LCCは9時間も飛行機を飛ばすな
機内でカップ麺が食べられるシステムは失敗だと思う。パンデミックの時に機内の空気は約20分で入れ替わるなんて聞いたけど、それは匂いには関係しないんだろうか。1時間おきぐらいに機内をただよってくる辛ラーメンの匂いに心がやられかけである。
今日の敗因は2つあった。1つ目は食事がないことをすっかり忘れていたこと。9時間というフライト時間を見て、機内食があるだろうと思っていたが、これはZIPAIR。LCCなのだ。というかLCCのくせに9時間も飛行機を飛ばすな。いや、そんな格安でアメリカまで行ってくれて本当にありがとうございます。恨みたいけど恨めない複雑な気持ち。カップ麺の匂いに負けたが、500円の辛ラーメンは食べる気になれず、思わずプリングルスを買った。スモールサイズで250円。まだいいか。心の費用対効果はギリギリセーフ。
2つ目は娯楽がないことを忘れていたこと。正確に言えばなくても大丈夫かと思っていた。「8時間ぐらいなら寝てしまえばあっという間か」なんて余裕こいてたら全く寝られない。自分が持っているデバイスを通して映画が観れるらしいのだが、日本語吹き替えしか選べず、だからといって字幕なしで全編英語で見る体力もなく唸っている。ううむ。
実はスカンジナビア航空のスカイチーム加入キャンペーンに参加している。期間内にスカイチーム17社中の15社に搭乗できれば約700万円分のマイルが返ってくるらしい。毎日唸りながらルートを決めて、毎日唸りながらマイル加算対象の予約クラスかを確かめ、11月と12月で2週間ずつの旅行計画を立てた。そしてそれが11/8に始まったのである。
最初の目的地は冒頭に書いた通りのアメリカはロサンゼルス。目的はデルタ航空に乗るためだ。デルタ航空は長距離路線ばかりで、節約のためにはLCCでアメリカ本土まで行き、アメリカ国内線をデルタ航空で使うのが一番安上がりなことに気づいた。一番安く手っ取り早くアメリカに行けるすべがZIPAIRだったのだ。ならば仕方ない。スケジュール的にもなるべく日数を詰めたかったが、せっかく行くなら観光したいなとトランジットを12時間にした。ロサンゼルスに何があるかも知らないがそれなりに楽しもうと思う。
ハワイやグアムにしか行ったことがない自分にとって、初めてのアメリカ本土。偶然にも大統領選の直後となった。週末まで決まらないかなと思っていたが、蓋を開けてみれば早々と決着がついてしまった。歴史の転換点になるかもしれない時期に、現場の空気が吸えるのはとてもラッキーなことだと思う。「アメリカの空気を吸うだけで、僕は高く跳べると思ってたのかなあ…」なんてことにはならずに安全に過ごしたい。
飛行機はあと3時間ほどで到着するらしい。これを書いている現在進行形の今ですら暇を持て余して書き始めた始末。遠い、遠すぎるぞ、アメリカ本土。これでも以前、住んでいたロンドンに行くよりよっぽど近いはずなのに。スカンジナビア修行。巷ではそう呼ばれているらしい。修行というにはあまりにも緩やかだが修行はまだまだ続く。
旅の始まり、いつもこれ
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