。
その特性というのが、順張りにおける押し目買い(戻り売り)のポイント。
ミドルバンドが右肩上がり・下がりを確認しつつ、押し・戻りのポイントとして活用します。
ミドルバンドが平行のときというのは、−2σ〜+2σまでの間で推移しやすいです。ミドルバンドは大きな時間軸(4時間足や日足)になればなるほど抵抗力が強まり、反発する確率は高くなります。
EMA25に関しても使い方は同様です。
BBとEMAが重なるときというのは、根拠も重なるので信頼度が高まります。
ミドルバンドというのは、上昇トレンドと下落トレンドになるきっかけを見分けるのに非常に有効となります。
・EMA (Exponenrial Moving Average)
これまでは25日移動平均だけを参考にしていましたが、長い時間軸で確認するときは75日や200日も参考に使っていきます。
・一目均衡表
こちらは1時間足・4時間足・日足という長い時間軸において表示させます。
設定は以下のとおりです。
転換線:8、基準線:25
先行スパンは使用しないので、背景色と同じ色に設定して、見立たないようにしておきましょう。
【テクニカルを使う目的】
「ストップ幅を最小限に収めること」
テクニカル分析によってチャートの山谷を見極めて、チャートが止まるゾーンや反発するゾーンの見当をつけて、ストップラインを最小限にしてトレードを行うことができます。
さて、どのような状況になったときにエントリーをすることができるのか。
トレードは、プラモデルやパズルのようなものだと考えてください。
エントリー根拠となるファクターを1ピースずつ集めていき、集めていった結果、ピタッとはまる場所があります。そこがまさにエントリーポイントとなり、正確な損切り位置も定まります。エントリーポイントになるレートというのは「誰もが意識するポイント」です。誰もが意識するポイントでは、なにかしらの反応を見せることが多いです。
例えば、今まで勢いよく買われていたのに、そのポイントを境にプライスが止まって売られたり、再度買われたり意識されているのがわかります。
そのポイントこそがエントリーすべきポイントであるといえます。
トレードはパズルと表現しましたが、そのピースとなり得るものは何なのか。それがこれからお伝えするテクニカルうやトレンドライン、SRです。
意識しておくポイントとして、時間軸が大きくなればなるほど意識されやすくなるということです。できれば1時間足以上が望ましいです。1分足ベースの時間軸というのは、チャンスの頻度が高い分、信頼度が低いです。
しかし、日足くらい大きな時間軸になると全く意味合いが変わって重要視されてきます。
【マルチタイムフレームで具体的に意識するポイント】
では、以上をふまえ、マルチタイムフレームで意識するポイントを具体的にまとめてみましょう。
【日足、4時間足、1時間足】
ボリンジャーバンド:ミドルバンド
EMA:25、75、200
一目均衡表:雲、転換線、基準線
【30分足、15分足、5分足、1分足】
ボリンジャーバンド:ミドルバンド
EMA:25
15分足はイントラデイのトレンドを見るのに便利ですが、15分足以上で意識される重要ポイントとして、
・トレンドライン
・水平線
・フィボナッチ:38.2、50.0、61.8(1時間足以上に適用)
・ラウンドナンバー
テクニカルの使い方として重要なのは「一度意識されたポイントは、再度意識されて反応を見せる可能性が高い」です。
【まとめ】
これらの材料を基に戦略を組み立ててみましょう。
ロジックには、トレンドフォローやブレイクアウトを含む順張りと、逆張りの2つがあります。
ここでは順張りにて組み立てます。
ここまでお伝えしてきたものを使って以下のルールを設定します。
【各テクニカル・各ライン・ラウンドナンバーの3つが重なったときにエントリーを行う】
まず1時間足以上でチャートの山谷を見つけて、フィボナッチを引いてみる癖をつけてみてください。状況によっては週足から始めますが、基本的には日足→4時間足→1時間足というふうに大きな時間軸から見ていく流れになります。次に各ラインを引き、ラウンドナンバー・EMA25・BBミドルの確認をします。
これらが、まずチャートと向き合ったときに始めるタスクと言えます。この組み合わせからトレードを組み立てていくようにしてみてください。意識する中でも、より意識されやすくトレードしやすいポイント(ラウンドナンバー・フィボナッチ・各SRライン・BB・EMA25)を狙っていきます。
信頼度の観点から、フィボナッチは1時間足以上、各SRラインやBB・EMAは15分足以上で考えるようにしましょう。
まずは、この4つの使い方を覚えて、次のステップとして一目均衡表や他のテクニカルを意識してみてください。
【補足】
・視野を広くもつ
まずは大きな時間足を確認し、意識されるポイントを見つけることが重要です。見つけたら他の時間軸でも意識されるポイントを見つけて、パーツが揃ったらエントリーします。
・利確の目安
ショートで入ったら「次買うのはどこか」、ロングなら「次売るのはどこか」を利確の目安とします。
・ロンドンFIX
日本時間の深夜0時〜1時くらいに当日の高値安値をつけることをよく見かけると思います。ロンドンFIXは東京の仲値のような時間に相当し、大口の取引が発生しやすいので、その時間に合わせて当日の高値や安値をつけやすい傾向があります。そのためロンドンFIXは重要なポイントに当たることが多いです。
例えば、そのポイントが日足でのトレンドフォローのエントリーポイントになったり、利確するポイントになることが多いです。
つまり、ロンドンFIXの時間に合わせてチャートの転換を迎えることが多く見られるわけです。
以上