ラジオドラマ脚本:高校生たちの七夕物語
登場人物
静内 遥(しずない はるか) 男 17歳
本作の主人公。クラスの中では物静かな性格。
よほどの事がない限り、あまり感情を表に出さないタイプ。
旭川 ゆい(あさひかわ ゆい) 女 17歳
遥たちの通う高校に転校してきた女子高生。
遥とは小学校が一緒だった。
石狩 史弥(いしかり ふみや) 男 17歳
遥の親友。元気が良すぎるのが唯一の取り柄。
檜山 聡介(ひやま そうすけ) 男 17歳
遥たちのクラスメイト。石狩史弥並の明るさを性格に持つ。
根室 芹菜(ねむろ せりな) 女 16歳
クラス委員長。童顔系女子で頭が良い。登場人物
釧路 徹平(くしろ てっぺい) 男16歳
遥たちのクラスメイト。檜山聡介と仲が良い。
十勝 早苗(とかち さなえ) 女 17歳
クラス一の美人。根室早苗の親友。男子たちの憧れの的。
箱田 哲也(はこだ てつや) 男 42歳
遥たちのクラスの担任。
岸 ゆりか(きし ゆりか) 女 35歳
遥たちのクラスの隣の担任。
小樽 智哉(おたる ともや) 男 19歳
遥が通う高校の卒業生。七夕祭りでバイトしているところに遥たちと出会う。
本編
静内:あぁー・・・暑い・・・(気だるそうな声)
石狩:おっはよー遥!
静内:朝から元気だなぁ、史弥
石狩:だって2週間もすればもう夏休みだぜ?遊び放題だからな!
静内:夏休み・・・かぁ。俺、何するか全く決めてねぇや・・・
檜山:大丈夫だぞ、遥、史弥。夏休みなら学校がいっぱいイベント用意してくれるからな
静内:あ、聡介
石狩:おはよう、聡介。で、イベントって何かあるのか?
檜山:高校野球の応援とか、受験対策の課外授業とかさ
石狩:えぇ~?
静内:よかったじゃねぇか、史弥
石狩:・・・良くねぇよ。せっかくの、ましてや高校生最後の夏休みにどうして学校行かなきゃいけないんだ・・・
根室:(3人のやりとりを見て)あらあら、今日も石狩くんは元気ねぇ
檜山:根室さん、いつの間に
根室:ついさっき来たところよ。あ、そういえば朗報よ。今日、転校生が来るんだって
静内:転校生?
石狩:へぇ・・・珍しいな、この時期に。どんな子なんだろ?
(予鈴が鳴る。続けて教室のドアが開く音)
箱田:お前ら、ホームルーム始めるぞー。早く席に着けー(生徒に呼びかけるように)
根室:きりーつ!
全員:おはようございまーす!
箱田:あー・・・早速だが、今日からこのクラスに新しい仲間が加わる。・・・旭川さん、入って
旭川:あ、はい
静内:(・・・旭川?)
箱田:旭川ゆいさんだ。夏休み間近だが、みんな、仲良くするように
旭川:旭川ゆいです。よろしくお願いいたします
静内:(旭川・・・ゆい・・・?)
箱田:じゃあ、君の座る席は・・・っと・・・
静内:あっ・・・!(思い出したような声を出す)
箱田:どうした?静内
静内:あ、いや・・・その・・・
石狩:先生、こいつ、転校生さんを隣の席にしてほしいんだと思います!
静内:馬鹿、そういう訳じゃ・・・!(石狩に向かって)
(クラスに笑いが起きる)
十勝:あら静内くん、隣の私じゃ不満かしら?
静内:だ、だから、そうじゃなくて・・・
旭川:あ、もしかして静内くん?
静内:そう!・・・思い出した?
旭川:あぁやっぱり!
箱田:なんだ、二人は知り合いだったのか?
静内:えぇ、まぁ・・・
箱田:そういうことなら、まぁ大丈夫か。他のみんなも協力するように!
全員:はーい!
石狩:へぇ、二人は同じ小学校だったんだ
旭川:そうなの。卒業した後は別々の中学校に行ってたんだ
静内:卒業してからは全く連絡取り合ったりしてなかったからな。まさか同じ高校になるとは思わなかったぜ
根室:何かのめぐり合わせかしらね。七夕の日に会えるなんて
釧路:そっかぁ・・・今日は7月7日かぁ。
檜山:七夕といえば願い事、俺はもう決めてあるぜ
十勝:どんな?
檜山:今年のテスト、全部いい点取れますようにってさ!
静内:おまえ、もうちょっとこう、まともな夢はないのかよ・・・(呆れ気味に)
根室:大丈夫よ、静内くん。私と早苗ちゃんとでみっちり檜山君の勉強指導するから、ね?(十勝に視線を送る)
十勝:そうよ、わざわざお星様にお願いしなくても、私たちが叶えてあげる
檜山:あ、じゃあ、別の願い事にします・・・(だんだん小声になっていく)
釧路:なんだよ、聡介ばっかり・・・
静内:徹平は何かないのか?
釧路:うーん・・・俺、今まで彼女できたことないから、彼女希望で!
根室:釧路くんのは、檜山くんの願い事に比べたら良いほうね
静内:そういう二人は?願い事
旭川:私も聞きたい!
十勝:あたしはねぇ、やっぱり結婚かな。玉の輿を狙うの!
根室:ふふっ、早苗ちゃんらしいね
十勝:じゃあ芹菜は?
根室:私はね・・・どうしようかな?まだ決まってないのよね
旭川:ねぇ、静内くんは?
静内:へ?俺?
旭川:だって静内君、さっきからみんなの願い事ばかり聞いてるんだもん
釧路:旭川さんの言うとおりだぞ。さぁ遥、お前の夢ぶっちゃけろ!
静内:ちょ、そんないきなり・・・!
(学校の鐘の音)
十勝:やだ、もう帰る時間?
(教室の扉が開く)
岸:あら?あなたたち、まだ残ってたの?もう下校時間よ
檜山:あ、岸先生
旭川:岸先生?
根室:岸ゆりか先生。隣のクラスの担任なの。
旭川:へぇ・・・
岸:このまま教室に残ってたら他の先生方に追い出されちゃうわよ。早く帰っちゃいなさい
石狩:分かってるよ、先生。みんな、早く行こうぜ
岸:あ、そうだ。今日、近くでお祭りがやってるそうじゃない?そこに行ってみたらどう?
静内:それって・・・七夕祭り?
岸:えぇ、もちろんよ
釧路:んー・・・どうする?
石狩:俺、行きたい!
釧路:俺も!
根室:そうね、たまには、みんなで寄り道するのもいいんじゃない?
旭川:私も!行ってみたい!
十勝:じゃあ、決まりね。早速行きましょう
岸:ふふっ、明日が休みだからって、あんまり遅くまで居ちゃ駄目よ。帰りは気をつけてね
十勝:分かりました
岸:じゃあ、みんな楽しんできてね!
(人のざわめき)
静内:おぉー、結構な人だかりだなぁ・・・
旭川:すごーい!これ、毎年やってるの?
石狩:あぁ、そうさ!
旭川:短冊いっぱいあるね!みんな飾ってるんだぁ
釧路:これ、飾るところ無くないか?
小樽:お、静内に石狩じゃねぇか!みんなで遊びに来たのか?
石狩:おーす、小樽先輩!
檜山:小樽先輩・・・ここでバイトっすか?
小樽:まぁ、そんなとこだ。あ、そうだ、お前らも書くか?短冊、いっぱいあるぞ
石狩:もちろん!さぁ書くぞー
十勝:ふふっ、短冊に願い事を書くなんて小学生以来ね
静内:俺も・・・願い事何にするかなぁ・・・
旭川:そういえば、さっきの質問の答え、まだ聞いてなかったね
根室:静内君、何にするか決めたの?
静内:あぁ、とりあえずな
釧路:ちょっと見せろよ、遥!
静内:誰が見せるか、秘密だ
石狩:えぇー?
小樽:ははは、お前は昔からいつもそうだよなぁ
静内:俺の願い事・・・それは。これからもみんなと楽しい時間をずっと過ごせますように。
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