くっきーは、誰かを傷つけているのか?
『野性爆弾のザ・ワールド チャネリング シーズン2』「くっきーProduceドラマ女優オーディション(前後編)」が素晴らしい。
オリジナルドラマの主演に当て込んでいた矢口真里が、ネット番組で多忙を極めるゆえ、ブッキングできないことに! 急遽開催されたオーディションに集まったのは、野呂佳代、橋本愛奈、岡田ロビン翔子の3名(アシスタントMCは矢口真里)。熾烈な審査を経て、見事主演女優の座を勝ち取るのはいったい……!
くっきーによる番組恒例のセクハラに耐えながら、要求に応えていく女性たち。
ときに目も当てられぬあだ名を付けられ、ときに涎を審査され、ときに屈辱的な言葉を強制され、そしてときに純愛を求められ……。息もたえだえに「正解」を探し続ける彼女たちは、大変に不憫だ。恥辱を受けちぐはぐに立ち居振る舞う彼女たちに、笑いを向けて良いのだろうか? 女性を傷つけることが、笑いといえるのだろうか?
最終審査―「検便」。
課題は、公園に落ちているものの中で、自分の便に近いものを持ってくること。
岡田ロビン翔子(あだ名:ペニチャッチャ)は、小石を数個。
野呂佳代(あだ名:肉だるま)は、小蟻を一匹。
橋本愛奈(あだ名:赤むけ)は、砂塵に一輪の小さな花を。
ひたむきに「正解」を探し続けた彼女たちはついに、正しいかもしれぬ笑いに辿りつく。
くっきーが彼女たちをここまで導いたのか?
そして。
恩師・くっきーは、彼女たちの「検便」をお茶漬けにして食す。
まるで我が子の非行を自ら背負う、親のように。
笑いには、「いじめっ子の笑い」と「いじめられっ子の笑い」がある。
くっきーは「いじめっ子」なのだろうか?
きっと誰かは傷ついている。
でも、彼の頬を、ピエロの涙が伝っているようにも思える。
(文・GunCrazyLarry)