1DX3ユーザーによる EOSR3評価 Vol.1(外装編)
Vol.0を読んでいただいた方ありがとうございます。
今回も(?)と―――っても長いので、途中でトイレ休憩挟んでください。
(今後書き足す可能性有り。Ver.1 更新01/11)
このシリーズはこちら
さて。
やっとここからやっと本当のレビューとなります。
大きな注意点ですが、
1DX MarkⅢという使い易さお化けにどっぷりと漬け込まれたユーザーのレビューとなります。
他のカメラと比べたら些細な事についても辛口かもしれません。
また、1DXMarkⅢという名は長いため今後1DXと略します。
外装編始まり始まり
モニター編
「耐久性がー」とか
「つい最近発売されたZ9みたいな3軸チルトの方がー」(α1は2軸?チルト)
とか言われてますが何を言おうと見やすいですし、使いやすいです。
ただ、動画を売りにするならケーブル関係と干渉するバリアングルは多少工夫入れた方がいいんじゃ無いかとは思う。
スペック比較するならR3のバリアングルモニターは3.2型415万ドット。
1DX3も同じく3.2型固定でしたが210万ドットだったので密度はほぼ2倍。
ちなみに、よく比較されるフラグシップはというと
α1 チルト 144万ドット
Z9 3軸チルト 210万ドット
というわけで、背面モニターは断トツで綺麗だと思います。
また、モニターを起こすための溝が上下にありモニターは動かしやすいです。
ただ、冬用の厚手手袋をつけてるとやはり起こしにくい為一度寝かせてしまうと苦労するかも。
ベゼルに上下差があるのは謎。
ボタン配置編
Q(Quick menu)ボタンとinfoボタンの配置。
Canonユーザーはご存じだと思うが、
QボタンはQuickのQであり名前の通り、撮影中にカメラの設定やその他情報をパッと確認したい時、そしてその表示を変更したい時に押すボタンである。
Qの位置が1Dから大きく変わり、さらに元々あった位置にInfoが来た。
いったん使い勝手ではなくデザインとしてみる場合、公式が発表したR5と1Dの合いの子として最も中間地点にいるポイントだと思う。
試作機っぽかったEOS Rの時点でInfoは上部に設置されており、R5でInfoとQの位置並びに高さがおおよそ決まったとも考えられる。
ちなみに、R5や1DXと比較すると、R3の手前ダイヤルとボタンはだいぶ厚みがあり、冬季オリンピックを視野に入れた設計だと言えるだろう。
単純に1DXと比較した場合、手前ダイヤルもボタンも1DXよりも厚い。
なのに押しづらいと感じるのは、1DXのボタンは角が無いのに対し、R3は角があるデザインなのが影響してると考えられる。(Qボタンは配置/高低差的に論外的に押しづらい)
続いて、左手で触れるグリップ左上部
MenuボタンとRateボタンの配置
個人的にこれも許せない。
デザインはわかるが、使い勝手が許せない。
右側に配置されたこのMenuボタンとRateボタン。
どうして左手で左下からアクセスするのに右斜めにボタンを並べたのか本当に解せない。
素手でも押し間違えるし、冬季に手袋なんてつけたらもはや同時押し不可避。
Rateボタンは押してもそこまで影響がないが、素直に邪魔だ。
上部ボタンについて
Modeがダイヤル込みでR5のように右側に設置された結果、左側のボタン配置が3つから2つに減った。この点については使い勝手上特に問題ないだろう。(そもそもマニュアル以外使用しない)
前述のR5から遺伝した
Modeボタン兼ダイヤルについて
まず。1DXユーザーからすると大変使いやすい。
1DXにおいて、ISOはボタンを押した後、ダイヤルで変更する必要があった。私の仕事現場では、SSの上限はないが、ガンガン明るさが変化する。
そのためISOとSSを高めに設定し、人差し指で調整できるSSで明るさを調整していた。
そのため、無駄にSSとISOが高いのは日常茶飯事だった。
そんな1Dに対し、R3はこの新ダイヤルの追加によって瞬間的にISOを調整できるようになった。(CanonはISO耐性が本当に近年強くて助かる)
もちろん、RFの為「コントロールリング」も追加されており、1DXと比べると一気にダイヤルが2つ増えたことになる。
コントロールリングにISOを設定することで、覗いたまま急激な明暗差にも対応してガンガン撮れるだろう。反応性もとても良い。
回転角は広めだが手袋を使用していても使えると考えれば良い。
また、コントロールリングについては保険として、"指定ボタンを押したうえでダイヤル操作時のみ反応"の設定も可能となっている。
書き忘れたことが1つあった。
今まで存在したけど、ほとんど使われなかったボタンがある。
M-Fnボタン
こういわれて、どこにあるかわかる人はいるだろうか。
ストロボをETTLで用いる際のプリ発光等で用いられていたが、周囲のEOSユーザーに聞いたところ、存在を知らないユーザーが一部いる上に、実際に使用しているユーザーは皆無だった。(周囲の偏りは多いにあるだろう)
だがEOS R3で輝きを得た。
なぜなら、EOS R3には「視線AF」という独特だがとても優秀な機能がある。
これは常にONにしていると不便だが、局所的に変わりが効かない便利さを発揮するというものだ。
そのため、「視線AF」をON/OFFする設定をM-Fnに割り振ると良い。
親指AFとは別に人差し指で設定できるため配置的にも機能的にもとてもマッチしたボタンだと思う。R3を手に入れた人は是非この設定を試してほしい。
その他編(雑)
グリップがR3で大きく刷新された
とっても良い意味で握りが良くなった。
もともとCanonの1Dシリーズは他メーカーと比べてもとてもグリップ性が良かったのだが、その遺伝子を持つR3は「安定性」の向上というよりさらなる「持ち感」というかなんというか「質」を得た。
理論的に言うならば、今までのEOSシリーズは細かめかつ粗目の皮調だったのが、R3から円形に凹っている少し柔らかめの素材になった。
情的に書くならば、手に吸い付く感じ。
縦グリップのストラップホールがなくなった
R3が届く前にCanonストアで試しに触って上述の内容についてはおおよそわかっていたのだが、家に届いて初めて気が付いた。
私は縦ストラップと右ストラップを固定することで、カメラのグリップ部を上に向けてショルダー掛けするタイプだ。
このように釣ることで、上から直接グリップをつかみそのまま撮影することができる。
R3からはそれができなくなった。
もし1Dのように縦釣りをする場合、SmallRigが開発しているようなケージを付けるもしくは、重心がずれるがPeakDesignが出しているアンカーのようなものを三脚穴に付けるしかないだろう。
後者の場合、三脚へのアクセスが不便になるため私はSmallRigの開発を待つ予定だ。
頭の上にタンコブが(防滴/防塵用カバー)
仕事上も趣味上も勘弁してほしい。
本当の意味でタンコブで邪魔である。
R3から実装されたマルチアクセサリーシュー(MAシュー?)はなんと防滴防塵対象ではない。
そのため、上部には専用のカバーをつけることを推奨されている。
このカバーは接合部がプラスチック、その周りをシリコン樹脂で覆われたものだ。
防滴防塵な物の為シーリングがしっかりしており、片手で簡単に外せはしない。
仕事ではストロボコマンダーを使う。
趣味でも照準器を載せる。
つまり頻繁に外さないといけない。
ただし、この子も多少の配慮設計はされているらしい。
取り外し/装着時に「クッ」と抵抗がある。
ちゃんと装着されたかどうかはわかりやすい。
また、端子自体は縦L型にしっかり固定されているため折れるようなものではない。
ただし、上から押すと若干沈む。
恐らく接合性を高めるために若干可動する設計。
それがCanonが防滴防塵と言えなくなった原因だと思う。
HDMI出力がMiniからMicroに変更
個人的に、動画を推すならせめてMiniHDMIにしてほしい。
MicroHDMI端子はそもそもそこら家電量販店での取り扱いが少ない。
また、microUSBを彷彿とさせるこのデザインは不安の塊だ。
これはR3とは関係ないが、いつかどこかのカメラメーカーがやってもおかしくないと思っていること。
HDMIをTypeCソケット一括出力は絶対にやってはだめだ。
"感想"
R3を軽いというユーザーはまず少ないだろう。
だが、1DXは1440g、対しR3は1015gだ。
1Dユーザーからしてみれば400g以上軽くなっている。
これは最近流行りの少量ペットボトル1本分に当たる。それでいて上述の通りグリップ性は向上しており、ダイヤル数も増えて1DXよりできることは格段に増え便利になった。
R3を手に取って思うのはCanonのカメラは今だ着実に進化している。
1DXユーザーだがR3は現状不便なくむしろ快適に使えている。(何よりダイヤルが増えるのはとてつもなく大きい)
もちろん一部ボタン配置やダイヤルの形状等「慣れる」ものではない
ちょっとした不便さがごく一部残るのも事実だ。
しかし、Canonユーザーは忘れてはいけないことがある。
R3は「ハイアマチュア機」だ。
われらにはR1が待っている。
—次号—
こねくり回した設定/操作性編
-告知‐
気になるバッテリー性能やファインダーについてはvol.3で書く予定です
今先に言えるとしたら「心配するな買え」