私のおばあちゃん(和子)の話(4)ルーツを辿れ。子供は育つが水を貰うところは選べない。
盛岡との出会い。
お金を稼ぐためにまた仕事に戻った
和子は、そんな時に出会う。
男と出会うまでに、そして一緒にいたいと思われるまでに和子はそんなに時間を用さないみたいだ。
和子の魅力はなんだろうと思うと、
どんなに周りが反対することや、将来が不安になるようなことでも、
自分の心に素直であり、そして
手に入らない、希望や欲望に対して進む時
自由を手にした時の輝きは、
既婚していた時よりも、離婚を経てさらに輝きをましたのだろうな
と思った。
ラーメン屋を経営していた盛岡。地元では有名な一般的にいうと悪いやつの分類だったみたい。
子供の雄一とチイちゃんもいい年になった。
転居を機に、子供の二人も転校することになるのだ。
自由を選んだが子供二人いる和子。そして自分の人生が一番楽しい和子は、子育てには向いていなかったのかもしれないと本人は語る。
転校するには色々届出が必要らしいのだが、
そんなのできなくて当たり前じゃないという和子さん。
もともといい学校へ言っていた父とチイちゃんは、頭がよかったみたいで、真面目におぼっちゃまらしく、お嬢様らしく通学していたみたいだが、
急に見知らぬ田舎に連れて行かれて学校もどこかわからない小学生二人は、
元の学校へ、自力で通ったみたいであった。
見かねた元の学校の担任が、和子へ掛け合い、新しい学校を探し、
手続きを進め、引っ越してから半年後、やっとこさ義務教育へ参加した。
そんな感じだから、新しい学校では、雄一はぐれたみたい。
舐められないように、小学校の窓から入ったりいわゆる「ジャイアン」。
頭はすっかりすっからかんになった。テストは頭のいいやつと回答を交換する。
そんなこんなで小学校を卒業後、中学は田舎から、上大岡のところへ通うことになる。
理由は知らないが、知り合いが多かったのか、父も血の流れが一緒で、知らないものや好奇心で動いてしまうのか、であったら私も否めないが、、
そこで悪いことばっかり、二番目の父の知り合いに教えてもらったみたいだ。
和子は仕事と生活でめいいっぱい。
ご飯など作ることのできない和子は、子育てはできなかった。
そして雄一とチイちゃんは生きていく力を身に着ける。
「ご飯、俺ら盛岡の子供、つけといて」
と知り合いの店回ってはたらふく夜ご飯だけ食べて過ごしていたそうだ。
付けをする中学生。時代すぎる。
そんな様子を一番目のお父さんは見ていたみたい。
ラーメンを食べる二人を見に言った最初の旦那は、盛岡にその事実がバレてしまう。
「お前、元旦那だろ。何しに来たんだ」
「子供に一目合わせてくれ。わざわざ会いに来たんだ」
「頼んでねえよ。二度と会いに来るな」
と厳つい見た目に脅された元旦那は、見に来ることもやめてしまったか、影からこっそり見ていたのだろうか。
そんなことが和子は情けなくてさらに嫌いという記憶が足されて、絵の具の色は原色に近ずく。色をはっきりとねっとりとその感触は気持ちが悪いという五感にまで侵食した。
ここまで来るとこんなこともはねのけてしまうんだな。
元旦那は若くして腎臓癌になっていたらしい。
そのことを知らない雄一とチイちゃんには直接の電話は許されていない。
別に元旦那に何されたこともなく、和子の自由のために父親から剥がされた二人であったが、
新しい父ができた以上、そして盛岡も可愛がってくれたことや、
実の父は仕事で忙しかったが、盛岡は、子供が友達にいじめられ要するもんであれば、半殺しにする勢いでやり返してやった(それが正しいことではないと思うが直接的な愛に感じたのだと思う)、そんな盛岡のことが好きになっていた頃だった。
和子に電話がくる。
「俺、もう長くないんだ。会いに行きたいけど行けないんだ、雄一とチイちゃんに合わせてはくれないか」
「子供に聞く。待ってな」
何も知らない雄一は、母親である、育ててくれた和子に父親に会いたいか聞かれ、
「和子が決めていいよ」ときを使ったそうだ。なぜ会いたいかなど理由もわからず。
この一件以来、父は死と向き合うことに対して異常に心と体が反応するようになった。自分を責めるようになった。少ししてから、実の父はガンで亡くなったことを知った。どこに恨みや感情をぶつけていいかわからない訛りは、心に沈み、思春期の少年の素行を荒立てた。
なんだかんだ理容師免許を取り、今なんて兄弟で理容店を営む父もまた個人事業主であるのだが。
和子は誤りはしなかった。
そんな盛岡は、元旦那に引きづられるように、別の一件でなくなる。
社会からはぐれた、組織に入っていることは恐ろしいとしる。何をしたのかどこで恨みを買ったのかわからぬ盛岡は家に急に帰ってこなくなった。ある時新聞でしる。実の弟に滅多刺しにされて遺体は川崎で見つかったのだと。
その川崎に私も4年住んでいた。そんなこと知る前に。なんかホラーみたいだね。
綺麗だったり、感動的前向きなスピリチュアルは好むけれど、恐ろしい黒いホラーは正直に怖い私であるのでこの話はここら辺で。
そんなことも超えてゆけ(多分そんな簡単なことではなかったと思うが)の和子は、なんだかんだお金を貯めて、一件屋を自分のものにして、自分の店を始める。